手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

松田権六著  うるしの話

2010-04-14 07:40:49 | Weblog
私の手元に、松田権六著 「うるしの話」の岩波新書の
古い本があります。1974年発行の本らしい・です。
初版は、1964年。

ページの紙は、日焼けしていますが・・・。  

この本は、蒔絵師 田中稲月さんの仕事机の引き出しの中に
入っていました。

私も、この本を随分前に本屋から買って読んでましたので、
田中さんもちゃんと読んでいたんだなあと感動したことを
覚えています。

松田権六が、60歳を超えた時に書かれた本らしいです。

日本の漆は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が
山に狩りに行った時、偶然美しく紅葉したある木の枝
を折った時、その木の汁が皇子の手につき黒く光った。
 皇子はその汁を採らせて、自分の愛がんの器物に塗
らせたという。(色葉字類抄 巻5)と書いてありました。

日本の漆の起源について書いてあるわけですが、古代の氏族
制度の中で、漆部もあったと記録されていますので、想像する
以上古くから発達していたのだろうとこの本には書いてあります。

松田権六の、漆について後世に残した大変貴重な一冊です。

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