ずっと水書きで練習したわけです。
水書きはいいです。
筆を洗う必要がないので隙間時間に練習ができる。
墨で汚れることがないので練習する場所を選ばない。
結果として家を汚したり、場所を占有したりして、家族に迷惑をかけることが少ない。
なんと素晴らしい方法かと当時は思ったのです。
が、しかし。
小さい文字の練習をすると、あっという間に乾いてしまって練習にならないという欠点があったのです。
そしてこの欠点は実用性という点において致命的だったのです。
なぜなら、半紙に四文字という大きさの字を、実用的に使う機会はほとんどないのに、ここで鍛えられた筋肉は小筆の時に使う筋肉とは異なるので、シンクロしない。
つまり練習の成果の数割しか、実用的な部分では上達した恩恵を受けられないのです。
そんなわけで迷える私は、練習のメインを筆ぺんで古典のなぞり書きに移行。
これなら洗う手間がなく、汚す心配もほぼないという水書きのメリットを維持しつつ、実用にも役に立ち、さらにはなぞり書きなので精神が乱れていてもとりあえず練習ができ、つまり毎日練習することが可能で、これはさらなる上達の道筋を開くことになった。
というわけなのです。
欠点はコピーする手間と料金ですが、教室で習うことと比較すれば大した金額ではないので、万事解決!
素晴らしい方法を思いついたと自画自賛の日々。
ぜひみなさんもいかがでしょう?