観るミステリー小説:相棒Ⅴ第十五話 『裏切り者』

これって本当に正味45分のドラマだったのだろうか

観終わった後は

まるで2時間超の映画を観た後のような充足感だった。


岩下さんが脚本の前作のような、
なんともいえない切なさの余韻を残す相棒も好きなのだが、
今回のような『濃くて厚みのある話』の相棒もまたいい。
(あらすじは相棒公式サイトで)

『捜査費流用』という警察内部の闇と
杉下右京の対決を描いた重く厚みのある社会派ドラマ的な部分と
亀山刑事の先輩刑事の師弟関係がゆえの苦悩と切なさを描いた人間ドラマの部分の
二つの軸が見事に絡みあった良作。


亀山刑事が北村刑事に娘の写真を見せられて
情に訴えられても被害者の心情を大切にし、
「迷ったら原点に戻れ!」
と北村刑事が一番初めに自分に教えてくれた言葉で
教えた本人を説得するシーンは見応えがあった。

証拠の調書を北村刑事と親しいと知ってるのに亀山刑事に預けた右京は、
亀山刑事ならきっとこうすると見越していたのだろう。
いや、亀山刑事が北村刑事にそのまま調書を渡したとしても
亀山刑事に預けた自分が悪いと、彼を責めることはしないように思う。
この押し付けがましくなくて、口にださない信頼関係が『相棒』の真髄かも。


一方、権力と対峙したときもそれに屈せず、より切れ味を増す杉下右京。

最後の調書の諮問と亀山刑事のジャンパーについていた指紋は
本当に同じものだったのだろうか?

ブラフの方がいかにも杉下右京らしいけど

ブラフと見せかけて実は本物というのも、
これはこれで、また右京らしく思えるし・・・

警察上層部でなくても、本当に読めないよな~

これは、ここまで培ってきた杉下右京像があるからこそできる
ラストではないだろうか。


その鋭い切れ味と権力に屈しない性格で上層部に嫌われている右京だが
そんな彼の毒をうまくコントロールして、
いつも落としどころを用意する小野田官房室長は
なかなかの人物だな~といつも感心する。

そんな小野田さんに認められたいうことは
亀山刑事もかなり成長したってことだろうな。


今回は天ぷら屋だったが、
右京と小野田が会うシーンはこのドラマの見所の一つ。
毎回実におもしろい。

【今回面白かったセリフ】

右京が(電話で)角田課長に
「今、おヒマですか?」

これはいつもの逆パターンだ



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