家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

木工の講師 内藤 瀬田さんのレポート

2012年03月06日 | Weblog
昨年3月に岩手県技術センターに転職 元町専攻科発表会に来場
元気で頑張ってました。
内藤 廉二さん

・内藤さんは何の専門家ですか?木工も、デザインも製図も絵も、 難なくこなすので、実は、 不思議でした。
「専門・・・と聞かれると、自分でもうーん、という感じですが、ダニエルでは設計を。メインは家具設計(主に特注)、販促物作成、イベント等の現場設計などでした。ですから私は職人ではありませんし、以前工場で働いていたという事もありません」

・では、学校で色々学んだ・・・。
「今は、事業仕分けを受け、かつ名称も変わってしまった職業訓練大学の造形工学科(工業デザイン)出身です。その科は新設間もない科で、木工科と塗装科が合わさって開設されたので、木工や塗装の実習が必須でした。だから、学生時代には木工機械も使ったし、カップガンなども使わせてもらいました。とはいえ、教わったのはそのときだけでダニエルに新卒で入社してからは営業に3年携わった後、設計室に配属になり、徐々に造形工学で学んだ知識も忘れかけていました。そんな時、家具の学校が始まることになり、木工(特に天野氏)担当の講師に選ばれたわけです」

・昔取った杵柄ということですね。
「卒業後、7、8年位経っていたのでほぼ忘れた状態で、様々な文献をあさりながら勉強し直し、実質的なところは天野氏に教わったというのが現実です。ですから初年度は特に大変で、毎週、次週のテキストづくりや授業内容の確認に
必死でした。授業中はあたかも自分ができるように偉そうな事を言いましたが、実質レベル的にはそんなもので、こと木工に関しては、まだまだ頭でっかちの部分もあります」

・器用に何でもこなせちゃうのは、小さい頃から?どんな子どもでしたか。
「今こうして田舎に戻り大きく変貌した景色の中に、まだ変わらぬものを見つけると、ふと子供の頃の情景が思い出されたりします。子供のころは、どちらかというと器用な方でした。勉強は謙遜ではなく本当にまるっきりだったけれど、図画工作、技術家庭は得意。特に絵を描いたり、工作するのは好きでしたが、結構飽きっぽいというか、壁にあたるとやめる性格だったので物を完成させた経験はあまり多くありません。家庭科は出来なかったなあ。この間、引越ついでに部屋を整理していたら小学校の頃の図画の作品が出て来て、あまりのひどさに処分。絵が上手かったというのは、妄想だったのかも(笑)」
・学校開設準備から7年間、様々なご苦労があったと思いますが。
「初めは準備室担当という話で表には出ないはずでしたが、いつの間にやら講師も準備室もということになり、初年度は大変でした。会社が新社屋に移転したばかりで組織的にもいろいろドタバタしている時期に、家具の学校開校というとてつもないことの担当になり私自身戸惑っていましたが、職人さん達の戸惑いはもっと大きく、打ち合わせではかなり難航したことも。講師としての準備の傍ら、道具の調達から整備も行い、でも、数がそろわず不満が出るなかでなんとか初年度を乗り切ったと思ったら、今度は中級も作るよ、上級もやるよと。初めの3年間は、毎年準備の連続という感じでした。でも、おかげでいろんな勉強ができたし、何より、職人さんたちとより親密になれたと感じています。今は、やって良かったと考えるようになりました」

・家具の学校の最初の頃の生徒と最近の生徒に変化を感じますか?
「答えにくいな。毎年それぞれ個性があり、この年は優秀だったとか、あまりできないとかそういう事はないですよ。ただ、初年度は、本当に試行錯誤のバタバタのなかで、クレームも言わずよく来ていただいたなと、特別な思いがありますね」

・7期生は半数以上が中級に進みますが、ご助言を。
「すごいですね。中級は木工機械を使います。くれぐれも怪我には気をつけてください。特に人数が多くなると事故の危険性も高まります。指は10本ありますが、予備が10本用意されているわけではありません。今や家庭でも簡単に木工機械が手に入ります。危険度はプロの機械と変わりません。よーく注意を聞いてください」

・7期生の印象は?
「7期生は、女性陣のパワーの強さ。教室の雰囲気をぐいっと持っていく力強さを持っている。すごい(笑)」

・では、最後に7期生、内藤先生の家具の学校の最後の生徒に言葉をください。
「7年もやっているのに未だにつたない授業でご迷惑をおかけしました。7期生には最後に挨拶もできず退社しましたこと深くお詫び申し上げます。これから進級される方もそうでない方もくれぐれも怪我にご注意いただき、ぜひ楽しく物づくりを続けていただきたいと切に願います。また、もし都会を離れて岩手で工房を開きたいという方がおりましたら、ぜひご連絡ください・・・。
いるわけないか(笑)」