KAMAKURA☆CHAMPROO

見る前に跳べ!「無計画に走るのは世の常」が座右の銘

月刊漫画ガロINDEX 1967年7月号(通巻35)

2007-02-04 23:33:04 | COMIC
目次
白土三平 カムイ伝 第31回
読者サロン
永島慎二 アシスタント
上野昂志 目安箱 第28回 無力ということについて
佐々木守 日本忍法伝 第21回
楠勝平 どろ棒とこん棒
勝又進 作品集 第13回
滝田ゆう 赤飯(こわめし)
つりたくにこ ジンロク
水木しげる 鬼太郎夜話 第2回


白土三平 カムイ伝(63頁)



前々号の続きとなります。

・ 手風により傷を負ったカムイは鷹匠百舌兵衛に助けられる
・ 手風一味に囲まれた正助は山の民(山窩)の頭・日置の一(はじめ)のはからいで命を助けられる



・ 日置藩の秘密を調べる手風一味。特に大事にされている亀にカギがあることを突き止める。と同時に、カムイの利用価値がなくなり、カムイの始末を図る



・ 日置藩犬番であるカムイは、犬を使って手風一味の追撃をかわす。カムイもまた亀に秘密があることをつかんでいた




読者サロン

『カムイ伝』断想:カムイ伝の特徴として単なる忍者物ではなく、忍者を含めた登場人物全員がいずれも見逃すことのできない比重で物語を構成しており、ドラマが大河化、複雑化している。ただし、「共産主義」色が強くなっていくことに疑問を感じる、といった意見
「ガロ」五月号雑感:漫画こそ最高の表現形式だと信念を持っていたが、「カムイ伝」においてそれを確認することができた、といった意見


永島慎二 アシスタント

シリーズ黄色い涙 SHINJI GEKIGA. COLLECTION-NO.2

売れっ子児童漫画家のアシスタントの話。月産300ページの連載をこなすため、常時忙しく働いている。



仕事が一段落した休日、アパートでどろのように眠る。忙しい分経済的には若干の余裕はある。ただ、何か空しさを感じる。親の反対を押し切って、漫画家になるため田舎から出てきたあの頃。とにかく自分のものを描かなくちゃ、と決意を新たにする。



永島さん得意の漫画家を主人公にした一連の作品の一つ。


楠勝平 どろ棒とこん棒

大きな商家の丁稚の小僧、夜厠に行っている間にどろ棒が入り、家の者は残らず縛り上げられてしまった。



丁稚のいることにどろ棒は気づいていない。丁稚はこん棒を手に、どろ棒をやっつけようとする。まさに好機、丁稚はどのくらい打てば気を失うのだろう、強すぎて殺してしまうかも、色々と考えて打つことができない。





どろ棒は通りがかりの武士にずたずたに斬られるが、へまをした丁稚は追い出されてしまう。



人間性の弱さを暖かい視点で描いた好作品。


滝田ゆう 赤飯(こわめし)

江戸時代の下級武士である中年男、職場で平馬という男が家老の娘と祝言を挙げることとなり、異例の出世をした話題で持ちきり。平馬は男の娘を裏切った男で、何とか復讐をしたいと思っている。娘は私が浅はかでしたと泣くばかり。



その平馬が落馬して死んでしまった。男は喜びを禁じえない。職場を早退し、祝い酒を飲み、土産に赤飯を買って帰る。



娘は喜ぶ父親に死んだ人を悪く言わないでと。赤飯を食べろと言うと、娘はこれで行くところにいけますと言い残し、消えてしまう。娘もまた死んでいたのだった。


つりたくにこ ジンロク



逞しくも楽観的に生きるジンロク。屈折した友人が死に向かうのを助け、人生の楽しさを説く。



仲間たちはジンロクを悩みがなくていいなと思っている。だが、ジンロクの内面は複雑で、「甘ったれるな!わかってたまるか」と心の叫びをあげながら、車に轢かれて死んでしまう。




水木しげる 鬼太郎夜話 第2回(49ページ)



2回目で鬼太郎登場。調布市下石原の民家に鬼太郎と目玉の親父が住んでいるが、家賃がたまっており大家に追い出される。



二人は名も知れぬ岩穴に泊まる。そこは有馬博士が牛鬼を掘り起こした洞窟で、鬼太郎は牛鬼に魂を抜かれて牛鬼の僕になってしまった。有馬博士を探しに出た目玉親父は豪雨に流され川に落ち込んでしまう。牛鬼は鬼太郎を使って人をおびき寄せ、食べていた。



目玉親父はねずみ男に拾われる。ねずみ男は吸血鬼の下僕をしており、目玉親父を天ぷらにして吸血鬼に食べさせる。



吸血鬼は血液を求め、ねずみ男に新しいすみかを探すよう命令、ねずみ男は奇妙な下宿屋を見つける。メシ食べ放題、部屋代タダの下宿屋で、そこは牛鬼/鬼太郎が獲物を見つけるための下宿屋だった。吸血鬼/ねずみ男および美味しい話に飛びついた漫画家がその下宿屋に住み始める。
牛鬼、吸血鬼はそれぞれ、漫画家を食べることを計画。吸血鬼の体内で生き続けた目玉親父は鬼太郎を見つけ、外に抜け出す。



が、魂を奪われた鬼太郎の密告で牛鬼に捕まってしまう。



ベタが多く、趣のある画風で、なかなか魅力的な怪奇漫画になっています。背景の雰囲気は懐かしさを感じます。

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