「何も分からなくなる恐怖」からの開放。
<アルツハイマー>ワクチン飲んで治す 脳の「老人斑」撃退
9月21日 毎日新聞
認知症の代表的な病気であるアルツハイマー病といえば
不治の病のイメージが強い。
しかしここ数年
治療法につながる有望な研究が進み
「飲むワクチン」
で治る時代が目の前に迫ってきた。
一体どんな治療法なのか。
<約20年間、アルツハイマー病の治療、研究に取り組んできた田平武・国立長寿医療センター研究所長>
「治療法がここまで進むとは夢にも思わなかった」
→最近のワクチン療法の進歩を語る
<老人斑>
①アルツハイマー病患者の脳に共通して見られるのは、シミのような老人斑
②老人斑の主成分は、神経細胞を殺すアミロイドベータ(Aβ)たんぱく
③これが脳に蓄積して塊となると神経細胞が次々と死に、記憶障害などが起きる
④治療の焦点は、この老人斑をいかに減らすか
⑤約10年前、突破口を開けたのは米国の研究者
⑥マウスにAβたんぱくを注射したところ、脳内に抗体ができ、老人斑が減ることを確認
⑦毒性のないウイルスや細菌を注射して、免疫反応を起こして抗体をつくるワクチンと同じ手法が
⑧アルツハイマー病の治療にも通用することが明らかになった
<臨床試験>
①99年には米国の製薬会社が、患者約300人を対象にAβたんぱくを注射する臨床試験を始めた
②途中で約6%の人に脳炎の副作用が起き、試験は中止
③だが、その後の研究で多くの患者で老人斑が消え、認知機能の低下が抑えられたことが分かった
<ワクチン>
①田平さんらは「脳炎を起こさないワクチン作り」を目指した
②方法としては、Aβたんぱくを作り出す遺伝子を組み入れたウイルスベクター(遺伝子の運び屋)を口から摂取し
③腸管で抗体を作らせるようにした
④マウス実験の結果、老人斑は著しく減り、迷路テストでも認知機能が良くなったことが分かった
⑤老齢のサルでも老人斑が減った
⑥いずれの場合も、副作用の脳炎は起きなかった
<田平武・国立長寿医療センター研究所長>
「経口ワクチンの将来性を確信した」
多くの患者や家族から
「経口ワクチンを試したい」
との声が届いているが
日本での臨床試験は安全性のハードルが高い。
田平さんは
各種学会で日本の企業にワクチンの開発を呼び掛けたが
賛同企業は見つからず
現在、手を挙げているのは米国の大学や研究機関だ。
<食べるワクチン>
①「食べるワクチン」を開発する試みも行われている
②独立行政法人・東北農業研究センター(盛岡市)は、Aβたんぱくを作り出す遺伝子組み換え稲を栽培
③米を食べて、アルツハイマー病を治すのが狙い
④現在、マウスでの実験を実施
(吉田泰二上席研究員)
「実用化は簡単ではないが、将来性は高い」
<認可済治療薬>
①現在、日本で認可されている治療薬は塩酸ドネペジル(製品名アリセプト)だけ
②認知症の進行を遅らせる効果はあるものの、根本的な治療薬にはなっていない
③ワクチン療法は根本的な治療薬として期待される
<田平武・国立長寿医療センター研究所長>
「あと数年で治療法の糸口が生まれるところまで来た」
日本独自の経口ワクチンに期待するが
米国から逆輸入される可能性が高そうだ。
「まだ、大丈夫だろう」
と思っていても
最近は
「若年性」なんてハナシもあるから
怖い。
「死にいたる病」も怖いけど
「何も分からなくなる」
というのは本当に
「怖い」。
脳が「スカスカになる」とかいう
「狂牛病」があれだけ騒がれたのも
「脳がダイレクトに犯される」病気だからだと思う。
最後の瞬間まで
「自分」でいたい。
この願いは叶うのか?
<アルツハイマー>ワクチン飲んで治す 脳の「老人斑」撃退
9月21日 毎日新聞
認知症の代表的な病気であるアルツハイマー病といえば
不治の病のイメージが強い。
しかしここ数年
治療法につながる有望な研究が進み
「飲むワクチン」
で治る時代が目の前に迫ってきた。
一体どんな治療法なのか。
<約20年間、アルツハイマー病の治療、研究に取り組んできた田平武・国立長寿医療センター研究所長>
「治療法がここまで進むとは夢にも思わなかった」
→最近のワクチン療法の進歩を語る
<老人斑>
①アルツハイマー病患者の脳に共通して見られるのは、シミのような老人斑
②老人斑の主成分は、神経細胞を殺すアミロイドベータ(Aβ)たんぱく
③これが脳に蓄積して塊となると神経細胞が次々と死に、記憶障害などが起きる
④治療の焦点は、この老人斑をいかに減らすか
⑤約10年前、突破口を開けたのは米国の研究者
⑥マウスにAβたんぱくを注射したところ、脳内に抗体ができ、老人斑が減ることを確認
⑦毒性のないウイルスや細菌を注射して、免疫反応を起こして抗体をつくるワクチンと同じ手法が
⑧アルツハイマー病の治療にも通用することが明らかになった
<臨床試験>
①99年には米国の製薬会社が、患者約300人を対象にAβたんぱくを注射する臨床試験を始めた
②途中で約6%の人に脳炎の副作用が起き、試験は中止
③だが、その後の研究で多くの患者で老人斑が消え、認知機能の低下が抑えられたことが分かった
<ワクチン>
①田平さんらは「脳炎を起こさないワクチン作り」を目指した
②方法としては、Aβたんぱくを作り出す遺伝子を組み入れたウイルスベクター(遺伝子の運び屋)を口から摂取し
③腸管で抗体を作らせるようにした
④マウス実験の結果、老人斑は著しく減り、迷路テストでも認知機能が良くなったことが分かった
⑤老齢のサルでも老人斑が減った
⑥いずれの場合も、副作用の脳炎は起きなかった
<田平武・国立長寿医療センター研究所長>
「経口ワクチンの将来性を確信した」
多くの患者や家族から
「経口ワクチンを試したい」
との声が届いているが
日本での臨床試験は安全性のハードルが高い。
田平さんは
各種学会で日本の企業にワクチンの開発を呼び掛けたが
賛同企業は見つからず
現在、手を挙げているのは米国の大学や研究機関だ。
<食べるワクチン>
①「食べるワクチン」を開発する試みも行われている
②独立行政法人・東北農業研究センター(盛岡市)は、Aβたんぱくを作り出す遺伝子組み換え稲を栽培
③米を食べて、アルツハイマー病を治すのが狙い
④現在、マウスでの実験を実施
(吉田泰二上席研究員)
「実用化は簡単ではないが、将来性は高い」
<認可済治療薬>
①現在、日本で認可されている治療薬は塩酸ドネペジル(製品名アリセプト)だけ
②認知症の進行を遅らせる効果はあるものの、根本的な治療薬にはなっていない
③ワクチン療法は根本的な治療薬として期待される
<田平武・国立長寿医療センター研究所長>
「あと数年で治療法の糸口が生まれるところまで来た」
日本独自の経口ワクチンに期待するが
米国から逆輸入される可能性が高そうだ。
「まだ、大丈夫だろう」
と思っていても
最近は
「若年性」なんてハナシもあるから
怖い。
「死にいたる病」も怖いけど
「何も分からなくなる」
というのは本当に
「怖い」。
脳が「スカスカになる」とかいう
「狂牛病」があれだけ騒がれたのも
「脳がダイレクトに犯される」病気だからだと思う。
最後の瞬間まで
「自分」でいたい。
この願いは叶うのか?