止れ3米後に

本文を入力してください

高輪消防署二本榎出張所

2011年04月29日 | 建築・土木
今日は昭和の日だから…というわけではありませんが、東京へ建築を見に出かけました。
いくつかの近代建築を見たのですが、そのうちの一つの高輪消防署二本榎出張所を取り上げます。
港区は高輪にあるこの消防署、明治41年に二本榎派出所として発足しました。この建物は昭和8年に建築され、同時に高輪消防署に昇格されました。
昭和59年に高輪消防署は移転、ここは二本榎出張所として再発足し現在に至るそうです。
さて建物はドイツ表現主義を取り入れたモダンな建物です。

交差点の角地に位置しており、昔の消防署らしく望楼を持つ外観が素敵です。

車庫側から。消防車は3台入庫していました。その背後では訓練中の署員さんの姿が…現役の消防署です。

こちらは車庫と逆側。張り出した窓がいいですねえ。3階には丸窓も見えます。
さて丸窓がある乗り物と言えば!?「上田交通」とか「岳南の電機」、あるいは「西武E851」なんてお声を頂戴するかもしれませんが(笑)、そう船のイメージです。
この消防署の向かいには、高輪警察署があります。この警察署もかつては消防署とよく似たデザインの近代建築で、消防署と対になる存在だったそうです。
消防署・警察署が出来た頃は周りに高層ビルもなく、海抜25mと小高い丘に位置する二つの建物は、陸に浮かぶ船のようだ、と言われていたとか。
これは案内して頂いた署員さんにお聞きした話ですが、消防署はとても目立つ建物であったがために、戦時中は空襲の目標にされるのではと危惧されました。
それを回避するため、付近の住民総出で建物を迷彩色に塗ってしまったのです。その迷彩模様は戦後落とされたそうですが、その面影は今でも遺っていました。

窓の上の庇に、黒いスジの汚れのような模様が見えると思いますが、それが迷彩色の名残ということでした。。

消防署は受付で申し出れば建物内部も見学することができました。

1階から2階への階段。階段の床と壁は、大理石を砕きセメントと混ぜ合わせ、研ぎ出したものです。ピカピカでした。

3階内部。3階はかつては会議室として使われていましたが、現在は古い消防器具などが展示されていました。

3階内部には「ガス灯」が遺っています!これは停電時に使っていたそうです。今でもガスの配管も遺っているとか…さすがに点灯できないみたいでしたが(;^ω^)

この他にも、消防署と聞いてすぐ思い浮かぶ「すべり棒」なんてのもありました。今は使われていないそうです。自分は小学校の遊具を思い出して懐かしくなりました。


高輪消防署二本榎出張所の署員さん、お忙しい中ご案内して頂きありがとうございましたm(_ _)m




最新の画像もっと見る

コメントを投稿