やねうら日記

~日常の中にある幸福

◆『転校生』

2014年04月08日 | 映画
◆2014 MOVIES16

『転校生』 1982 大林宜彦

何度観たか分からない、自分の中で10本の指に入る好きな映画だ。
演技もストーリーも音楽も秀逸という訳ではない、どちらかと言うとありきたりなのに、何故だか何度観ても激しく切なくなり、胸をかきむしられる。

あの尾道の美しい夕景がそうさせるのかもしれない。陳腐な表現だが、自分の町でもないのに懐かしく、「ああ、あの頃の風景はもう見られないのか」と思ったりするのだ。後戻りできない時間、甘く切ない気持ち、風景、空気感。ノスタルジーだ。

秀逸でない、と書いたが、使われる音楽は予算削減のためといわれているクラシック。でもこの音楽、「アンダンテ・カンタービレ」、「トロイメライ」が、風景と相まって、これ以上ない映画音楽になっている。