シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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晩年の御大はハッピーだった?

2023年11月23日 | カリスマは死せず

左から 若い頃 (戦前?)・3番目の夫人と (60年頃?)・晩年 (80年代後半?) の御大。

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カラヤン・ファンを自認する私ですが、カラヤンの言動やカラヤンについて周りにいた人々が述べた記事などを読んで、果たしてマエストロは "晩年 やるべき事をやり尽くして幸せだったのだろうか?" と考えると、何ともいえない気分になってしまいます。

 

つまり 100% 幸せとはいえなかったのだろうと推測します (私の独断で)。 指揮者としては当時 間違いなくクラシック界トップの実力者で、彼と並ぶ評価を受けていたのはバーンスタインとショルティの2人だけだったでしょう ... 彼らもカラヤン没後数年以内にみな他界してしまうのですが。

 

長年 常任指揮者を務めた BPO とは、晩年 すきま風が吹いていました。 80年代に起きたザビーネ・マイヤー事件、そして台湾演奏旅行でのビデオ抱き合せ事件など不祥事もあり、それらについて御大には好意的とはいえない解説記事があります。

 

後者の件は、カラヤン自身が関わっていたかどうかは不明ですが、いい話しではないですね。 前者の件は、明らかにカラヤンが「わがまま 強権的」といわざるを得ません (詳細は過去のブログを参照下さい)。

 

長い間 どんな業界でもトップの座に "居座り過ぎる" と、本人が好む・好まざるとは関係なく 良い事ばかりでなく、悪い事にも遭遇するものです。 そうした事が解っていても、体制や考えを変えようとしないのが普通です。 それは "慣れ 老害" などといわれます (最初は柔軟に対応できていても、歳を取ると対応できなくなるもので、逆にそれが出来るのなら いつまでも若さを保っているといえます)。

 

そういわれる前に身を引くのが、真に優れた人といえますが、この意味ではマエストロは優れた人ではなかったという事になります。 私は早く身を引いて欲しかったと思う反面、もっと活躍して欲しかったという相反する思いを同時に感じます。 周りの人達も本人も引退を望んでいなかった? ーー 周りで "潤っている人達が多すぎた" のかも。

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ともあれ そうしたマイナスの事象を差し引いても、マエストロの残した功績は桁外れに大きかったと思います。 あれだけ世間の注目を浴びたクラシック界の人物は、過去にいなかった筈です (注目を集めれば、お金も集まるものです)。

 

また 晩年になると、身体機能が衰えるのが普通で 段々と指揮が間伸びするとか、遅くなるとかが見られますが、御大の場合はそうした事象を指摘する言動・評論はなかったですから、彼のテンポ感覚や聴覚は最後まで正常だったのですね (BPO 前任者のフルヴェンは晩年 聴覚が衰えました)。 これは稀有な事といえます。 ただし 振る曲目を間違えて指揮し始めてしまう、という件が大阪公演で発生した事があります。 マエストロの勘違いか記憶がすっ飛んだのか ...

 

カラヤンというカリスマの名前だけでコンサートホールは常に満員になったものです。 他の指揮者では必ずしもこうも聴衆が集まらなかったでしょう。「私も見に行った事があります」という飲み仲間もいる位ですから、その人にとっては、聴きに行く対象ではなく "見に行く" 対象だったのです。

 

何を聴くのではなく、ただ "有名人のコンサートに行く事" に意義があったのです。 こうした話しは、米大リーグの大谷選手の試合を観に行く人にも通じます。 こういう人は大谷選手の活躍ぶりではなく、実物の大谷選手がただ拝観できればいいのです。

 

でも そうした事で ある意味 経済が回っているともいえますから、全く無視もできません。 カリスマを巡る様々な事象には、そうした側面も少なからずあるものです。 ミーちゃんハーちゃん、趣味人、通の人、業界人など多くの人に影響力のある人や有名人にはそうした側面が付きもので、それらを避けて通れません。

 

私はカラヤン演奏会は1回しか聴きませんでしたが、評判通り 期待通りの名演奏だと感じ 入場料は月給の10分の1程もしましたが、大いに満足して帰ったものです。 (他の指揮者に心酔している人には申し訳ないですが) 今 世界中でかつてのカラヤンほど "期待させる指揮者はいない" と思います。 カリスマ指揮者の時代はもうとっくに終わってしまったのかも知れません (現在の BPO の常任 ペトレンコの評判は全く聞きません)。

今日はここまでです。


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