
写真上は中国が勝手に設定した防空識別圏を飛行した米軍の B-52 爆撃機。 下は中国空軍機。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
多くの専門家が、今回の中国の防空識別圏を “国際法に違反するもの” と捕えている__識別圏は公空であって領空ではないが、中国の布告の内容は識別圏を領空として解釈している。 中国は、国際法を良く確認せずに勝手に地図に線を引いて発表してしまったのかも。 西側諸国だったら、“赤っ恥” もので即訂正だろう。 だが中国は “メンツ” の国だ。 一度世界に披露したものを、「間違ってましたァ」といって引っ込めるような国ではない。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
ウィキペディアから__ 防空識別圏 (Air Defense Identification Zone、ADIZ) とは、国などの防空上の理由から設定された空域のことである (※追加1へ)。
「中国にとって “藪蛇” となったお粗末な “防空識別圏” の設定」(12月5日 田岡俊次/軍事ジャーナリスト/ダイヤモンドオンライン)__※追加2へ
「中国 人民解放軍がかいた国際的 “大恥” とは」(12月5日 AERA)__※追加3へ
「中国防空識別圏にオバマ政権が “お約束” の妥協」(12月5日 北村 淳/JBPress)__※追加4へ
「読み違えた中国、その中国に傾く韓国」(12月5日 鈴置 高史/日経ビジネス)__“防空識別圏” を宣言した中国は、冷戦末期のソ連を思わせる (※追加5へ)。
「似て非なる中国の “識別圏”」(12月4日 鈴置 高史/日経ビジネス)__中国の主張は「識別圏の設定」ではなく「領空の拡張」です (※追加6へ)。
「防空識別圏をゴリ押しする、中国のウラ事情__大衆の不満そらし、軍独走、指導部の面子の3点セット」(12月4日 中村 繁夫/東洋経済)
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
本来は このような国際間で関係する取り決めは、事前に関係各国に根回しして調整し、これで問題無しという修正した最終版で発表するものと考える。 それをせずに、いきなりの発表だから、まるで西部劇で拳銃を振り回しながら悪徳保安官がいう “オ レ が 法 律 だァ!” のセリフが聞こえてきそうですね。
実際 最近の中国のやる事成す事は、これに近い感覚がある。 もともと 法治国家というよりは人治国家でもあるから、国際法にはあまり頓着しない人が多いのだろう。 例えば 日本国内を歩く中国人たちはすぐ その大声で区別できる。 1人でも、携帯電話に大声でしゃべっているから、これもすぐに分かる。
要するに 本国と同じ感覚で外国でも中国人同士話すのが彼らの特徴だ。 外国の中にいる配慮というものはまるで感じられない (やっぱり “オレッチはこうやって話すんだ、文句アッカー?” かも)。 彼らの諺の本には Do in Rome as the Romans do (郷に入りては郷に従え) はないのかも。
………………………………………………………
ヤジウマ的話しはさておき、大見得を切って披露した “中国の ADIZ” ですが、本気でこの空域を飛行する国外機すべてに対処する準備が出来ていたのでしょうか? 日本の ADIZ よりは “中国の ADIZ” 広くないようですが、「24時間365日のスクランブル対処態勢」が構築できていない段階で発表だけやってしまったのでは?
”防空レーダーの稼働と監視態勢の維持、飛行場の整備、戦闘機の常時稼働状態での維持、搭乗員や整備員の養成と人数の確保、各種武装や装備品の維持管理”――など膨大かつ多くの人員と支援部隊が編成されていないと対応できないのは明らかです。 机上で地図に線を引き、空軍トップが承認し、それで良しと安易に発表してしまったのか (どうもそうらしい)?
大体 中国が ADIZ を設定した後、事前通報なしで2機の米軍の爆撃機 B-52 や日本の自衛隊機が東シナ海の ADIZ を飛行しましたが、中国側の反応はなかったという事実は、上記の推測を裏付けている事になります。 中国のスクランブル体制も、ADIZ 起案者と同等のレベルだろうことが想像できるってもんです。
………………………………………………………
想像を更にたくましくすると、”尖閣諸島をカバーする ADIZ を発表しただけで、日本はビビって中国に頭を下げてくるだろう” くらいに安易にシナリオを描いていたのではないだろうか? 準備不足もいいところで、今後も同じように 各国の飛行機が通常飛行を続けるのを、中国はただ「全てを監視している」と (汗をたらしながら?) 発表するだけなら、”張り子のトラ” といわれても仕方ないことだろう。
このままだと益々 中国は失態を露呈し続けることになる。 こういうのを、コトワザでは “自縄自縛” というのですが、中国の空軍関係者は国際法を確認しているんでしょうか (諺の本も一緒に勉強し直した方がいいと思いますよ)? それを安易に認めた空軍トップもトップですが。
起案した担当者は大目玉を食らって、もう最果ての地かどこかにすっ飛ばされているかも (起案者と上司数人を飛ばしたくらいで解決する問題じゃありませんが)。 西部劇の “悪徳保安官” は最後に撃ち倒されてしまうか 叩きのめされてしまう運命なんですが、さて 中国はどう幕引きをする積りなんでしょうか。
………………………………………………………
もう1つの懸念は、“米国の一貫しない態度” にあります。 中国が ADIZ を設定した直後の26日 米軍爆撃機 B-52 を識別圏に飛行させ、中国側が対応できないことで米国の本気度を見せたまでは良かったのですが、その後の29日 米政府が米民間航空会社に中国政府への飛行計画提出を促し、米国の対応がグラツイていることが露見しました。
これでは中国の ADIZ を認めたことになってしまいます。 この米国の2つの対応で中国は憂えたり、喜んだりしたことだろう。 オバマ政権のチグハグな対応が透けて見えます。 12月4日に米副大統領が中国を訪問、習近平主席と会談していったことは「懸念」だけで、「撤回」を求めなかったのはガッカリです。 半世紀前の “キューバ危機” 当時の米国とケネディ政権の、ソ連に対する断固たる態度はどこにいったのでしょうか (あの時ほど米国が危険に晒されていない)?
日本政府は、中国の ADIZ を飛ぶ民間機の飛行計画提出を止めさせ、また「中国の ADIZ は受け入れられない」と中国に強く抗議しており__日本政府の対応の方が首尾一貫している。 世界は果たして 日米の対応をどう評価するだろうか?
以上
※追加1_ ■ 目的 ■
1) 空軍力への対抗_自国の航空機が平和時に他国の防空識別圏内を飛行する場合には、事前に飛行計画を提出することで望まない偶発的紛争や軍事的緊張が高まるのを防ぐよう配慮されていると一般的には理解されている。 ただ この防空識別圏は国際法で確立したものではなく、領空、領土の範囲を定めたものではない。
多くの国において 領海は12海里に設定されており、他国機が領海上空の領空を侵犯してから領土上空に到達するまで、旅客機でも1分強、超音速軍用機であれば数十秒あれば可能であり、領空侵犯を確認してから対応するのでは手遅れになる危険がある。 従って領空の外周の空域に防空識別圏を設定し、届けのない航空機が防空識別圏に進入した時点で空軍力による強制措置を含む対応がなされる。 そのためのスクランブルは、当該機が防空識別圏に進入する姿勢を見せた時点で行われることが多い。
2) テロリズムへの対抗_ハイジャックした旅客機を地上のテロ目標と激突させる手法が用いられた9・11テロの後、米国のメリーランド州ボルチモアとワシントンD.C.にまたがる首都地域は、領空内の飛行許可を得ている民間航空機等の侵入をも絶対に許さない特別な防空識別圏を設けている。
………………………………………………………
※追加2_ 抜粋_ 中国の布告の内容は、公海上空の広大な空域を領空同然に扱うような文面だから、他国からの非難が集中、中国空軍は大ドジを演じた。 中国は主権の及ばない公空を飛行中の外国機に指示を出し、従わねば緊急措置を取るという話で、そんなことを実際にやれば大問題になるから、現実には実行不可能に近い布告をした。
「公空を飛行する外国機に対し 中国空軍が指示を出す権限はないはず」という国際法の常識を欠き、どうやら ADIZ と領空を混同しているような空軍将校が、他国の ADIZ 関連の規則の運用実態もよく調べず、防空の都合を主に考えて起案し、国防部が承認したのではないか。 ADIZ は中国でも多分 空軍と国防部の一存で決められる事項で、外交部などと協議しなかった事を叱られているかも。
米国国務省は一方で、中国 ADIZ を非難しつつ、他方で米国の3大航空会社が中国の要求に応じ、ADIZ 通過の際に飛行計画をネットで提出することを了承した。
………………………………………………………
※追加3_ 抜粋_「防空識別圏」は本来は 領有権とは無関係だ。 防空部隊がレーダーで空を見張る際、「この線からこちらに向かってくる航空機があれば注意して見ろ」という「目安」にすぎない。
今回 中国が出した通報は、中国領空 (海岸から 22キロ) に入ろうとする航空機だけでなく、最大約 600キロも沖の公海にひろげた防空識別圏を通過する全ての航空機に対し、飛行計画を提出し、無線交信を保ち、指示に従うよう命じ、「識別に協力せず、あるいは指示に従わない航空機に対し、軍は防衛的緊急措置を取る」などとしている。
公空を飛ぶ外国機が指示に従わないだけで「防衛的緊急措置」とは乱暴だ。 この通報を書いた中国空軍将校や、それを認めた国防部の幹部は領空と防空識別圏のちがいがよく分かっておらず、他国の例も詳しく調べなかったのではと思われる。
広大な公空を領空同然に扱うことは国際法の常識に反するから、日本だけでなく米国など諸外国が非難するのは当然で、他国はこれを無視し、中国の国防部は恥をかく結果になりそうだ。
………………………………………………………
※追加4_ 抜粋_ 防空識別圏と領空は明確に異なる概念であることだけは国際的ルールとして認識されている。 防空識別圏を設定した国家の排他的主権が、防空識別圏に及ぶことは国際ルールから見て許されない。
ところが 中国当局の通達によると、「このたび中国が設定した防空識別圏内の空域は中国が管轄し、その空域内を飛行するすべての航空機は中国の指令に服さなければならず、中国当局の指令に従わない航空機に対しては防衛のために中国軍が緊急措置を講ずることもある」とされている。
自国領空外の防空識別圏空域においても 上記のような要求を主張するということは、国際法的には 中国領土と領海の上空に限定されている領空を「防空識別圏」という名称を使って拡大したことになる。
アメリカやオーストラリアそれにヨーロッパ諸国までが中国による防空識別圏設定に対して批判的立場に立っているのは、あたかも防空識別圏を領空のごとく中国の排他的主権が及ぶ空域であるかのように運用しようとしているからである。
アメリカ軍が、中国共産党政府による「防空識別圏」の名を借りた “運用上の領空拡大” に対抗するために B-52 を飛行させても、オバマ政権が中国に妥協してしまったため、米軍の行動は全くの徒労に終わった。 アメリカ政府はアメリカ航空会社に対して中国防空識別圏での中国当局の要請に応じてフライトプランを中国当局に提出するように働きかけたからだ。
………………………………………………………
※追加5_ 抜粋_ 中国空軍に “識別圏” 全体を見渡せる能力があるか、極めて怪しいのです。 軍事的にも外交的にも、中国はすっかり面子を失ってしまった。
世界の中国を見る目が変わりました。 国際ルールは堂々と破るし、武器を振り回して脅す危ない国、という認識に変わりました。
自ら宣言した “識別圏” の中に日本や米国の軍用機や海軍の艦艇がどんどん入ってきて、その画像が世界に流れ続ける――。 これにいつまで耐えられるか疑問です。
………………………………………………………
※追加6_ 抜粋_「“識別圏” を継続的に監視することは現時点での中国空軍の能力を超えている」と見る人が多いのです。
それに向けた訓練をしているとも見えません。 このような広大な海域に中国空軍機が常続的に進出して対処するとは思えません。 まして海軍航空隊では対処可能な機種を十分に保有していないでしょう。
「スクランブル対処態勢」を常時維持できなければ管理していることにはならないのです。 防空レーダーの稼働と監視態勢の維持、飛行場の整備、戦闘機の常時稼働状態での維持、搭乗員や整備員の養成と人数の確保、各種武装や装備品の維持管理――など枚挙に暇がありません。 防空識別圏――ADIZ を設定した国は、こうした態勢を維持しなければならないのです。 これを怠れば馬鹿にされ、舐められるだけです。
中国は “識別圏” 宣言という措置の深刻さを十分に把握しないまま、踏み切った可能性があります。 今年初め 中国海軍の艦船が海上自衛隊の護衛艦にレーダー波を照射しました。 この際も「相手をロックオン (照準) すると直ちに反撃を受けてもいい訳できない」ということを十分に認識しないまま、やったのではないかといわれています。
以上
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
多くの専門家が、今回の中国の防空識別圏を “国際法に違反するもの” と捕えている__識別圏は公空であって領空ではないが、中国の布告の内容は識別圏を領空として解釈している。 中国は、国際法を良く確認せずに勝手に地図に線を引いて発表してしまったのかも。 西側諸国だったら、“赤っ恥” もので即訂正だろう。 だが中国は “メンツ” の国だ。 一度世界に披露したものを、「間違ってましたァ」といって引っ込めるような国ではない。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
ウィキペディアから__ 防空識別圏 (Air Defense Identification Zone、ADIZ) とは、国などの防空上の理由から設定された空域のことである (※追加1へ)。
「中国にとって “藪蛇” となったお粗末な “防空識別圏” の設定」(12月5日 田岡俊次/軍事ジャーナリスト/ダイヤモンドオンライン)__※追加2へ
「中国 人民解放軍がかいた国際的 “大恥” とは」(12月5日 AERA)__※追加3へ
「中国防空識別圏にオバマ政権が “お約束” の妥協」(12月5日 北村 淳/JBPress)__※追加4へ
「読み違えた中国、その中国に傾く韓国」(12月5日 鈴置 高史/日経ビジネス)__“防空識別圏” を宣言した中国は、冷戦末期のソ連を思わせる (※追加5へ)。
「似て非なる中国の “識別圏”」(12月4日 鈴置 高史/日経ビジネス)__中国の主張は「識別圏の設定」ではなく「領空の拡張」です (※追加6へ)。
「防空識別圏をゴリ押しする、中国のウラ事情__大衆の不満そらし、軍独走、指導部の面子の3点セット」(12月4日 中村 繁夫/東洋経済)
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
本来は このような国際間で関係する取り決めは、事前に関係各国に根回しして調整し、これで問題無しという修正した最終版で発表するものと考える。 それをせずに、いきなりの発表だから、まるで西部劇で拳銃を振り回しながら悪徳保安官がいう “オ レ が 法 律 だァ!” のセリフが聞こえてきそうですね。
実際 最近の中国のやる事成す事は、これに近い感覚がある。 もともと 法治国家というよりは人治国家でもあるから、国際法にはあまり頓着しない人が多いのだろう。 例えば 日本国内を歩く中国人たちはすぐ その大声で区別できる。 1人でも、携帯電話に大声でしゃべっているから、これもすぐに分かる。
要するに 本国と同じ感覚で外国でも中国人同士話すのが彼らの特徴だ。 外国の中にいる配慮というものはまるで感じられない (やっぱり “オレッチはこうやって話すんだ、文句アッカー?” かも)。 彼らの諺の本には Do in Rome as the Romans do (郷に入りては郷に従え) はないのかも。
………………………………………………………
ヤジウマ的話しはさておき、大見得を切って披露した “中国の ADIZ” ですが、本気でこの空域を飛行する国外機すべてに対処する準備が出来ていたのでしょうか? 日本の ADIZ よりは “中国の ADIZ” 広くないようですが、「24時間365日のスクランブル対処態勢」が構築できていない段階で発表だけやってしまったのでは?
”防空レーダーの稼働と監視態勢の維持、飛行場の整備、戦闘機の常時稼働状態での維持、搭乗員や整備員の養成と人数の確保、各種武装や装備品の維持管理”――など膨大かつ多くの人員と支援部隊が編成されていないと対応できないのは明らかです。 机上で地図に線を引き、空軍トップが承認し、それで良しと安易に発表してしまったのか (どうもそうらしい)?
大体 中国が ADIZ を設定した後、事前通報なしで2機の米軍の爆撃機 B-52 や日本の自衛隊機が東シナ海の ADIZ を飛行しましたが、中国側の反応はなかったという事実は、上記の推測を裏付けている事になります。 中国のスクランブル体制も、ADIZ 起案者と同等のレベルだろうことが想像できるってもんです。
………………………………………………………
想像を更にたくましくすると、”尖閣諸島をカバーする ADIZ を発表しただけで、日本はビビって中国に頭を下げてくるだろう” くらいに安易にシナリオを描いていたのではないだろうか? 準備不足もいいところで、今後も同じように 各国の飛行機が通常飛行を続けるのを、中国はただ「全てを監視している」と (汗をたらしながら?) 発表するだけなら、”張り子のトラ” といわれても仕方ないことだろう。
このままだと益々 中国は失態を露呈し続けることになる。 こういうのを、コトワザでは “自縄自縛” というのですが、中国の空軍関係者は国際法を確認しているんでしょうか (諺の本も一緒に勉強し直した方がいいと思いますよ)? それを安易に認めた空軍トップもトップですが。
起案した担当者は大目玉を食らって、もう最果ての地かどこかにすっ飛ばされているかも (起案者と上司数人を飛ばしたくらいで解決する問題じゃありませんが)。 西部劇の “悪徳保安官” は最後に撃ち倒されてしまうか 叩きのめされてしまう運命なんですが、さて 中国はどう幕引きをする積りなんでしょうか。
………………………………………………………
もう1つの懸念は、“米国の一貫しない態度” にあります。 中国が ADIZ を設定した直後の26日 米軍爆撃機 B-52 を識別圏に飛行させ、中国側が対応できないことで米国の本気度を見せたまでは良かったのですが、その後の29日 米政府が米民間航空会社に中国政府への飛行計画提出を促し、米国の対応がグラツイていることが露見しました。
これでは中国の ADIZ を認めたことになってしまいます。 この米国の2つの対応で中国は憂えたり、喜んだりしたことだろう。 オバマ政権のチグハグな対応が透けて見えます。 12月4日に米副大統領が中国を訪問、習近平主席と会談していったことは「懸念」だけで、「撤回」を求めなかったのはガッカリです。 半世紀前の “キューバ危機” 当時の米国とケネディ政権の、ソ連に対する断固たる態度はどこにいったのでしょうか (あの時ほど米国が危険に晒されていない)?
日本政府は、中国の ADIZ を飛ぶ民間機の飛行計画提出を止めさせ、また「中国の ADIZ は受け入れられない」と中国に強く抗議しており__日本政府の対応の方が首尾一貫している。 世界は果たして 日米の対応をどう評価するだろうか?
以上
※追加1_ ■ 目的 ■
1) 空軍力への対抗_自国の航空機が平和時に他国の防空識別圏内を飛行する場合には、事前に飛行計画を提出することで望まない偶発的紛争や軍事的緊張が高まるのを防ぐよう配慮されていると一般的には理解されている。 ただ この防空識別圏は国際法で確立したものではなく、領空、領土の範囲を定めたものではない。
多くの国において 領海は12海里に設定されており、他国機が領海上空の領空を侵犯してから領土上空に到達するまで、旅客機でも1分強、超音速軍用機であれば数十秒あれば可能であり、領空侵犯を確認してから対応するのでは手遅れになる危険がある。 従って領空の外周の空域に防空識別圏を設定し、届けのない航空機が防空識別圏に進入した時点で空軍力による強制措置を含む対応がなされる。 そのためのスクランブルは、当該機が防空識別圏に進入する姿勢を見せた時点で行われることが多い。
2) テロリズムへの対抗_ハイジャックした旅客機を地上のテロ目標と激突させる手法が用いられた9・11テロの後、米国のメリーランド州ボルチモアとワシントンD.C.にまたがる首都地域は、領空内の飛行許可を得ている民間航空機等の侵入をも絶対に許さない特別な防空識別圏を設けている。
………………………………………………………
※追加2_ 抜粋_ 中国の布告の内容は、公海上空の広大な空域を領空同然に扱うような文面だから、他国からの非難が集中、中国空軍は大ドジを演じた。 中国は主権の及ばない公空を飛行中の外国機に指示を出し、従わねば緊急措置を取るという話で、そんなことを実際にやれば大問題になるから、現実には実行不可能に近い布告をした。
「公空を飛行する外国機に対し 中国空軍が指示を出す権限はないはず」という国際法の常識を欠き、どうやら ADIZ と領空を混同しているような空軍将校が、他国の ADIZ 関連の規則の運用実態もよく調べず、防空の都合を主に考えて起案し、国防部が承認したのではないか。 ADIZ は中国でも多分 空軍と国防部の一存で決められる事項で、外交部などと協議しなかった事を叱られているかも。
米国国務省は一方で、中国 ADIZ を非難しつつ、他方で米国の3大航空会社が中国の要求に応じ、ADIZ 通過の際に飛行計画をネットで提出することを了承した。
………………………………………………………
※追加3_ 抜粋_「防空識別圏」は本来は 領有権とは無関係だ。 防空部隊がレーダーで空を見張る際、「この線からこちらに向かってくる航空機があれば注意して見ろ」という「目安」にすぎない。
今回 中国が出した通報は、中国領空 (海岸から 22キロ) に入ろうとする航空機だけでなく、最大約 600キロも沖の公海にひろげた防空識別圏を通過する全ての航空機に対し、飛行計画を提出し、無線交信を保ち、指示に従うよう命じ、「識別に協力せず、あるいは指示に従わない航空機に対し、軍は防衛的緊急措置を取る」などとしている。
公空を飛ぶ外国機が指示に従わないだけで「防衛的緊急措置」とは乱暴だ。 この通報を書いた中国空軍将校や、それを認めた国防部の幹部は領空と防空識別圏のちがいがよく分かっておらず、他国の例も詳しく調べなかったのではと思われる。
広大な公空を領空同然に扱うことは国際法の常識に反するから、日本だけでなく米国など諸外国が非難するのは当然で、他国はこれを無視し、中国の国防部は恥をかく結果になりそうだ。
………………………………………………………
※追加4_ 抜粋_ 防空識別圏と領空は明確に異なる概念であることだけは国際的ルールとして認識されている。 防空識別圏を設定した国家の排他的主権が、防空識別圏に及ぶことは国際ルールから見て許されない。
ところが 中国当局の通達によると、「このたび中国が設定した防空識別圏内の空域は中国が管轄し、その空域内を飛行するすべての航空機は中国の指令に服さなければならず、中国当局の指令に従わない航空機に対しては防衛のために中国軍が緊急措置を講ずることもある」とされている。
自国領空外の防空識別圏空域においても 上記のような要求を主張するということは、国際法的には 中国領土と領海の上空に限定されている領空を「防空識別圏」という名称を使って拡大したことになる。
アメリカやオーストラリアそれにヨーロッパ諸国までが中国による防空識別圏設定に対して批判的立場に立っているのは、あたかも防空識別圏を領空のごとく中国の排他的主権が及ぶ空域であるかのように運用しようとしているからである。
アメリカ軍が、中国共産党政府による「防空識別圏」の名を借りた “運用上の領空拡大” に対抗するために B-52 を飛行させても、オバマ政権が中国に妥協してしまったため、米軍の行動は全くの徒労に終わった。 アメリカ政府はアメリカ航空会社に対して中国防空識別圏での中国当局の要請に応じてフライトプランを中国当局に提出するように働きかけたからだ。
………………………………………………………
※追加5_ 抜粋_ 中国空軍に “識別圏” 全体を見渡せる能力があるか、極めて怪しいのです。 軍事的にも外交的にも、中国はすっかり面子を失ってしまった。
世界の中国を見る目が変わりました。 国際ルールは堂々と破るし、武器を振り回して脅す危ない国、という認識に変わりました。
自ら宣言した “識別圏” の中に日本や米国の軍用機や海軍の艦艇がどんどん入ってきて、その画像が世界に流れ続ける――。 これにいつまで耐えられるか疑問です。
………………………………………………………
※追加6_ 抜粋_「“識別圏” を継続的に監視することは現時点での中国空軍の能力を超えている」と見る人が多いのです。
それに向けた訓練をしているとも見えません。 このような広大な海域に中国空軍機が常続的に進出して対処するとは思えません。 まして海軍航空隊では対処可能な機種を十分に保有していないでしょう。
「スクランブル対処態勢」を常時維持できなければ管理していることにはならないのです。 防空レーダーの稼働と監視態勢の維持、飛行場の整備、戦闘機の常時稼働状態での維持、搭乗員や整備員の養成と人数の確保、各種武装や装備品の維持管理――など枚挙に暇がありません。 防空識別圏――ADIZ を設定した国は、こうした態勢を維持しなければならないのです。 これを怠れば馬鹿にされ、舐められるだけです。
中国は “識別圏” 宣言という措置の深刻さを十分に把握しないまま、踏み切った可能性があります。 今年初め 中国海軍の艦船が海上自衛隊の護衛艦にレーダー波を照射しました。 この際も「相手をロックオン (照準) すると直ちに反撃を受けてもいい訳できない」ということを十分に認識しないまま、やったのではないかといわれています。
以上