ヒスバナアラカルト

香西善行の雑記ドコロ
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ロ字ック『鳥取イヴサンローラン』

2011-11-14 04:25:37 | 演劇関連

 下北沢の片隅のスナックで働く女たち。仲がいいのか悪いのか、不満の掃溜めか希望の棲家か。その店では怒号と欲望が飛び交う。

 オープニング、舞台前に垂らされた幕に映される日常風景とモノローグ。BGMは快速東京の甲高いヴォーカルと轟音ギターが鳴り響く。のっけからハイテンションに包まれ、その雰囲気は物語の中枢にキープされたまま転がってゆく。

 スナックに務める女たちは性格も育ちもバラバラ。狭いお店でわずかな客の相手。そりゃ、溜まるもんもあるだろう。まあそれを、好き放題に吐き出してひと暴れもしでかして、ハチャメチャである。でもそこが笑える。楽しい。自分の欲望に正直というより、欲望同士を戦わせている。そこがとても真っ当に見えた。上手く立ち回ろうとしても、そんな器用さを持ち合わせてない人ばっかり。不器用のレッテルを貼られ人付き合いには不向きかもしれないが、すっきりして悪くない。むしろ、女たちの罵詈雑言の嵐を眺めながら、こんな人達が身近にいたら楽しいだろうなと思った。

 常連客として全くタイプの違う男が二人登場したが、これも女度を意識する重要なファクターなんだろうね。異性の存在が疑問を生み、そこに苦しんだりして。一見、大暴れする女の醜態讃歌なようで、脆い乙女心をきっちり覗かせるあたりにとても感情移入させられた。あ、私は男だけど。

 私が観た回に快速東京のメンバーの方もいらして、カーテンコールの際に舞台で挨拶されてた。演出の山田さんはこのバンドの大ファンらしく、彼らを紹介している姿はとても乙女だった。

  ロ字ックオフィシャルWEB→http://www.roji649.com/


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