シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

現場を知ってるかな この人は

2008年07月17日 | テクノロジふ~ん
写真上左は、漁船で見られる、傘のない電灯 (写真:アフロ)。 左下は、1個3000Wの集魚灯を30個搭載、強烈な明るさです。
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「イカ釣り船の集イカ灯に傘を付けては」という提案ですが、私はこれは実現が難しいと想像します。
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「イカ釣り船に無駄使い、空からお見通しです」(7月16日 浜田基彦 / NB online) _「おいおい、なんて MOTTAINAI ことを」。 イカの休漁が話題になり、人工衛星からの映像がテレビに出た。 テレビでは「こんなに明るく見えるほどイカ釣り船が多い」ことが話題なのだが、気になったのは別のこと。 人工衛星から漁火が見えている …。 ということは、電灯から光が上に向かっている。 宇宙を照らしてどうするんだ (※追加1へ続く)。
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集イカ灯を作ったメーカーだって、恐らく「傘を付けて」実験したでしょう。 その結果、「傘を付けない」ことになったのだと思います。 メーカーはエネルギーコストも考えています。 少ないエネルギー、つまり少ない重油で集イカ灯を照らす時間が伸びれば、漁船も大助かりです。 それを実現したメーカーの集イカ灯システムは、大いに売れることでしょう。

なぜ、「傘を付けない」のでしょうか? 現場は海の上です。 風が吹いています。「傘を付けた」集イカ灯はどうなるでしょう。 恐らく、傘が風を受けて「メチャクチャに動く」と想像します。 その結果、電球のガラスが割れて使い物にならなくなるでしょう。 けれど、既にぶつかっても 割れないガラス材を使っているのかも知れません。

また、メチャクチャに動くと 光がしっかり海上に向かわず、集イカ灯としての効果が 100% 期待できません。 想像するに、現状の「傘を付けない」集イカ灯は風を受けにくく、風が吹いても安定して海上を照らすので、この形が一般的になったのでしょう。
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それでは、風を受けても 海上を向いたままで、安定した「傘を付けた」集イカ灯は出来ないのでしょうか? 恐らくできます__電球と傘の全体を重くすれば、いいはずです。 しかし、重くした集イカ灯は結局 燃料を多く食うエネルギーコストの高いシステムになることでしょう。 しっかりと固定してもいいと思いますが、それでは漁船が傾いた時に、確実に海面を照らさないので、重力に引かれて 自然と電球が海面を照らす現状の形になったのでは?

他にも、現場でないと分からないノウハウがあって、この形状になっているのかも知れません。
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けれど、私も考えました__「傘を付けた」集イカ灯で風を受けにくい構造はできないか__1) 少し重量が増えますが、空を向いている上半分のガラスを覆うような形の傘にしては? 2) それとも、上半分のガラス内側に反射膜をコーティングしては? 2) はそれほどコストアップにも、重量アップにもならないようですね。

もう集イカ灯メーカーも検討しているのではないでしょうか? 風を受ける「電球ガサ」はやめましょう。

以上


※追加1_ ■ 傘がない ■
一般に、電灯はフィラメントから全方向に光を出す。 上を照らしてもしょうがないので、傘を付ける。 上に向かう光は反射して下に向かう。 役に立たない光が役立つ光になる。 反射率が1ならば消費電力は半分になる。 実際には1という素晴らしい鏡はなく、しかも汚れたり、錆びたりして反射率は下がるので、半分にはならないが、かなり減る。 だから、世の中の電灯のほとんどには傘がある。
 
漁火は例外なのだろう。 傘はない。 海を照らしたいはずではないのか。

自動車業界でこんな無駄が見過ごされることはあり得ない。 まず誰かが100円ショップでキャンプに使うアルミ箔の皿を買ってくるだろう。 ハサミで中心まで切り込みを入れ、テープで張り付ける。 張り付け方によって傘の深さは変わる。

すると、大問題が起こるだろう。 台風で飛んだ、すぐ錆びる、洗いにくい、外れかかっているのを直そうとして海に落ちた、テープがもたない、観光協会が「風情がない」とクレームをつけた …。 ところが自動車業界のメカイゼン心モでは、このくらいの問題は織り込み済み。 そのたびに手直し手直しを繰り返し、10年も20年もかけて、次第に定着させていくだろう。 それが製造業のやり方だ。

特許になるようなものでなければ、知恵はみんなで共有する。「QC サークル全国大会」のような機会を通じ、傘は全国に広まるだろう。 数が揃えば100円ショップで買うのでなく、特注もできる。 すると、工夫の余地が広がる。 汚れにくい形にしよう、イカが集まりやすい色にしよう、汚れにくいように光触媒をつけよう。 そんなやり方が想像できる。

傘すらついていないのだから、イカを釣っている人たちがこうしたカイゼンをしているようには見えない。 海流の情報を集めて一番経済的なコースや速度を計算するとか (民間航空では常識。「海流」でなく「気流」だけど)、灯りを少しずつ暗くして、漁獲量への影響を調べるとか(塗装ラインでは常識。「漁獲量」でなく「塗装品質」だけど)、灯りの位置を下げて同じことをするとか、もっと下げて水中に沈めようとか (LED ならやりやすい)、そんな工夫がもっとできるのではないだろうか。「漁獲量」のバラつきが大きいという難しさはあるが、協力してサンプル数を大きく取れば、統計的事実は出てくるだろう。
 
電灯を一斉に暗くするという「上からの指示」による対策は7月末にもやるそうだ。 自分だけ暗くすると、ほかの船にイカを取られるから「一斉」。 だから指示が出るまでできないという。 そんな調整をしているから、対策よりも、東京に出てきてこぶしを振り上げる方が先になる。
 
「助けてくれえ」と叫ぶ前に、自分でやることがきっとあるはずだ。

以上

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