仕事初め前日の深夜。
ええ加減そろそろ寝ようと、消そうとしたテレビの画面をあらためて見ると、さっきからやっている映画のシーンが気になりだした。
映像制作現場で働く若者(市原隼人)が先輩から、こっ酷く怒られているワンシーン。
ふと、自分の某報道機関のカメラマンだった若い頃と重なる。
そのまま、しばらく観ていると、ある登場人物が航空機事故で亡くなるという展開になる。
若者はその亡くなった人物の大学時代の友人らしく、プロデューサー(佐々木蔵之介)を伴い、その人物の実家に伺う。実家には、すでに親戚や他の大学の友人たちも集まっていた。
若者とその亡くなった人物との学生時代の回想シーンが始まる。
その亡くなった人物を演じているのが
上野樹里だった。
大学の映画研究部に所属し、監督として作品を作っていく(それ自体、もう、金持ちな設定だが。)。その姿勢がハンパじゃなく、しまいには、キスを演じるのを嫌がった女優(酒井若菜)を下ろし、自分で演じてしまう。
その際、上野樹里が酒井若菜に言っている台詞に自身の女優としてのポリシーが重なるような気がした。そう、上野樹里自身も、その演じ方がハンパじゃない。若いわりに、よくやっている女優と見受けた。
上野樹里という名前を初めて知ったのは、確かJ-PHONEのコマーシャルだったと思う。
高校の後輩が、彼女のことをかわいいとか言っていたような気がする。
しかし、その時、僕は同じCMシリーズに出ているSHIHOさんに気が行っていた。(「主役、とっちゃうぞっ!」)
その後、上野樹里の名前は、よく聞いていたが、それほど気に留めていなかった。
それにしても、ここまでよく演じる女優さんとは思っていなかったせいか、しだいに、最後まで観ないと気が済まなくなってきた。
観ていたのは、「
虹の女神」という岩井俊二プロデュース作品。
映画研究部の回想シーンも、自分の高校時代の写真部の頃と重なってくる。(僕もコダック派。)
限界を感じずに無邪気なまでにまっすぐに突き進もうとする若者のパワーに懐かしさと感銘を受けてしまった。
若いって、ええなぁ~っ。(←完全に、おっさん。)
結局、本当に最後まで観てしまって、終わったのは朝方の5時前。
罠だ。
仕事初めだというのに、寝る時間が…。
しかし、それだけでは、上野樹里は許してくれなかったw。
翌日、今年最初の勤務をなんとか終え、帰ってきてテレビをつけると、また、上野樹里が画面に出てくる。
しかも、前夜とは打って変わって、180度違う役柄。「のだめ」である。
あまりのギャップに、笑いと驚きがこみ上げてくる。なんて女優さんだ!
どちらも手を抜かない演技に彼女の末の恐ろしさを感じた。すごい!!!
そのまっすぐな素晴らしい人間性に、年上ながら彼女に何かを教えられた気分になった。
おそらく、今後、ずっと観客として見守り続けていくだろう。
関連リンク。--------
(Wikipediaによると、この「虹の女神」の制作中、岩井俊二に自分の演技論をぶつけ、一蹴されたものの、以後、その熱意に一目置かれるようになったらしい。)
TB。--------