備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム81.神時神社の遥拝所

2008-11-12 20:11:43 | Weblog
岡山市東区瀬戸町大井に「神号免」(じんごうめん)という場所がある。ここは、国内神名帳に載る古社「神時神社」(2008年5月31日記事)の遥拝所であるという。遥拝所の拝殿の神棚には小さな銅塊が供えられており、拝殿の後ろに磐座がある。その北方の「天神山」に「神時神社」がある。ただし、「神時神社」の東北約700m(直線距離)に「倉懸山(鞍掛山)」(くらかけやま)があり、その山上にかつて磐座があった(今は破壊されて存在しない。)といい、あるいは「神時神社」の奥宮かもしれない、という。
神時神社の祭神は「霹靂神」(雷神)で、本来は山上の磐座による雨乞い祭祀が基であったが、後に菅原道真公の「天神」と同一視されたことから、地元では文神・学問の神としても信仰されているという。
なお、「神号免」の広場では、毎年8月24日夜に牛神様の祭礼として「大井村踊り」が行われており、このお祭りは結構有名らしい。
余談だが、「大井」は現在「だいい」と読んでいるが、もとは「おおい」であった。岡山藩主池田継政が大炊頭(おおいのかみ)であったため、これを憚って「だいい」と読むことにしたという。

(以上、瀬戸町の文化財を語る会「瀬戸町の歴史散歩」(平成8年12月改訂版発行による。)

なお、「神号免」は「阿保田神社」(岡山市東区瀬戸町万富)の西約500mのところにあり、徒歩でも10分弱。


写真上:「神号免ふれあい広場」(場所:大井コミュニティハウス(岡山市瀬戸町大井160)の北すぐ。):


写真中:神時神社遥拝所。鳥居の扁額は「天神宮」。


写真下:神時神社遥拝所磐座。拝殿のみで神殿はなく、拝殿の後ろに大きな樹と磐座がある。

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