備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム25.岩間山最明寺(山本院)

2008-07-27 21:45:03 | Weblog
岩間山最明寺山本院(いわまさん さいみょうじ やまもといん)。かつては他にも院坊があったのだろうが、今では「最明寺」ではなく、「山本院」のみで通用しているようである。高野山真言宗。本尊は阿弥陀如来で、行基作と伝える。
場所:岡山市中区米田816。百間川に架かる米田橋の右岸(南岸)から、ほぼ真南に約300m。入り口の道路が狭いので、注意。奥は案外広く、駐車場あり。
備前48ヶ寺の一つで、もと「千号寺」といったが、最明寺入道北条時頼巡国の際、「最明寺」と改めたという。北条時頼の「廻国伝説」が史実かどうか今も争いがあるようだが、「伝説」とあるように、疑問視されているようだ。ただ、岡山市湯迫に「最明院」という小堂があって、もとは「湯迫山浄土寺」(備前48ヶ寺の1つ)の1院であった「見明院」が、やはり北条時頼巡国の縁で改称したという。
岡山市中区米田には「當麻神社」(五社大明神)と「岩間神社」(岩間権現宮)があり、現在はこの2つの神社を結ぶ道の中程から南の谷に入っていくような形になっている。
なお、当寺境内前庭には「岩間の井戸」と呼ばれる、古くから有名な井戸がある。
操山北麓には、西から安住院、恩徳寺、長楽寺、山本院とあるわけだが、少なくとも長楽寺を除く3つの寺は水に関連が深いようだ。備前48ヶ寺は山上伽藍が多いから、寺院の維持上、まず水の確保が必要だったろうとは思うが、それ以上に水資源への信仰が背景にあったのかもしれない。

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