シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

異質な世界

2010年03月20日 | 海外世相あれやこれや
写真上左はフィリップ。 ロシアの家では、本棚をインテリアにしているところが多い。

上右はモスクワの中心地。 後ろに金をなげると、願いがかなう。 しかし、すぐに物乞いの高齢者がやってきて、お金をひろう。

下左は通常の航空機や船とはかけ離れた、シーモンスターと呼ぶにふさわしい異質なエクラノプラン。 下右はあまり乗員のことは考慮されていないその居住性。
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あまり知られていないロシア事情。 欧州風でもない、米国風でもない、その異質なものが隣国です。
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「露徴兵制度は維持困難? 志願制移行破綻」(3月19日 産経新聞/モスクワ) _ ※追加1へ

「他の星に行けそうなソ連の巨大船 … カスピ海の怪物 “エクラノプラン” の異様な姿」(3月17日 らばQ) _ ※追加2へ

「上官に金を渡せば、ロシアでは兵役義務を免れる - 過酷な兵役生活と軍隊で横行する新人いじめ」(07年1月20日 産経新聞記者のブログ) _ ※追加3へ

「ロシアの人口減少は日本より深刻」(06年6月26日 門倉貴史=BRICs 研究所代表/日経ビジネス) _ ※追加4へ
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残念ながら、ロシアに行ってみたいという気がしない。 広大な国土と、まず期待できない観光地のサービスはすぐに想像できます。

旧共産圏の国には、サービス業は存在しなかった。 笑顔で客に接しても、仏頂面で接しても給料は同じ。 ならば、無理に笑顔は作らず、サービスもしない。 同じ給料だから。

今は社会体制が変わったから、必ずしもそうではないのだろうが、80年も染み込んだ体質はそうそう簡単には変わらないでしょう。

広大な国土柄からか巨大な兵器を作る性向があるようですね。 でも運転操縦する兵士の居住性は考えてないことが、そのパイロット席の様子から分かります。 それもお国柄?

でも戦車の居住性も似たようなもので、冷暖房はなく、自分の体温だけが頼りというのは世界共通だそうですが。

あと、ロシアでは平均寿命の低下が進行して60歳台となっているのは、やはり医療水準が低いのに加え、ウォッカなど強い酒を飲むのも原因ではないでしょうか?

北海道に住んでいた私の叔父たちが、「寒いので他に楽しみがない」とかいって酒を飲み過ぎて早死にしたので、余計そのことを想像してしまいます。 今の北海道は__やっぱり有名なのは “ススキノ” でしょうか。

以上


※追加1_ ロシアで4月1日に始まる春季徴兵で、軍が兵力の約4分の1にあたる 28万人の大徴集を計画している。 04年から進めてきた志願兵制度への移行が破綻する一方、兵役が1年間に短縮されて兵員確保に迫られているためだ。 ソ連崩壊後に急激に出生率が低下し、徴兵適齢者 (18〜27歳) の減少も始まっており、現行の徴兵制度は維持できないとの見方が強まっている。

ロシアでは08年、軍隊内の激しいいじめや徴兵逃れを受けて兵役が1年間に短縮された。 これに伴って年2度の徴兵数はほぼ倍増し、昨年は 57万人以上が徴集されている。 専門家の試算によると、軍は毎年、兵力の半分にあたる約 60万人を徴兵でまかなわざるを得ず、その比率は増加するのが確実とみられている。

マカロフ参謀総長もこのほど、外国向け英語放送で「たいへん多くの過ちがあり、職業軍創設の課題は達成されなかった。 志願兵枠を減らし、徴兵を増やすだろう」と言明した。

職業軍への移行が失敗した最大の要因は待遇にある。露語版ニューズウイーク誌によると、志願兵の平均給与は月6千〜7千ルーブル (約2万1640円)。 住環境も劣悪で “タコ部屋” をあてがわれることも多い。幼稚園や学校など妻帯者向けの施設も未整備だ。

結果的に、志願兵が3年の契約期間を更新して軍の中核になることはおろか、全体の5分の1は任期を全うしていないとされる。 政権は志願兵枠を 20万人から 15万人程度まで削減することを検討している。

ソ連崩壊後の出生率急減で徴兵適齢者の数は長期的な「谷」に入った。 ソ連末期の90年には199万人が出生したのに対し、97年には 126万人と 37% 減。 民間団体「市民と軍」のクリベンコ氏は記者会見で「近い将来、軍は徴兵枠の5〜6割しか満たせなくなるだろう」と予測した。

国防省はすでに徴兵猶予の条件を狭めて若い父親や学生も徴集しており、新聞各紙では兵役期間が2〜3年に延長されるとの観測が根強い。 各地の軍委員会が知的・肉体的に不適格な若者を強制的に入隊させるケースも増加しており、クリベンコ氏は「09年秋の徴兵では記録的な数の違反があった」と懸念する。

ロシア軍では自殺や事故、いじめなどによる死者が05〜08年の平均で年間約 700人にのぼっており、将兵の質低下が深刻な問題となっている。
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※追加2_ エクラノプラン」とはソビエト連邦で開発された地面効果翼機の総称で、冷戦期にはカスピ海に輸送・戦術ミサイル戦力として配備された歴史を持ちます。

平らな地面や水面すれすれを飛ぶことで、高速性と大量輸送を可能とした「エクラノプラン」ですが、独特で奇妙な形状から「カスピ海の怪物」とアメリカ側から称されました。

写真のものは、ジャンボジェットと変わらないサイズの全長 73.8m の「ルン」型と呼ばれるミサイル艇 (ボーイング747型の初期型70.6m、最新型76.4 m)。 圧倒的なまでの、その威容をご覧ください。  

見れば見るほど他の星にいけそうな姿ですが、戦略兵器の主役は長距離ミサイルへと移っていったこと、冷戦後の資金難のため、エクラノプランの開発は中断されました。
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※追加3_ モスクワの変貌ぶりはすさまじく、もう共産主義国時代を知らない世代が、大学に入ってきています。 私の先生がいっていました。
「もう、いまの若い世代は宇宙人ね。 価値観がぜんぜん違うのだから」

イヴァン家には、純ロシア的な親密な家族関係は保たれていましたが、家族関係も崩壊している世帯も少なくなく、子供の人身売買も横行しています。

討論番組では、「自分の子供を生活苦から売って、何が悪い。 あなたに私たちの苦しさなどわからない」と言う親もいて、社会問題になっていますね。

さて、今日は2回目のブログ。 イヴァン家の兄弟が出てきます。 彼らは、幼いころから日本を見て育ち、日本にやってきて、日本の良いところ、悪いところを知っています。 大変換期を迎えているロシアで、彼らはどう生きているのでしょうか?読んでみてください。

【過渡期のモスクワで生きる2人の兄弟】
記者が昨年9月までの1年間のモスクワ留学で、ホームスティすることになったイヴァン家には、2人の息子がいる。 長男のフィリップ (31) と次男のミーチャ (25) だ。
 
90年のソ連時代、ある日本人家族との縁で、イヴァン一家は日本と交流を深めるようになった。 そのため、2人の息子は多感な時期に、東洋の神秘の国がもたらすものめずらしい文化や慣習にふれ、大の日本通になっていた。
 
フィリップは、日本の製品に絶対的な信頼をよせた。 92年に市場経済が導入され、街には、粗悪なコピー商品があふれた。 品質が悪く、どんなモノでも、すぐにダメになる。 多くのロシア人は「中国人がわれわれをだまして商売している」と根拠のないうわさをささやきあった。

その点、日本製品はいつまでも正常に動き、長持ちする。 少々高くても、品質が保証されている。 フィリップが言った。
「ロシア人は本物が好きなんだ。 日本の商品は決して、だまさない」

フィリップは法律の専門家だ。 モスクワの有名大学を卒業後、当時は、隆盛を極めていた銀行に就職。 しかし、エリツィン時代の経済政策の失敗で、98年に金融ショックが起こり、その銀行が倒産。 フィリップは突然、解雇通知を受け取った。
 
以来、フィリップの生活は、難破船のように行く末の定まらないロシア経済に翻弄された。 職を転々とし、離婚も経験する。 コネ社会が幅を利かすロシアでは、実力が正当に評価されないことが多い。 フィリップのようなエリートでも、例外ではなかった。
 
ところがプーチン政権になって、経済が安定すると、各企業は相次ぐ民事訴訟に対応するため、法律の専門家を必要とした。 昨年、フィリップは別の銀行からおよびがかかり、法律部門を任されるようになった。月給は 3000ドル近く。 ロシアでは高給取りの部類に入る。 ゆとりができて、余暇にお金をまわせるようになった。

「今度、外国に一緒に滑りに行かないか」
流行に敏感なフィリップは、モスクワで人気のスノーボードにはまり、何度も記者を誘った。

一方、ミーチャの頭痛の種は兵役への徴集だった。 ロシアでは兵役義務がある。 法律が頻繁に改正され、その都度、徴集の仕組みが変わるが、研究職にいれば、義務を免れるらしい。
 
ロシアでは兵役義務について度々、話題になる。 多くの若者が毛嫌いする。 なぜなのか?
 
それは、過酷な兵役生活と軍隊で横行する新人いじめが理由だった。 実際、昨年の1月には、いじめにあった新人兵士が零下20度の極寒の街に数日間放置され、凍傷で両足を切断する事件が起きていた。

「どうするの」と聞くと、ミーチャが巷で氾濫する情報を教えてくれた。
 
「上官に、お金を渡すんだ。 そうすれば大丈夫。 ニセの診断書を書いて兵役を逃れた奴もいる」
 
ミーチャは「日本の企業に就職する」ことが目標だったが、兵役に行きたくないため、大学院に入学していた。 昼間働き、夜は勉強する。
 
「日本の企業に入って、ビジネスの最先端をまなびたいんだ。 兵役にいって、時間の浪費をしたくない」

過渡期を迎えるロシアには、明日、何が起こるかわからない不安感が社会を取り巻いている。 体制転換や金融ショックなどに振り回された経験から、「今の好景気も長続きはしまい」という人も多い。

フィリップとミーチャはそんな時代の荒波に決して負けることなく、たくましくロシア社会を生きていた。

ロシアの軍隊はいま、大きな問題となっています。 これは、暗殺されたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤも指摘していました。
 
軍規をおかし、懐をこやす幹部たち。自分の部下をつかって、知人の別荘作りを行い、その建設代金をポケットにいれていた幹部の不祥事も明るみにでました。
 
そして、軍隊で横行するいじめ。 これは過酷であり、多くの若者が、「行くのはいやだ」といっていました。

日本で徴兵制が続けられていたら、どうなっていたのでしょうか? (佐々木正明)
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※追加4_ 05年、日本の人口は1899年以来初めて減少し、人口減少社会が現実のものとなりました。 今後は人口減少の問題が少しずつ深刻化してくると予想されます。
 
人口の減少は、日本をはじめとする一部の先進国に限られた問題ではありません。 実は BRICs の一角を構成するロシアも同じ問題に直面しています。 現在は原油など資源価格が高騰しているので、資源供給国のロシアは高成長を謳歌していますが、資源価格が落ち着きを取り戻してくれば、人口減少の問題がロシア経済を直撃する恐れがあります。
 
ロシアの人口は、1950年代から80年代までは増加を続けていましたが、92年に1億4870万人近くでピークに達し、その後は減少傾向で推移しています。 直近の05年は1億4320万人 (前年比マイナス 0.46%) となっています。

今後は人口減少のスピードがさらに加速するとみられ、2050年には1億1180万人と90年時点の4分の3程度まで人口規模が縮小する見込みです。 05年時点でロシアの人口は日本の 1.1倍となっていますが、今後人口減少が日本よりも各段に速いスピードで進むため、2050年には人口が日本 (1億1120万人) と同程度の水準になります。

● 出産控え、アルコール中毒、高い自殺率 ●
では、なぜロシアで人口の減少が進んでいるのでしょうか。 その理由として、出生率の低下と死亡率の上昇が同時に進行、自然減少に歯止めがかからないことが挙げられます。

まず、出生率の低下ですが、これは1955年に妊娠中絶が合法化され、また70年代に子供を1夫婦につき2人までに制限することを推奨する政策がとられて以降顕著となりました。 当時の政府は、人口爆発が発生して飢饉になることを恐れていたのです。

80年代には政府が出産を奨励する政策へと方向転換したため、出生率にやや改善の動きがみられましたが、90年代に入ると、旧ソ連崩壊後の混乱もあって経済的理由により出産を自主的に抑制する夫婦が増え、再び出生率の低下に直面しています。
 
また、平均寿命の短縮化も人口減少に拍車をかけています。 もともとロシアは広大な国土に恵まれていながらも人間が生活していくにあたっての自然環境が厳しく、平均寿命はそれほど長くはなかったのですが、近年ではそれがさらに短くなってきています。
 
ロシアでは1965〜66年平均の 69.5歳をピークに寿命の低下が進行しており、90年に 69.2歳、2000年に 65.36歳、そして02年には 64.8歳となりました。

医療技術の進歩や栄養・公衆衛生の改善などを背景として、国際的には平均寿命が伸びていく方向にありますが、ロシアはそうした流れに逆行しています。
 
02年では、日本人男性の平均寿命が 78.4歳、米国人男性の平均寿命が 74.6歳ですから、ロシア人男性は日本人男性に比べて 20歳、米国人男性に比べて 16.2歳も寿命が短いことになります。 このまま平均寿命の短縮化傾向が続けば、ロシア人男性の寿命は、「人生50年」とのたまっていた織田信長の時代まで遡ってしまう恐れがあります。

男性の平均寿命の短縮化は、成人男性の死亡率上昇によるところが大きいと考えられます。 背景には、健康に害を及ぼすアルコール濃度の高いウォッカの摂取量が増加していることがあります。 実際、アルコール中毒による男性の死亡者は毎年相当数に上っており、夫婦の離婚の原因についても、最多の理由は夫のアルコール中毒です。
 
さらに、自殺率の上昇も男性の平均寿命を縮めています。 世界保健機関 (WHO) の調査によると、ロシアの自殺率は、90年の10万人あたり 26.5人から95年に同 41.5人と急上昇した後、2000年が同 39.4人、02年が同 38.7人と高原状態にあります。 02年の年間自殺者数は5万5330人にも及びました。 とくに男性の自殺率が高く、95年が 10万人あたり 72.9人、2000年が同 70.6人、02年が同 69.3人となりました。 02年の国際比較をすると、ロシアはリトアニア (自殺率は 44.7) に次いで世界で2番目に自殺率が高くなっています。

● 成長率は人口要因で徐々に低下か ●
アルコール中毒患者や自殺者の増加は、社会的なストレスの増大と密接な関係があります。 90年のソ連邦崩壊以降、ロシアでは社会統制が崩れて人々の価値体系が混乱したため、これが社会的ストレスとなって、アルコール中毒や自殺者、犯罪者の増加につながったのではないでしょうか。
 
人口の減少、とくに働き盛りにあたる労働力人口 (15歳から64歳) の急激な減少は、ロシアが中長期的に高成長を達成するうえで大きな制約となります。

筆者の推計によると、足下 (2000〜05年平均) におけるロシアの潜在成長率 (インフレを加速させない範囲で最大限達成可能な成長率) は年率 6.1% 増程度です。 人口要因によって今後の潜在成長率がどのように推移するかを計算すると、05〜10年が年率 6.0% 増、10〜15年が同 5.4% 増、15〜20年が同 5.2% 増と最大限達成可能な成長率は人口要因によって徐々に低下していきます。

国際連合の中位推計では出生率の低下に歯止めがかかると想定されているため、2020年以降は労働力人口要因による潜在成長率の低下にもブレーキがかかりますが、低位推計に基づけば、潜在成長率は20〜25年に年率 5.0% 増とさらに低下してしまいます。
 
労働力人口の減少を所与として、ロシアが今後も高い経済成長率を続けていくには、老朽化した設備の入れ替えなどを積極的に進め、労働生産性や資本生産性を大幅に引き上げていくことが不可欠です。 また、国内で急速に減少する労働力人口を補うために、移民を受け入れるなど、外国人労働者を積極的に活用せざるをえなくなってくるでしょう。

以上

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