KAMAKURA☆CHAMPROO

見る前に跳べ!「無計画に走るのは世の常」が座右の銘

月刊漫画ガロINDEX 1967年4月号(通巻32)

2007-01-13 19:00:05 | COMIC
目次
白土三平 カムイ伝 第28回(130枚)
上野昂志 目安箱 第25回 『喜劇と悲劇』-1967年のロマンチシズム的傾向について-
佐々木守 日本忍法伝第18回(挿絵:岡本颯子)
勝又進 作品集第10回
つりたくにこ あがき
入選作品 田代為寛 不思議な球
入選作品 山本いくお スリ
滝田ゆう あしがる
水木しげる 錬金術



白土三平 カムイ伝



・ 夢屋打ちこわしに関連し捕まったキクを想い、焦燥感に駆られるクシロ。クシロを見守る左卜伝
・ 夢屋を陥れようとする目付・軍太夫の指示でキクを尋問する奉行。キクは黙秘する。
・ 目付の配下の頭・横目がキクがクリスチャンであることを知り、目付に報告
・ 目付は日置藩内で邪宗門改め(踏絵)を行う。藩内に50名ほどのキリシタンがいることが判明。問題は夢屋問題から隠れキリシタン問題に変ってしまい、収拾に悩む城代家老と目付・軍太夫
・ 夢屋の番頭にやつした抜忍・赤目が牢よりキクを助け出すが、キクは自らの意思で戻り、捕まっている他の信者と行動を共にする



・ 目付は形式的にでも信者を転ばせて事態を収拾しようとするが、信者たちは信仰を捨てない。
・ 信者たちは迫害され、火あぶりの刑となる。あわやというところで、クシロが乱入し、手足を切られながらも、左卜伝、赤目の助けでキクを助け出す。
・ 島に逃げるが、追っ手を蹴散らした左卜伝は落命する。
・ 島に城代家老が訪れ、他の者を許すことと引き換えに、キクに踏絵を促す。マリア像を踏むキク
・ その後、キクはクシロと島で生活するが、病気にかかってしまう。偏狭なクシロは他の者を近づけず、キクは死んでしまう。フナ虫に食われ白骨となるまで、キクといっしょにいるクシロ



・ そんな二人を見守っていた赤目は金の力では人は救えないことを思い知る



といったところがこの回のポイントです。


つりたくにこ あがき



「カムイ伝」を読んだ主人公が「この世からありとあらゆる悪と、差別と、貧乏を追放する」と立ち上がるが、何をやってよいかわからないという話。ねずみ男を足蹴にしたり、ガロ漫画のパロディ。




田代為寛 不思議な球

ある日黒い球体から無数のねずみが「今週のビックリドッキリ・メカ」のように出てくる。



それを妙にデッサンの狂った子供が見つけ、なぜかシャベルを持った男に報告。

 

男は仲間を呼びねずみを退治。球体を壊そうとするとねずみは球体を運んで海へ逃げる。海の中では球体から無数の魚が出てくる。といった内容のサイレント漫画。変なテイストの漫画。


滝田ゆう あしがる

滝田ゆう氏はその後ガロ誌上で「寺島町奇譚」を連載しますが、この号からほとんど毎号のように登場します。ペーソス系の人情漫画といったところでしょうか。ふきだしの中に絵で心理状態を表現するのが特徴的でした。記憶になかったのですが、調べたところ'90年に亡くなっているとのこと。



この作品は主君の身代わりとなって切腹をするために抜擢された足軽が、無理やり切腹をさせられる。それを藩のお偉方たちは見ているが、死に際が無様であることから、やはり足軽は使えないなという結論に至る。彼の切腹はリハーサルだった。悲しい話。




水木しげる 錬金術



丹角先生(ねずみ男)の口車に乗って錬金術にうつつを抜かす両親にあきれ、丹角先生に、これ以上両親を惑わさないよう申し入れる少年。丹角先生は「錬金術は金(きん)を得ることにあるのではなく、そのことによって金(かね)では得られない希望を得ることにあるんだ」。思わずはっとする少年。



以上です。

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