牝馬ながらにダービー挑戦？

この牝馬(743)がオークストライアルをぶっちぎったので強気にダービーに出してみた…

というワケでも無ければ、いつものように間違えて一週飛ばしてしまった…ってなことでも無くて、単に調子が底になってしまったのでオークスを回避したのだった。

でも、翌週厩舎に行ったら「まずまず」の動きだったので「岡部が空いてたらダービーに出してみるか」と思って藤枝センセに出馬投票依頼の電話をしたら「前回と同じく岡部さんでいいですか？」という意外な展開。ま、晩年の岡部さんはダービーで有力馬の騎乗も減っていたしね。

フローラSは先行から直線だけでフサイチエアデールを6馬身、3着以下はさらに大差離すというハデなレースだけに、しかも、鞍上岡部だけに、ちょっとだけ期待したのだが、さすがに復調手前の牝馬が相手になるほどダービーはアマくない。ま、8着は良くがんばったと褒めてやりたい。

ちなみにこのダービー8着の牝馬(743)は、有馬記念2勝などG1を4勝して凱旋門賞にも出走した母(97)に、G1は有馬記念の1勝だけという地味な自家産種牡馬(91)という組み合わせになる。

父(91)は距離1400～2400や「BACBC」というパラメータは「まぁそこそこ」といったレベルだが、晩成である点やインブリード効果のある血が少ない点がネックのため、実は今回のダービー出走牝馬(743)が現在のところ唯一の産駒である。ただ、牧場初のG1ホースであるオークス馬(16)から連なる当牧場ゆかりの血統を引き継ぐ最後の1頭だけに、何とか血を遺したいとは思っていた。

もっとも現役引退時の彼は、自家産の種牡馬としては実績的にも5番手の存在。それに「晩成型で安定Cの種牡馬をバンバン種付けしていたら牧場経営的にどうよ」ということもあり、中々種付けには踏ん切りがつかずにいた。しかし、そうしている間に毎年のように先輩の自家種牡馬が引退していくのを見て、「この時点で最良の繁殖牝馬に一度だけ付けてみよう」と考えて生まれたのが、この娘(743)だ。

ま、現時点でこの娘(743)が繁殖に上げるのに値する馬かどうかはまだ判然としない。母(97)は早熟(というより持続なのか？)、父(91)は晩成なのだが、肝心の娘(743)は同い年の仔馬が少なく、コメントが出切らなかったので成長型は判然としない。でも、牧場経営にまた一つ楽しみが増えたのは確かだ。