先日の朝生について。
あのスタイルではなかなか一つの議論は掘り下げられないのだが、個人的にはぼちぼち
まとまった方かなと思っている。
他の討論番組とは違い、朝生はプロレスだ。ただ相手に勝つだけでなく、客にも勝たな
ければならない。
アズマンと堀さんは良いレスラーだと思う(僕は残念ながらそっちの芸は無いけれど)。
ところで、堀さんについて、若干誤解されている向きがあるようなので、少しだけフォロー
しておきたい。彼のスタンスを「わがままな老人」だけで片付けてしまうのは、
とてももったいないと思うからだ。
中盤、突然アズマンに帰れとかお前自身の意見を言えとか挑発することでバトルが始まった
わけだが、実はあれには伏線がある(と勝手に僕は思っている)。
本番前、氏と少し話す機会があった。氏は第2回から定期的に準レギュラーとして出演を
続けている大ベテランで、90年頃の黄金期と今を繋ぐ唯一のパネリストだ。
僕が記憶に残っているのは湾岸戦争当時の議論の盛り上がりだが、当時高校生として見て
いたあの場に、氏は参戦していたわけだ。
「某政治家なんて、米軍はイラクに敗れるなんて言ってたからね。今の若手政治家の
レベルはすごく高いよ」
だそうだから、氏はけして若手全体を腐しているわけではない。
だが、なんとなく元気がないというか、素直に280回目を祝っている風には見えないところ
があった。
僕は氏のモヤモヤの理由は、焦りにあると考えている。
24年間の議論で、朝生は何かを動かせたのだろうか。
湾岸戦争では小火器持っていくかどうかを有識者たちが熱く議論している間に、日本は
金だけ取られて戦勝国の輪からはじき出されてしまった。
社会保障も財政も景気も政治も雇用も、熱い議論は交わされるものの、常にその場で
盛り上がって最後は発散という形になってしまう。
多数の討論に正解を求めること自体、お受験的発想だと言われそうだが、それにしても、
280夜で何が残ったのだろうか。いや、何かを残す努力をしたのだろうか。
「相続税100%」「地方に小さな工場を」という相当バクチ色の強い氏のアイデアにしても、
分かりやすくて受け入れられやすいというギリギリの線を狙った変化球ではないか。
そういう流れがあの夜の水面下には存在したように思う。
以上が、堀アズマン紛争の僕なりの理解だ。
ついでに言っておくと、僕がこう考える理由は、自身も帰り際に同様のモヤモヤを感じたから。
アナウンサーの一人から「前半は退屈でしたけど、後半は良かったですねえ」と言われた時だ。
はっきり言うが、あの夜、あの場所に座っていた人間のほとんどは、ぶっちゃけ社会保障
なんていらないし、規制強化や高い法人税で雇用が流出しても失業の心配は無い人間だ。
そういう心配の無い人間が公共の電波で「再分配の話は退屈です」とか
「僕たち私たち、別に全然不幸じゃありません」とか言いきっちゃっていいのだろうか。
それって、単なる逃げじゃないの?
そうやって20年間「めんどくさい」とか「クールじゃない」とか言って逃げ続けてきた結果
が、今日の日本の惨状ではないのかな。
三万人の自殺者というのは、パネリストのようには逃げ切れなかった
哀れな犠牲者達だ。
というわけで、僕自身は泥臭い話をこれからもし続けるだろう。
もっとも、この分ではそう遠くない将来、現実社会の方が先に泥臭くなりそうではあるが。
あのスタイルではなかなか一つの議論は掘り下げられないのだが、個人的にはぼちぼち
まとまった方かなと思っている。
他の討論番組とは違い、朝生はプロレスだ。ただ相手に勝つだけでなく、客にも勝たな
ければならない。
アズマンと堀さんは良いレスラーだと思う(僕は残念ながらそっちの芸は無いけれど)。
ところで、堀さんについて、若干誤解されている向きがあるようなので、少しだけフォロー
しておきたい。彼のスタンスを「わがままな老人」だけで片付けてしまうのは、
とてももったいないと思うからだ。
中盤、突然アズマンに帰れとかお前自身の意見を言えとか挑発することでバトルが始まった
わけだが、実はあれには伏線がある(と勝手に僕は思っている)。
本番前、氏と少し話す機会があった。氏は第2回から定期的に準レギュラーとして出演を
続けている大ベテランで、90年頃の黄金期と今を繋ぐ唯一のパネリストだ。
僕が記憶に残っているのは湾岸戦争当時の議論の盛り上がりだが、当時高校生として見て
いたあの場に、氏は参戦していたわけだ。
「某政治家なんて、米軍はイラクに敗れるなんて言ってたからね。今の若手政治家の
レベルはすごく高いよ」
だそうだから、氏はけして若手全体を腐しているわけではない。
だが、なんとなく元気がないというか、素直に280回目を祝っている風には見えないところ
があった。
僕は氏のモヤモヤの理由は、焦りにあると考えている。
24年間の議論で、朝生は何かを動かせたのだろうか。
湾岸戦争では小火器持っていくかどうかを有識者たちが熱く議論している間に、日本は
金だけ取られて戦勝国の輪からはじき出されてしまった。
社会保障も財政も景気も政治も雇用も、熱い議論は交わされるものの、常にその場で
盛り上がって最後は発散という形になってしまう。
多数の討論に正解を求めること自体、お受験的発想だと言われそうだが、それにしても、
280夜で何が残ったのだろうか。いや、何かを残す努力をしたのだろうか。
「相続税100%」「地方に小さな工場を」という相当バクチ色の強い氏のアイデアにしても、
分かりやすくて受け入れられやすいというギリギリの線を狙った変化球ではないか。
そういう流れがあの夜の水面下には存在したように思う。
以上が、堀アズマン紛争の僕なりの理解だ。
ついでに言っておくと、僕がこう考える理由は、自身も帰り際に同様のモヤモヤを感じたから。
アナウンサーの一人から「前半は退屈でしたけど、後半は良かったですねえ」と言われた時だ。
はっきり言うが、あの夜、あの場所に座っていた人間のほとんどは、ぶっちゃけ社会保障
なんていらないし、規制強化や高い法人税で雇用が流出しても失業の心配は無い人間だ。
そういう心配の無い人間が公共の電波で「再分配の話は退屈です」とか
「僕たち私たち、別に全然不幸じゃありません」とか言いきっちゃっていいのだろうか。
それって、単なる逃げじゃないの?
そうやって20年間「めんどくさい」とか「クールじゃない」とか言って逃げ続けてきた結果
が、今日の日本の惨状ではないのかな。
三万人の自殺者というのは、パネリストのようには逃げ切れなかった
哀れな犠牲者達だ。
というわけで、僕自身は泥臭い話をこれからもし続けるだろう。
もっとも、この分ではそう遠くない将来、現実社会の方が先に泥臭くなりそうではあるが。
というより昔はそれでよかったんじゃないかと思うのです。経済もまだまだ順調で国際的にもカネの力が強かったから、余裕があったんでしょう。だから、真剣な議論よりもエンターテイメント的議論が求められていたんだろうなぁと思います。
簡単に言えば、昔はアメプロで必殺技食らったら負けなければならなかったけど、今はストロングスタイルプロレスだから、根性だしてちょっとリアルに見せるという感じでしょうかね(笑)
まぁ今回の議論で城さんがストロングマシンこと平田淳嗣になってしょっぱい試合だと詫びる必要はないと思います(笑)
明確に表現されているのを拝読し、腑に落ちました。
確かに、朝生では「何も影響がない」と言わざるをえません。
その場だけは盛り上がって、
「はい、お疲れ様でした」という感じでしょうか。
もちろん、視聴者の中には考えを変え、選挙に行くなど
行動を起こすものもいるかもしれません。
ですが、あの番組構成では浅すぎ、広すぎの見解でしかなく、
これが2対2くらいの対談形式であれば、
また違った効果があるのではないでしょうか。
(田原氏よりも中堅アナウンサーの方が良い仕事をすると思います。)
城さんの安定感ある発言は勉強になりました。
が、アズマンには拗ねずに発言をやりきって欲しかった。
まあ、朝生はあんなもんでしょ(笑)
でも、前回よりはまともに議論できていたと思いますよ。
最後の視聴者アンケート結果は予想通りって感じでした。
もう予定調和すぎてあくびが出てきました。
朝生に比べたら、BLOGOSで展開されている池田信夫×堀江貴文とか池田信夫×田原総一郎の対談のほうが10倍刺激的で面白い。
やっぱ、これからはネットに主流が移ってくるのかな。
テレビの世界も高齢化が進んで、冒険的、野心的試みができなくなってきてるように思います。
(番組中でも少し話題になってましたが、タブーや規制が多いですよね。)
その行き詰まりの究極が地デジじゃないでしょうか。
地デジはテレビの戦艦大和になるんじゃないですかね。
日本の高齢層と共に壮大な無駄遣いをしつつ、沈んでいくことでしょう。
一日も早く没落していって欲しいです。
失われた20年は彼らのゆがんだ報道にもかなりの責任があると思うんで。
城先生の仰る通りあの番組に出演されている方々はおそらく 食いっぱぐれのない 方々でしょう。
城先生は第一次湾岸戦争というと私は個人的に落合信彦さん の本を連想してしまいます。
田舎に工場作ってどうしたいんでしょうか?
民間が作るわけないので国営で作れとでも言うのでしょうか?
むしろ地方は人口をどんどん減らして土地の集約を行わなくてはなりません。
小規模農家が駆逐されるのは時代の流れです。
それに逆らおうとすれば日本はますます衰退します。
というよりも実際に時代に逆らう政策で衰退しました。
地方がかわいそうというレベルで地方活性化なんて愚策でしかありません。
もっと勢いよく衰退していただきたいぐらいです。
相続税100%なんて問題外ですね。
今でも相続税は世界一高いのになんで誰もそのことを言わないのでしょうか?
日本の相続税が世界一高いことをテレビで言うのはタブーなんでしょうか?
北欧諸国は(フィンランドを除いて)相続税がないことにも誰も触れないのは不思議です。
都合の悪いことには触れずに金持ちいじめをよしとするようでは日本が浮上することはないでしょう。
このまま手をこまねいていたら、先進国から転げ落ちたアルゼンチンの運命をたどる危険があります。
あれで不幸じゃないというなら地方も風俗で稼いでる人がいっぱいいる。
堀氏はドリームインキュベーターというベンチャーキャピタルを経営している、ある意味で若者応援団でもある。
とても好きになれるタイプではないし、経歴は東大・読売・三菱物・ハーバードMBAというコテコテのメインストリームだから保守と言ったら保守なんだろうケド、既得権益を守ろうとしているショウモナイじいさんとはワケがちがうはず。
東氏も話の腰を何度も折られて相当イライラしたんだろうけど、無視して話せば良いだけの事。それに若者が何かを言おうとするとジジイがそれを邪魔するなんてのは当たり前の事。
堀氏だって散々帰れとかいってるんだら「ジジイ黙れ」位の事を言えば良いのに。
ただ、東氏のイライラも分かる。いつも邪魔をしてくるジジイと同じように見えたんだろうし、言うべき事は雇用の流動化とかもう決まりきってる事。問題はその決まりきった事をどうやってハナシを通していくかという手段の段階に来ている。
東氏は手段の話をしていて、堀氏は主題の話をしている。それで食い違っただけだろう。どうせなら手段に関するアドバイスを堀氏がしてくれれば良かったのに。
堀氏の世代と違って意見を言えばそれが簡単に受け入れられる状況に若手は無い。そこは強者の堀氏にはわからんのかもしれない。
自殺者が多いのは将来に希望が持てないからでしょう。たとえ現在の待遇が悪くても将来出世出来る、あるいは給与が上がると思えば人間なんとかがんばれるものです。ただ現在の日本は今の待遇がそこそこでも将来給与面でも出世面でもどんどん悪くなるのが目に見えてますから、組織で頑張ろうという人間はどんどん減っているのが現状ではないでしょうか。
産業構造が変わってこともあって組織の歯車として言われたとおりに仕事するような人間は評価されなくなってますしね。
昔、大島渚とか野坂とか個性派が出て盛り上がってた頃って、結局はエンタメだったのだろう。右とか左とか、もうそういうのは豊かな日本からすればどうでもよくて、だから純粋に盛り上がれたし、見ている方も肩が凝らなかった。
今の時代はガチだから、もうああはなれないよ。
それでも、ユニオン氏の空気化には僕も驚いた。4年前に初めて出た時は彼らの方が多数派だったけど、今や化石みたいなもんだ。そう考えると、一応番組自体は進化しているのかな。