ヒスバナアラカルト

香西善行の雑記ドコロ
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維新派『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』

2010-12-23 18:01:17 | 演劇関連
もう何年前だかは忘れてしまったけれど、確かNHKで維新派のドキュメンタリーをやっていたのを見た。
野外劇を行うにしても何にもない平地にすべての材料を持ち込み、段々と形を積み上げてゆく。それはまるで、大地や太陽と同化していくかの如くナニかを生み出している様な、エネルギーに満ちた姿に強く惹きつけられたのを憶えている。
そんな印象を持っていた維新派。今回は劇場内といえどやっと観る事ができた。そして、そのエネルギーの塊はテレビ画面を通して受けたものとは比較にならないほどの強烈なものであった。
舞台上一面に膨大な数量の丸太や板を組み上げ、並べ作られたソレは、島国の連なりにも感じ、家畜と人々が行き交うアジアの小国にも見える。世界の果てまで延びているかのような道があったかと思えば、周りを海で囲まれた漁村での一瞬間を感じる舞台。人々の言葉は理解できない。ただ、大地から湧いてくるような声と踊りには感情を揺さぶられる。
旅をした。
時間も場所も特定はできない。でも、必ずあるどこか。
世界の壮大さと、その一部である力強い生命力を目の当たりにし、溶け込むことができた。
そんな体験。


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