
左上から、クナッパ VPO の第1幕、ショルティ VPO の第3幕。 左下からメータ NYP の第1幕、マゼール BPO の指輪からの管弦楽、ベームのバイロイト抜粋、ニルソンのアリア集。
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2006年7月26日投稿分 __
ワーグナーの「ニーベルングの指環 Der Ring des Nibelungen 」四部作の中の二作目で、単独でも上演されることも多いですね。 これでも四時間もかかるので、三幕中の第一幕だけをコンサート形式でも上演されます。
その第一幕だけでも1時間強かかりますが、話しが一応完結しているので都合よく、一幕だけの CD 録音もあります。 カラヤンが四部作の録音を始めたのもこの「ワルキューレ Die Walkuere」(意味は「戦死者を選ぶ者」) からですね … 一番人気の演目から上演・録音して、弾みをつけ 四部作を完成させたかったのでしょう。
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手持ちコレクションの中から 一幕の CD に、ヴァン・ミル (山賊の頭 フンディング) フラグスタード (ジークリンデ 彼の妻) スヴァンホルム (ジークムント) クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィル (57年 DECCA) と、LP に、タルヴェラ (フンディング) マルトン (ジークリンデ) ホフマン (ジークムント) メータ指揮ニューヨーク・フィル (85年 CBS) があります。
同「第三幕」CD に フラグスタード (ブリュンヒルデ) エーデルマン (ヴォータン) シェッヒ (ジークリンデ) ショルティ指揮ウィーン・フィル (57年 DECCA) もあります。 DECCA は当初 クナッパーツブッシュ指揮で四部作の録音を予定していたようですが、一幕だけで DECCA 録音陣とは折り合いが悪く (DECCA は録りなおしを求めたが 早く帰りたかったクナは機嫌悪く拒否したそう)、黄昏れかけていた当時の大歌手フラグスタードをブリュンヒルデに据えて ショルティ指揮で第三幕を録音したのでは … これが成功して、ショルティとカルショー (プロデューサー) による四部作の録音に発展します。
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マゼール指揮ベルリン・フィルは、歌手抜きの「指環」抜粋盤で「ワルキューレ騎行 Walkuerenritt / ヴォータンの告別と魔の炎の音楽 Wotans Abschied und Feuerzauber」を録音 (87年 TELARC)、ニルソンの「ドイツ・オペラ・アリア集」からは、「一族の男たちが Der Maenner Sippe / きみこそは春 Du bist der Lenz」を ダウンズ指揮英王立歌劇場管の伴奏で歌っています (78年 DECCA)。
カール・ベーム指揮バイロイト祝祭管の全曲ライヴから、アダム (ヴォータン) キング (ジークムント) リザネク (ジークリンデ) ニルソン (ブリュンヒルデ) で「私はジークムントだ / 深い眠りにお前を閉じ込め (ヴォータンの告別と魔の炎の音楽)」を抽出していますが、音質がイマイチです (66~67年 PHILIPS)。
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これらの中ではメータ盤がよかったですね。 ジャケ写真のタルヴェラは体調が悪いのか 無理して笑顔を作ろうとしているように見えますが (1935~89)、この録音の4年後に亡くなりました。
フラグスタードは絶叫すると (黄昏れかけてるのか?) 少し苦しそうです。
今日はここまでです。