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単純解釈の怖さ/「キャー」「通り魔だ」…夜の駅ビル、階下まで悲鳴響く

2008-07-24 13:51:33 | ニュース
分析、解釈はいいけど

「社会のせい・武器のせい」

本当にそうか?











「キャー」「通り魔だ」…夜の駅ビル、階下まで悲鳴響く(抜粋)
7月23日 読売新聞

またしても何の落ち度もない人の命が突然、奪われた。

22日夜、東京・八王子の京王八王子駅ビル9階の書店で

「アルバイト店員の女性が刃物で刺され、死亡」した通り魔事件。

駅ビルのフロアには

「キャー、キャー」

という悲鳴が響き

普段は帰宅途中のサラリーマンや学生たちでにぎわう駅ビル周辺は

「通り魔だ。通り魔だ」

と叫ぶ人々で騒然とした雰囲気に包まれた。


<同ビル8階の雑貨店長(43)>
①同日午後9時半前、上の階から女性の悲鳴と大きな物音を聞いた
②驚いて非常階段を駆け上がり、9階の書店に駆け付けると
③床にうつぶせに倒れている中央大学3年生(22)とみられる女性の姿が目に飛び込んできた
④ほかの店員たちが、タオルで女性の傷口を押さえたり
⑤「大丈夫か」と声をかけたりしており
⑥女性は腕を動かして呼びかけに応じていたが、反応が次第に弱くなっていった











事件は起きた。

そして

確かに最近、よく聞く言葉だが











通り魔 八王子駅ビルで女性殺傷 「誰でもよかった」(抜粋)
7月23日 産経新聞

22日午後9時40分ごろ

京王線京王八王子駅の駅ビル9階の「啓文堂書店」から

「男が刃物を持って暴れている」

119番通報があった。

警視庁八王子署などは

殺人未遂容疑で

容疑者(33)

を逮捕した。


<容疑者>
「無差別に殺そうと思った。誰でもよかった


<事件>
①容疑者は書店入り口近くの本棚前にいた被害者と
②もう1人の女性を襲った後
③現場に包丁(刃渡り15センチ)を捨てて逃走

④現場から約300メートル離れたJR八王子駅北口付近で
④八王子署員が容疑者に職務質問したところ、犯行を認めた


<容疑者>
「仕事がうまくいかず、親が相談に乗ってくれなかった。無差別で人を殺そうと思って、文化包丁を買って書店に行った」











さらに

「識者」

の人たち。











通り魔は「パンパンに膨れあがった風船」 識者、八王子と秋葉原の共通性指摘(抜粋)
7月23日 産経新聞

複数の専門家は東京・八王子で女性2人を殺傷した容疑者(33)について

秋葉原の連続殺傷事件を起こした被告(25)との

“共通項”

を指摘した。


<新潟青陵大学の碓井真史教授(臨床心理学)>
「(これまでに無差別殺傷事件を起こした容疑者について)いまにも割れそうにパンパンに膨れあがった風船」
「ストレスがたまり、ちょっとしたことで爆発する」
「(今回の)容疑者と(秋葉原事件の)被告の境遇は似ている」


派遣社員だった被告は職場への不満を募らせた結果

「つなぎがない」という些細(ささい)な理由をきっかけに凶行に及んだ。

試用期間の(今回の)容疑者は

「仕事がうまくいかず、むしゃくしゃしていた」


<碓井教授>
「収入が安定せず、将来の不安からストレスを募らせたことも考えられる」


「仕事のことで家族とトラブルになった」と供述した容疑者。

一方の家族は

「相談はなかった」

と話し、食い違っている。


<碓井教授>
「本人が思っているような親切な対応でなかったとか、身勝手な思いこみが原因では」
「まるで思春期の子供のような悩みで、33歳にもなって極めて未成熟。フリーター生活が長かったようだが、彼は本当の意味での社会に出ていなかったのではないか」


<ジャーナリストの大谷昭宏さん>
「(菅野容疑者の供述などから秋葉原事件との類似性を指摘した上で)自分がうまくいかない理由を社会に転嫁しており、身勝手で甘ったれている」


<元検事で旧総理府青少年対策本部参事官も務めた田代則春弁護士>
「将来に不安を感じ、自暴自棄になる一方、目立ちたいという意識から秋葉原の事件を模倣したのではないか」


実際、(今回の)容疑者は

「大きな事件を起こせば、自分の名前がマスコミに出るようになると思った」

と話しており

携帯サイトに

「やりたいこと…殺人 夢…ワイドショー独占」

と書いた被告と同じ感覚といえる。











別に

「識者」でなくても

「状況が似ていることくらいは分かる」気もするが・・・。











無差別殺人犯は「派遣」と「無職」 これは「格差社会のせい」なのか(抜粋)
7月23日 J-CASTニュース

東京・八王子にあるショッピングセンターの書店で

女性2人が男に刃物で刺されて死傷する無差別殺傷事件が発生した。


<容疑者>
「仕事のことでうまくいかず、親に相談したが、乗ってくれなかった。無差別に人を殺そうと思い、文化包丁を買って書店に行った」


<容疑者の父親>
「全部自分で勝手に仕事していて、親が相談に乗ってくれないなんて、そんな話は全然ない」


容疑者とは別居状態が続いていた。


<容疑者の状況>
①無口でおとなしい性格だったという容疑者は職場で負傷して療養中
②8月からは職場に復帰する予定だった


<秋葉原無差別殺人事件を起こした派遣社員の容疑者(25)の掲示板サイト書き込み>
「人と関わりすぎると怨念で殺すし、孤独だと無差別に殺すし 難しいね」
「誰でもよかった」
「なんかわかる気がする」
「チャンスは全ての人に平等に与えられるべき 生かせるか生かせないかはその人次第」
「もしかして、俺、チャンスを逃してるわけ?そんなチャンス、人生に一回もなかったけど」


<08年3月JR常磐線荒川沖駅構内で8人が殺傷事件容疑者(25)>
容疑者は無職だった
「複数殺せば死刑になると思った。だれでもいいから7,8人殺そうと思った」


<無職の被告(32)>
①2月17日、東京・新宿区の公衆トイレで用を足していたタクシー運転手を背後から金槌で4回なぐりつけ
②殺人未遂の現行犯で逮捕

「死のうと思ったが死に切れなかった。誰かを殺せば死刑になると思った」


「無差別殺人」に手を染めたのは

無職や派遣社員

という「格差社会」でいうところの「底辺」と呼ばれる人たちが

突出して多いのが実情だ。

これは偶然なのだろうか。


<インターネット上議論>
「不幸な境遇、格差社会の広がり、社会の底辺に置き去り。そんな事が原因なら、日本人の殆どが犯罪者になっているはず。格差社会が犯罪を生むなど、問題の摩り替えもいいところだ」
「格差社会は問題ですが、それだけで極端な犯罪に結び付くとは思えません。日本人の多くが格差にさらされてはいますが、何とかやっている人が大半です」
「無差別殺人犯もまた経済事情よりは人格形成期の家庭環境などが大きな影響を及ぼすので親の経済力が決定的な要因とは言えません」
「最近耳にする凄まじい数の犯罪は今の社会とは何らかの関係があると思っています」


<ワイドショーのコメンテーター>

(京都造形芸術大学・寺脇研教授)
「(08年7月23日放送のテレビ朝日系番組「スーパーモーニング」で)むしゃくしゃして人を殺すのは絶対あってはならないが、20~30代のまだ元気で働ける人たちがそういう状態になってるのは、本当に考え直さなければいけない」

(作家の落合恵子氏)
「全て社会のせいにするのはフェアじゃないが、社会のなかに原因がないのか点検しないと(無差別殺人の)連鎖は断ち切れない」

(フジテレビ系「とくダネ!」小倉智昭氏)
「こんなの社会のせいじゃない。戦後の苦しい時期にみんなが人を殺したのか」

ただ

「失業や不安的な雇用が若者に与える心理的影響」

が大きいのは間違いない。

その意味で

凶悪な事件にもこの問題は重たくのしかかっている。











いろいろな意見があるようだ。



どの意見も

「間違ってはいない」

と思う。











【八王子通り魔事件】母は「うちは教育テレビを見ているから」と不登校かばう(抜粋)
7月24日 産経新聞

駅ビル横には亡くなった斉木愛さんへの献花台が設けられた

見ず知らずの若い女性2人を無言で突き刺した容疑者は

内向的で引きこもるタイプだった。


<容疑者>
①地元の小・中学校を卒業した
②だれもが「おとなしい」「内向的」と口をそろえるが
③別の素顔ものぞかせていた
④知人は

「休み時間に同級生にからかわれると怒って教室を飛び出し、次の日は登校しなかった」

⑤こうした性格から友達はおらず
⑥教室ではいつも1人だった
⑦中学2年になると不登校に拍車がかかり
⑧進学した高校は1日も行かずに退学
⑨その後は職を転々とした
⑩唯一の理解者は家族だった
⑪母親は「昭くん、昭くん」と言ってかわいがっていた


<近くの女性(64)>
「(学校に行かないことを周囲から指摘されても)うちは教育テレビを見ているからいいの」


<容疑者>
①20歳を過ぎても母親と仲良くコンビニに買い物に行く姿も見られた
②だが7年ほど前に「彼女ができた」として家を出て以降はほぼ音信不通
③その後に彼女と別れ、1人暮らしをしていたというが住所は家族にすら話さなかった


<父親>
「犯行原因は思いつかず、頭が真っ白」


<知人>
「甘やかした結果じゃないか」











親は「理由が分からない」と言い

(誰だか知らないが)知人は

「甘やかした結果じゃないか」



確かに

「甘やかしてる」ようには見える。



でも、普通「甘やかす」の根底には

「愛情」があるはずだ。



「7年ほど前に「彼女ができた」として家を出て以降はほぼ音信不通」



どんな状況があるのかは知らないが

「仲たがいや勘当したわけでもない息子が音信不通」

になった状態で

「そのまま」。



愛情が見えない気がする。



確かに

「年齢は大人」

なんだけどさ。



派遣社員
無職

そして
将来への不安
疎外感
自暴自棄

「誰でもよかった」というキーワード



こういう言葉を並べれば

説明されたような気はするけど。



(フジテレビ系「とくダネ!」小倉智昭氏)
「こんなの社会のせいじゃない。戦後の苦しい時期にみんなが人を殺したのか」



これが「自分の意見には近い。」



ただ

もう少し掘り下げると

「なぜ、戦後の苦しい時期に人を殺さなかったのか?」

ということ。



それは

「殺そうと思わなかったから」

ではないか?



自暴自棄になったときの選択肢に

「無差別殺人」

がなかったってこと。



結局

「マトモに育った人間がする犯罪ではない」

のだと思う。



「甘ったれ」

というコメントもあるけど

フツー「甘ったれ」っていうのは

「人に頼る」ものだ。



彼らに欠けてるのは

「頼ること」。



根っこのところで

「誰も信用していない」から

「頼ることさえできない」し

おそらくは

「人間や生き物の命の重さ」

についても

「何も教わっていない。」



少し前に

「水戸市千波町の千波湖畔でコクチョウやハクチョウ計8羽が殴り殺された事件」

があったけど

あの事件は中2の少年が起こしてる。



この事件こそ

相似形だと思う。



「社会が悪い」

は間違ってはいないけど

多くは

社会の最小単位である家族

「親の育て方が悪い」のだと思う。



「社会が悪い」

という方向性で考えることは

多分に危うさを含んでいる。



たとえば

雇用不安で

「人を殺す」なら

フリーター問題を解決しても

また「不景気」になれば

「大勢、殺人鬼予備軍が出てくる」

だろう。



危ないナイフを規制しても

「殺そうと考える気持ち」

までは止められない。











「ナイフ抹消するわけにいかない」 八王子無差別殺傷事件で町村長官(抜粋)
07/23

町村信孝官房長官は23日午前の記者会見、八王子市で起きた無差別殺傷事件について
「(凶器は)どこの家庭にでもあるような包丁で、これを規制するのはちょっと考えられない。世の中からナイフのたぐいを一切抹消するわけにはいかない」

「(人の命の大切さの教育など)地道なことをしっかりやっていかないとなかなか問題への答えは出てこない」

「フリーターの人が事件を起こすと、やっぱりフリーターが悪いんだと、わかりやすいから理屈を付ける。世の中からフリーターがいなくなれば一切こういう事件が起きないかといえば、そういうわけにはいかない」











稀有な

「マトモなコメント」

に拍手を贈りたい。



ところで











「人刺そうと持って出た」 岡山の突き落とし事件(抜粋)
03/28

JR岡山駅のホームで岡山県職員(38)が突き落とされ死亡した事件で

大阪府大東市の少年(18)が県警の調べに

「人を刺そうと思ってナイフを持って家を出た」

と話していることが28日、分かった。


<少年>
「岡山に着いて駅周辺をうろついたが、決心がつかなかった」


<県警>
①家出した段階ではナイフを使うことを計画
②岡山駅に到着後は迷いながら駅周辺をうろついていたとみている

③少年は逮捕時、自宅の台所から持ち出した果物ナイフ(刃渡り約12センチ)を
④刃がむき出しのままショルダーバッグの中に入れて持っていた

⑤少年の説明によると、自宅を出て午後7時ごろ岡山駅に到着
⑥駅を出て西口周辺をうろついて再び駅構内に入り
⑦午後11時5分ごろ、電車を待つ列の先頭にいた被害者の背中を押して線路に突き落とした


<少年>
「(家出の原因について)経済的な事情で進学をあきらめたことも理由の一つ」
「(被害者を突き落としたことには)人を殺せば刑務所に行ける。誰でもよかった」










フリーターでも
ハケンでも
無職でもないが

これも

「無差別殺人」だ。



世の中には

「不満の種」が

山ほどある。



それを全てなくすなんてことは

不可能だろう。



「仕事関係で悩み、事件直近に親に相談したが最後まで聞いてくれなかった。大きな事件を起こせば自分の名前がマスコミに出て(家族に)犯行を示せると思った。」



今回の容疑者のコメント。



死刑などの厳罰化には

「目には目を」

ということや

「遺族感情への回答」

ということはあるけど

「犯罪抑止力は皆無になりつつあるのかもしれない。」



みんな

よく考えずに「殺しちゃってる」ワケだし。



ハナシを変える。



一番新しいBE-PAL(雑誌)に

カヌーイストの野田知佑さんが出てる。



「鯉取り名人にハナシを聞く」

というテーマだけど

今回ハナシを聞いているのは2代目名人。



その中で

36年前、34才のとき

初代にハナシを聞きに来た時のことを

書いている。



そのときの印象

「彼の身辺からは自由な牡の匂いが漂ってた。飼い慣らされていない人間の匂いだ。この人は自分の好きな魚捕りを好きなだけして生きている。俺もそろそろ潮時だな。」

どんな潮時かと思ったら

それから1年後

「会社を辞め、川旅を始めた」らしい。



この人は

鯉捕り名人と同じで

「飼い慣らされていない」から

「自ら、学んで」

生きているのだろう。



自分を含め、多くの人にとって

「同じように生きていく」

ことは至難の業だと思う。



でも、せめて

「こういう生き方もある」

と話すことができる











そんな人間でありたい。
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