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鳥取の漆職人がお届けします。

箱根駅伝

2011-01-02 21:41:32 | Weblog
いよいよ待ちに待った箱根駅伝が始まった。

毎年これを見るのを楽しみにしている。

鳥取は大雪だったが、東京は晴れ。なんと快晴・・。複雑な気分・。

 選ばれた20校がさわやかにスタート・。どうなるのか?わくわくどきどき・・。

1区から早稲田が出た・。 大迫君1年生が頑張った・。  2位との差を広げてたすきを渡す・。  そのまま、4区まで1位を維持した。

問題は山登り・。  後ろに昨年優勝の東洋大学の柏原君が控えている。どこのチームも柏原対策を講じている。

早稲田の4年生猪俣君は、良い顔していた。猪俣君は、東北福島県会津の出身で会津高校の出身だ。 実は、私の母校でもある。嬉しい限りだ。後輩がこのように頑張っている姿を見て勇気付けられた。

猪俣君は、推薦で早稲田に入ったのではなく、一般入学で入った選手だ。もちろん高校時代は無名の選手。

彼の先輩には、オリンピック選手マラソンの佐藤敦之君がいる。走る修行僧といわれるほど哲学的な選手である。

佐藤君は現在中国電力に勤めている。現役の選手である。



今日は母校早稲田の応援に駆けつけ、佐藤君は猪俣君に「会津魂で頑張れ!!」と言って励ましたという。

猪俣君は、1年の時はチームでも後ろから5番目ほどの選手だったそうだ。

会津高校は、福島県の進学校で陸上などスポーツはそんなに昔から強くない。
野球も1度選抜に出たほどで、ずうっと予選落ちしている。

そんな雪国会津から、箱根駅伝の選手が出るとは正直信じがたいことだ。

会津高校出身には佐藤敦之君(中国電力)や安西秀幸君(元駒沢大のキャプテン現JAL)がいる。

猪俣君は、玉拾いから練習を積み重ね、初めて4年生になって山登りを命じられた。

「僕は、初めて箱根を走るんではないんです。4年間ずうっと走り続けてきたんです。」かれは、言いきった。それは、人の何十倍も練習したに違いない。

監督が3年生の時に彼に言った。「君のお陰でこのチームは強くなったんだ・。君の姿がチームを引っ張ってきたんだ・。」と。彼はその言葉を紙に認め、部屋の壁に貼った。

箱根の坂道を、無表情に走り抜けていく猪俣。「早稲田頑張れ!!」の声援に応えて彼は黙々とゴールを目指して走った。しかし、後ろから東洋大の山の神さま柏原が迫ってきた。

強豪柏原を抑えなければ優勝は無い!!猪俣の肩には、大きな重荷が乗っかっていた。

後ゴールまで5k付近で柏原が猪俣を捕らえた。一気に抜き去った。改めて柏原の凄さに感動した。いくら山の神さまとて、人間だ。大学生だ。彼の顔は引きずっていた・。

が、彼の非凡さはそのスピードを落とさずにゴールまで駆け抜けたことである。

マイナス2分50秒ほどあった差が、結果的にプラス27秒差にしてしまった。

柏原も福島県のいわき市の出身だ。同じ福島県同士の一騎打ちを、箱根駅伝で演じるとは、最高の正月の演出であった。

柏原君も、8月ごろは体調を崩したりして大変だったようだ。しかし、チームのみんなが支えてくれたと言っていた。今日も、チームメイトから「楽しんで走って来い!!」
と言われたそうだ。優勝請負人の使命を持った柏原君も、押しつぶさせそうな想像を絶する心理的戦いがあったようだ。 そのチームメイトの言葉に、柏原君は目頭を潤ましていた。

青春をかけた戦いに臨んで、精一杯走りぬいた選手の一人一人に、心から熱い拍手を送りたい。 ありがと~~~。


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