交通事故・後遺障害認定申請専門行政書士のブログ ―解決へのヒント―

静岡で交通事故の後遺障害認定申請を専門としている行政書士として有意義な情報を提供できればと思います。

自賠責保険 VOL.31 後遺障害 「鼻」 (鼻の欠損と機能障害)

2007年09月26日 | 交通事故
先日、携帯の機種変更をした。 
前の携帯は昨年の10月に変えたばかりだし特に問題も無かったのだが、ある国の交通実態を視察する!?で、急きょ行くことになったその国では私の携帯が「通話ができない機種」であるという理由。

レンタル携帯を検討したが対応不可。
よって、仕方なく変更ということになったのである。

しかし、携帯電話による国際電話がこんなに便利だとは知らなかった。
現地から日本にかける場合、特に国際ダイヤルをプッシュしなくてもOK。
日本からかける人はそのまま私の電話番号をプッシュすればつながる。
この携帯の別名は「グローバルパスポート」
ネーミングにも感心した。 


さて、今日は「鼻の障害」について (障害認定必携より)


鼻の障害については鼻の欠損が後遺障害等級表で定められているが、鼻の機能障害
については定められていないため、他の後遺障害に準じた相当級が認定される。
鼻の機能障害としては、臭いの機能が無くなる嗅覚脱失、鈍くなる嗅覚減退、鼻呼吸困難がある。

第9級5号   鼻を欠損しその機能に著しい障害を残すもの  
 
鼻の欠損とは、鼻軟骨部の全部または大部分の欠損をいい、機能に著しい障害を残すものとは、鼻呼吸困難または嗅覚脱失をいう。

鼻の欠損、鼻軟骨部に全部または大部分に達しないものであっても、これが単なる「外貌の醜状」の程度に達するものである場合は男子第14級11号、女子第12級14号
の認定となる。 

鼻の欠損と外貌の醜状は、耳の欠損の場合と同様に等級を併合することなく、いずれか上位の等級で認定される。

第12級相当  嗅覚脱失または鼻呼吸困難  

第14級相当  嗅覚の減退のみ

検査はT&Tオルファクトメーターを使う。
認知域値の平均嗅覚力損失値が5.6以上を嗅覚脱失、2.6以上5.5以下を嗅覚減退と判断する。

ちなみにT&Tオルファクトメーターとは1974年、文部省研究班「嗅覚測定のための基準臭と検査方法の研究」によって開発された基準嗅覚検査法で、開発した大学教授2名の名にちなんで命名された。 

さて、次回は「口の障害について」 (無事帰ってこれたらのお約束となります)



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自賠責保険 VOL.30 後遺障害 「耳」 (1耳の聴力障害)

2007年09月19日 | 交通事故
先日、映画を見に行った。
プロウインドサーファーが世界大会で優勝するまでの苦労と、
幸せから一転してガンと戦うという壮絶な内容であった。

映画館は久しぶりだったので、妙にウキウキしてしまい、
食いきれないお菓子と飲み物を持ち込んでいたことは言うまでもない。

お菓子の袋を開ける音が響かないようにと、映画が始まる前にすべて開いて準備を整えたが、それが間違いであったことに10分で気づいた。

食べてるバヤイではないのである。
何をおいてもまず用意すべきは、にじむ目に「タオル」であった。

映画が終わり外に出たら雨が上がってかんかん照り。
これにもそれは有益であった。


さて今日は ②1耳の聴力障害について  (障害認定必携より)


第9級9号  1耳の聴力を全く失ったもの
       (1耳の平均純音聴力レベルが90db以上のもの)

第10級5号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になったもの
       (1耳の平均純音聴力レベルが80db以上90db未満のもの)

第11級6号 1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの
       (1耳の平均純音聴力レベルが70db以上80db未満のもの又は1耳の平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のもの)

第14級3号 1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することが出来ない程度になったもの
       (1耳の平均純音聴力レベルが40db以上70db未満のもの)

ロ 欠損障害について      

耳の欠損障害については1耳のみの等級を定めているため、両耳の欠損の場合は1耳ごとに等級を定めこれを併合して認定される。
また、耳の欠損障害と聴力障害が存在する場合は、それぞれの該当する等級を併合して認定され、醜状障害として捉える場合は上記の取扱はされない。

第12級4号  1耳の耳殻の大部分を欠損したもの

大部分欠損したものとは、耳殻の軟骨部の2分の1以上を欠損したものをさす。

醜状障害として捉えた場合、女性は7級12号に該当するが、両耳に醜状が残ったと
しても併合はされない。


ハ・二 耳漏と耳鳴りについて   

両者とも難聴が残存した状態(30db以上)であることを前提とし、常時耳漏を残
すものは12級相当と、耳漏を残すものは14級相当と認定する。
耳漏とは、開いた鼓膜の穴から分泌物が漏れ出る症状をいう。
耳漏と耳鳴りの後遺障害立証についても聴力障害の前文で書いたとおり4つの検査
が必要となる。



後遺障害についての説明は、どうしても文章が硬くなる。
調査事務所の認定は「厳格」であるし、障害が残った「真剣勝負」の方たちを思うと自然な成り行きと言い訳するが、そんな中で、もう少しわかりやすい「表現」を用いてほしい・・・と、メール相談者から意見を頂いたりする。
痛い。
これは私のボキャブラの無さそのもので、分かっちゃいるけど大変難しい領域である。

ということを踏まえて・・・今回は、絵文字で努力した。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自賠責保険 VOL.29 後遺障害 「耳」 (両耳の聴力障害)

2007年09月12日 | 交通事故
楽しみにしていた栗がようやく落ち始めた。
半ズボンに長靴、半そで姿で鉄バサミを持ち、栗の木の下へ向かった。
落ちてる落ちてる!
「いが」を両足で押さえつけて開くといい色をした栗が顔を出す。
夢中になって採っていたところ、妙に腕と足にかゆみがあることに気づいた。

ふと腕を見ると、そこにはしま模様の大きな「蚊」が5、6匹とまってる。
慌てて振り払ったが、時既に遅し。
無残にも足と腕には20箇所以上の蚊に食われた痕。
一斉に音を立てずに襲い掛かり、そっと血を吸っていたのだ。
「ちっくしょー」
言うまでもなく、その後は栗拾いを中止して反撃に専念。
結果は、拾った栗より叩いた蚊の数の方が多かった。

アホな話はこのくらいにして、
今日は後遺障害のうち「耳」の障害について(ちょっと長いです)


耳の障害(障害認定必携より)

耳の障害には、イ聴力障害、ロ欠損障害、ハ耳漏、二耳鳴りがある。

イ聴力障害 
①両耳の聴力障害

聴力障害の等級は、純音による聴力レベルと、語音による聴力検査結果(明瞭度)を基礎とする。
純音聴力レベルはオージーメーターという機器を使い、明瞭度はスピーチオージオメトリーという機器で測定する。
耳の後遺障害(聴力、耳鳴り、耳漏)の立証には、上記検査機器による検査とともに、
ABRとインピーダンスオージーメトリーという機器による検査が必須となる。

ABRとは聴性脳幹反応といい、インピーダンスオージーメトリーを使用する検査は
あぶみ骨筋反射という。両者とも被検者の意思によるコントロールが不可能の検査であるため、コントロールが可能な検査と共に求められる検査である。

【聴力検査】
検査内容      検査機器
1純音聴力検査   オージーメトリー
2語音聴力検査   スピーチオージーメトリー
3ABR        ABR
4あぶみ骨筋反射  インピーダンスオージーメトリー


両耳の聴力障害については障害等級表に掲げられている両耳の聴力障害の該当する等級により認定されるため、1耳ごとに等級を定め併合の方法を用いて準用等級を定める取扱はされない。


120デシベル ・飛行機のエンジンの近く
110デシベル ・自動車の警笛(前方2m)・リベット打ち  
100デシベル ・電車が通るときのガードの下
 90デシベル ・犬の鳴き声(正面5m)・騒々しい工場の中・カラオケ(店内客席中央)
 80デシベル ・地下鉄の車内・電車の車内・ピアノ(正面1m)
 70デシベル ・ステレオ(正面1m、夜間)・騒々しい事務所の中・騒々しい街頭
 60デシベル ・静かな乗用車・普通の会話
 50デシベル ・静かな事務所・クーラー(屋外機、始動時)
 40デシベル ・市内の深夜・図書館・静かな住宅の昼
 30デシベル ・郊外の深夜・ささやき声
 20デシベル ・木の葉のふれあう音・置時計の秒針の音(前方1m)

第4級3号  両耳の聴力を全く失ったもの
       (両耳の平均純音聴力レベルが90db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが80db以上であり、かつ、最高明瞭度が30%以下のもの)

第6級3号  両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になったもの
       (耳に接しなければ大声を解することが出来ないとは、両耳の平均純音聴力レベルが80db以上、または両耳の平均純音聴力レベルが50db~80db未満で、かつ、最高明瞭度が30%以下のもの)

第6級4号  1耳の聴力を全く失い、他耳は40cm異常では普通の話し声を解することができない程度になったもの
       (1耳の平均純音聴力レベルが90db以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが70db以上のもの)

第7級2号  両耳聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの
       (両耳の平均純音聴力レベルが70db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のもの)

第7級3号  1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの
       (1耳の平均純音聴力レベルが90db以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが60db以上のもの)

第9級7号  両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの
       (両耳の平均純音聴力レベルが60db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下のもの)

第9級8号  1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの
       (1耳の平均純音聴力レベルが80db以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが50db以上のもの)

第10級4号 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの
      (両耳の平均純音聴力レベルが50db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが40db以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下のもの)

第11級5号 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することが困難である程度になったもの
      (両耳の平均純音聴力レベルが40db以上のもの)

聴力検査は日を変えて3回行なうことが求められているが、語音による聴力検査については、その検査結果が適正と判断された場合は1回で差し支えないとされ、検査と検査の間隔は7日程度あければ足りる。

後遺障害等級の認定は6分式の平均値によって判断する。
平均純音聴力レベル = (A+2B+2C+D)÷ 6

A:周波数 500ヘルツの音に対する純音聴力レベル
B:周波数1000ヘルツの音に対する純音聴力レベル
C:周波数2000ヘルツの音に対する純音聴力レベル
D:周波数4000ヘルツの音に対する純音聴力レベル

次回は「1耳の聴力障害」について

ところで、蚊の羽音は何デシベル以下なのだろう?







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自賠責保険 VOL.28 後遺障害 「眼」 (まぶた障害)

2007年09月05日 | 交通事故
裏庭にある2本の栗の木には黄緑色の「いが栗」がたくさん見える。
今年は近年になく豊作で、ざっと数えても1000個は下らない。
先日、いつ落ちてきてもすぐ拾えるようにと、草刈機で下刈りをしておいたが、
落ちてくるまでにはあと1週間はかかると思う。
しかし、楽しみもつかの間で、心配事が発生。
それは接近している「台風」である。

「いが」が割れて実が出来る前に落ちてしまうのではと考えると「胃が」痛くなる。

また、台風が接近する7日には東京へ時間指定の出張があり、
新幹線が不通だなんて事態になったら、しゃれを言っている場合ではない。
この出張は、ある被害者の人生に影響する最終決定の場だからである。

さて今日は「眼」の障害の中の「まぶた障害」について(障害認定必携より)



まぶたの障害には、イ)欠損障害と、ロ)運動障害、そしてハ)両者併合がある。

第9級4号  両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
第11号2号 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
第11号3号 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
第12級2号 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
第13級4号 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
第14級1号 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

イ)欠損障害
「まぶたに著しい欠損を残すもの」とは、ふつうにまぶたを閉じた場合に角膜を完全に覆い得ない程度のものをいい、
「まぶたの一部に欠損を残すもの」とは、普通にまぶたを閉じた場合に角膜を完全に覆うことが出来るがしろめが露出している程度のものをさす。

「まつげはげを残すもの」とは、まつげのはえている縁が2分の1以上にわたりまつげのはげを残すものをいう。

ロ)運動障害
「まぶたに著しい運動障害を残すもの」とは、普通にまぶたを開いた場合に瞳孔を完全に覆うもの、又は、普通にまぶたを閉じた場合に角膜を完全に覆い得ないものをさす。

ハ)併合
例)1眼のまぶたの著しい欠損障害(第11級3)と、他眼のまぶたの著しい運動障害(第12級2)が損ずる場合は、併合第10級とする。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする