全10会場で開催された解除に関する住民懇談会後、2月16日の全員協議会において政府より、「帰還困難区域を除いた区域を3月31日に避難指示を解除する」と再提案がありました。その後、各議員から政府に対し質疑が行われました。私は初めの質問者として議長より指名されました。その際の質問や意見は以下の通りです。
「3月31日解除について」変更がありませんでした。
先月26日から始まった全10会場での住民懇談会では、全町民の約6%に当たる約1200名の出席を得、約100名から質問や意見、要望が出されました。総じて言えることは、「3月31日解除反対」が多数だったと思います。ただ、少数の方ではありましたが、「賛成」という意見もあったのも事実です。只今、全協、区長会、住民懇談会での意見等踏まえての対応・対策について説明がありました。
懇談会で出た質問や意見などを自分なりに10項目に整理をしました。申し上げますと、
①住民に寄り添った除染による効果的線量の低下及び中長期的目標である年間1ミリシーベルトの早期実現
②安全かつ確実な廃炉作業及び廃炉のスピードアップ化
③帰還困難区域の復興再生
④買い物など生活環境の更なる充実
⑤医療費の窓口一部負担の減免、高速道無料化など生活支援の継続
⑥健康管理手帳のデータ化
⑦家屋解体のスピードアップ化
⑧イノシシ対策の強化
⑨土壌汚染の調査実施
⑩借り上げ制度の延長
以上ですが、これらについては、ほとんどが先月12日に高木原子力災害現地対策本部長へ町が提出した「避難指示解除に向けた必要施策に関する要望書」の要望事項になっています。住民懇談会開催前の要望ですので、町では町民が直面している課題について的確にとらえていると評価したいと思います。
また、この要望書に対し先週11日に回答がありました。要望事項の回答の中で、「原子力災害現地対策本部長と首長を筆頭とする場を設け、継続的に確認を行ってまいりたい」という回答が多く見受けられ、積極的に課題などの解消に係っていくという姿勢を感じました。
さらに、浪江町の復興の実現のため、国としての協力の道筋を工程表として策定した「浪江町の復興に向けたフォローアップの枠組み」、いわゆる「高木プラン」では中長期に工程表が示されました。これもまた評価します。
ただ、私は要望書の回答や高木プランが実効性のあるものにするための担保が必要と考えます。たとえば、高木副大臣が次の内閣改造で違うポストの大臣に就いたとしたならば、高木プランの文字がだんだん薄れ、ただの軽いペーパーになってしまうのではないかと危惧します。枚数は同じでもズシリと重いペーパーが欲しいのです。
そこで、たとえば覚書を交わすなどのお考えはあるか、高木本部長のご所見を伺います。
*答弁は私のメモからです(速記が苦手なものでこんな答弁だったと思います)。
→国として提示した「浪江町の復興に向けたフォローアップの枠組み」について、国として責任を持つために県も交えて、町と協定書もしくは確認書を近日中に締結したいと考えています。また、来月には実務者レベルで官民協議会を立ち上げ協議してまいりたいと思います。
只今は、力強い答弁をいただきました。これで「高木プラン」もズシリと重いペーパーになるものと思います。
ここで、個人的はありますが、私はブログを開設しています。先週の8日にタイトルを「多数のコメント待ってます」とし、今回の「3月31日解除について」読んでいただいている方々に考えなどをコメントで寄せていただきました。あくまでもインターネット上ですが、18件のコメントの中で賛否では、賛成6件、反対2件でした。読み取り方次第ではもう少し賛成が増えます。ちょっと披露いたしますと、
*賛成・反対のコメントを1件ずつ抽出しました。
私の「3月31日解除」についての考えは、住民懇談会前は解除賛成でした。しかし、10会場の住民懇談会を踏まえるとその考えにブレが生じました。住民懇談会後は、町民の考えを直接聞くためにお宅に伺ったり、電話での聞き取りも行いました。また、ブログのコメントなどを総合的に判断した結果、解除賛成という苦渋の選択をしました。
賛成理由は、やはり町長も住民懇談会でおっしゃっていました「町残し」のためです。解除が遅れれば遅れるほど復興が遅れ、企業誘致合戦には負け、帰町意欲も薄れるなど、負の連鎖がおこり、その先に浪江町消滅が待っています。それでいいのでしょうか。復興を加速するため4月1日より役場機能を一部二本松に残し移転をすることは浪江町の軸足は浪江になるのです。町長、職員そして帰れる・帰る人が協働で、帰れない・帰らないという人が戻れるように、「町を再興する」この事が重要と考えます。
また、今の質疑で中長期的に国が責任を持つ担保も取れたものと考えます。
住民懇談会の初日、浪江町内体育館での懇談会で、「除染後ヨシが繁茂し、イノシシの住み家になっている」との意見が出ました。懇談会終了後、私が自宅に回る途中、7、8人の黒っぽい格好の集団と会いました。その集団は後藤副本部長はじめ国の役人の皆さんでした。そうです。早速イノシシの住み家の現地確認をしていたのです。まさに国の解除への本気さを見ました。
もし、「3月31日解除」になった場合、「解除への本気さ」は分かりましたから、ぜひ「復興への本気さ」を今度は見せていただくことを国にお願いし終わります。
以上です。