その後、札幌の彼女とよりを戻した。彼女は一浪の後、東京の大学を受けたけど、落ちて札幌の短大生になっていた。そのコに今度はバイクで会いに行った。国道４号をひたすら北上し、フェリーで津軽海峡を渡り、ようやく彼女のアパートにたどりついた瞬間、「バイト先で好きな人ができた。その人がもうすぐ来るからどっかいって」と言われ、その後あてもなくバイクで道内をさまよった20歳の夏。
大学１年。当時札幌の予備校に通っていた彼女に羽田から飛行機に乗って会いに行った。そして会った瞬間、「予備校で好きな人ができた」と言われ、あまりにショックでそのまま飛行機に乗って帰った19の夏。
15歳。中学の修学旅行先が札幌だった。当時札幌の女の子と文通していた祐介が、大通公園でその子と待ち合わせするというのでみんなで見に行った。しばらくすると、ショートカットのめちゃかわいい女の子が祐介のところに小走りに駆けよってきて、一同「おー！」と顔を見合わせた。でも次の瞬間、その子はカバンの中から手紙の束を取り出して、それを祐介に押し付けて去って行った。過去に祐介が出した手紙だった。夜みんなで祐介をかこみ、オフコースの「さよなら」を歌ったあの日の夏。