散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

幻解超常ファイル、または「ノストラダムスの大予言」

2016年07月19日 | 日記
日本にはオカルト(否定)世代というべき世代がいるように、思います。ノストラダムスの大予言が発売された1973年当時、少年少女、また思春期だった世代です。またはユリゲラーの登場、1974年にその世代だった子供または学生。1年しか違いません。

多くの子供たちは、当時、予言を信じたり、スプーン曲げを信じたりしていました。で、大人になった今になって、嘘だったということが完全に分かっています。50代でしょうか。そうなると、今度は「オカルトへの懐疑」を大人として、きちんと伝えないといけないという気になる。

NHKは「幻解超常ファイル」など、やたらと超常現象を扱いますが、私のいう「オカルト世代、またはオカルト否定世代」が決定権のある立場についているからだと思います。今は、スピリチュアルブームで、まあ騙されている人も多いでしょうが、そんなに「大きな問題」にはなっていない。それでもなお、オカルト(否定)を積極的に扱うのは、オカルト(否定)世代が社会の中枢にいるから、だと思います。

私も子供の頃は、信じてました。ノストラダムスもスプーン曲げも、結構なブームでしたから。

ただし、ノストラダムスの場合は、「本を読まないと」いけません。あれは一種の「小説」で、子どもにとってはそれなりに難しい内容です。でもまあ、小学生の私が解読できたのですから、実際はそんなに難しくなかったのかも知れません。

そういえば、作者である五島勉さんはどうしてるのだろう、そう思って調べたらまだ存命なさってました。1999年に新聞に出た「危機は回避された、あれは文明への警告だった。実害があるなら謝罪する。」という文章は読みましたが、その後16年間、一切興味もありませんでした。

今は一貫してアメリカ同時多発テロを「空から降ってくる恐怖の大王だった」と主張しているようです。ノストラダムスとオウムの関連性を指摘する方も多いのですが、それはバタフライ効果であって、直接的な関係があるわけではないですから、ご自由に、という他ありません。ただし、松本死刑囚がノストラダムスの熱心な「信者」だったことは確かです。

終末論はキリスト教色が薄い日本では大きな波とはなっていません。アメリカの映画などを見ると、キリスト教原理主義の終末ものが実に多いことに気が付きます。一定以上のファンがいて、ファンとは終末論者ですが、ある程度の観客動員がのぞめるので、繰り返し、繰り返し作られるのです。トランプ氏を支持している人の中にはそういう人も多いでしょう。トランプなら、いかにも終末を呼び込めそうです。

今は1ミリも信じていませんから、むしろ「幻解超常ファイル」でさえ、ちょっと危ういと思います。最終的には否定するにせよ、前半では、色々なオカルト説が紹介されます。あの時点で子どもがTVを消したら、否定の部分は見ないわけですから。

もっとも子供のころ信じていた私が、高校ではすでに脱却して、今は1ミリも信じてないのですから、危険がないと言えばない。ただ、たった一人の松本死刑囚でも、生み出す可能性があるとしたら、少し危ういという指摘はしてもいいように感じています。

ただし、当時は「終末論が流行する社会背景」がありました。一番大きいのは冷戦で、米ソがいつも核のスイッチに手を置いていました。「猿の惑星」だって、核戦争後の地球がテーマです。もっともあの映画、実に変な映画です。だって猿たちは英語を話しているのです。にもかかわらず、主人公は最後に地球だと気が付く。どこかに行って、みんな日本語を話していたら、普通は日本だと思います。

そして二番目に大きいのは公害。今の中国北京状態です。世界が滅びるのを信じるのは、それなりの背景があるのです。あれがなければ、いくら子供でもそう簡単には信じたりはしなかったでしょう。

クリミナルマインドについて

2016年07月19日 | ドラマ
私にはずっとやってるブログがあるのですが、そっちの方は「歴史偏重」になっています。そうなると「自分で自分を縛ってしまう」ところがあり、「海外ドラマの話」とか書けなくなってきます。どうせ熱心なファンがいるわけじゃないので、何を書いてもいいのですが、自分で自分を縛ってしまうわけです。というわけで、こっちのブログでは本当に自由気ままに何でも書きたいと思っています。

というわけで「クリミナルマインド」のお話。DVDの宣伝じゃないから、誤解なきように。

今11シーズンのようです。WOWOWですね。私はWOWOW契約してないので、やっとシーズン9の最初の方を見ているわけで、随分と遅れています。

アメリカの猟奇殺人もの、です。「あのアメリカの、猟奇殺人もの」なんですから、「ひどい」の一言に尽きる殺人ばかりです。

捜査官の一人、モーガンなどもよく「ひでえな」とつぶやきます。本当に「ひどい」のです。

「ボーンズ骨は語る」の場合は、遺体がひどい状態なのですが、「クリミナル」の場合は、犯人がひどいのです。救いようがない。救いようがないから、最後はだいたい射殺か、自殺です。

ではどうして「見ていられる」のか。「ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子」のことを書いた時も、触れたのですが、「捜査官が動揺しない」からです。

日本の猟奇ものは、刑事が事件に引きずられる場合が多いのですが、FBIですから、そうはなりません。TVで見る限り、FBIの刑事は絶えずメンタルチャックを受けていて、事件に引きずられるような捜査官は、事件からはずされます。本当のFBIがどうなっているかは、知りません。

特にチームリーダーのホッジ(アーロンホッジナー)なんかは、鉄の意志です。CMで「犯人を拳銃で狙っている時と、会議をしている時の顔が変わらない男」と紹介されていました。その通りです。海老蔵を上回る目力を持っていて、およそ動揺することはありません。もっとも家族が狙われて、奥さんが殺されたエピソードがあり、その時ばかりは取り乱しました。そこでも取り乱さなかった、むしろ見ていられないと思います。

この番組は精神状態が悪い時は見る気もしなくなるのですが、見る時は「捜査官の側に自分をおく」ようにします。まあ、犯人の方におくなんてのは元来無理です。私は自分では社会病疾者ではなく、まあまあ健全と思っていますから、とてもじゃないが犯人に自分を寄せるなんてことはできません。

遅れた言及になりますが、プロファイリングものです。もっともよくよく見ていると、犯人を最終的に確定するのはいつもコンピューター担当のペネロープガルシアです。プロファイリングに基づいてクロス検索をすると、だいたい犯人が絞れる、というのがお決まりのパターンのようにも思います。

不安定な刑事もほとんどいません。ドクタースペンサーリード。ドクターは「博士」です。ちょっと不安定でよく頭痛を訴えますが、事件に引きずれはしません。この人は天才で「博士くん」です。日本だと、こういうタイプは必ず犯人に引きすられますが、この番組ではそうはなりません。

犯人は同情の余地もない悪で、捜査官は鉄の意志をもつ正義。単純な図式ですが、そういう構造です。そういう構造でなければ、とても見ることができる番組とはならないでしょう。