家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

平成22年度投稿初級ブログ 瀬田さん 最終版 

2012年03月19日 | Weblog
2011年3月19日
 本来であれば、卒業の日。
だが、3月11日14:46。未曾有の大災害、東北関東大震災が起こる。襲い来る大津波。福島原子力発電所の機能不全に伴うメルトダウンの可能性も。そして放射性物質の拡散。チェルノブイリの次に起こる事故は、地震国・日本の原発と言われ続けて25年。福島原発の老朽化は以前から問題になってもいた。余震が続く。
 12日の授業は自習となった。他の方々には申し訳ないが、私は歩いて学校に行ける範囲に住んでいるので、余震等に対応できるよう自立のための非常用品もリュックに入れて学校へ。鋲打ちで一日闘う。鋲を打ちながらも、救助者は増えたろうか、火災はおさまったであろうか気になるが、むしろ鋲に一心に向かうことで不安を打ち消すことになった。
 そして19日、最後の授業。今日中に何とか椅子を仕上げるのが命題。午後、ついに私の椅子もできた。早くに出来上がった海野さんに今回も助けていただく。先週は地震で気持ちが安定せず、欠席しようと思ったが、小松さんが行かれるのなら行ったらと助言していただいて出掛ける気になった。道に迷いそうになると、いつもお二人の、そして同級生の助言やプッシュで、ここまで到達することができた。
 もちろん先生たちのリードは言うまでもなく、心から感謝申し上げる。
島崎校長が「プロ、職人さんに学ぶことが大事」と学校開設時に提唱したのは何故かと思っていた。学んでみると、プロの技を目の前で見ることの醍醐味に気付く。経験に裏打ちされた確かな技、判断力の凄み。
だが、プロに学ぶ素人はどうあるべきかと悩んだこともある。学校の設立趣旨にはリペア職人とあるが、入学は許可された。ということは、趣味の延長線上(私は趣味以前にも至っていない)と勝手に考えていいのだろうか。それではプロに失礼ではないか。だが、プロの方々は人扱いにおいてもプロの余裕を習得していらっしゃる。その技にも救われてここに至る。各先生達にはあまりにヘタッピで、色々なストレスをお掛けしたことと思う。
大勢の人の命や財産が無くなった時と同じくして出来上がったミッシェル。自らの手で作ったということだけではなく、正に出来上がった時の大災害のことも併せて、忘れえない一生ものの家具になるだろう。
卒業式は4月2日。
みなさんありがとうございました。
 
[了]
長い間瀬田さんの投稿を掲載させてありがとうございました。感謝」感謝」
平成23年度の修了式無事にに終わりました。初級から大勢の方が進級しました。
家具の学校事務局 前野
コメント
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