散歩道の異空間

    
子供の頃、水木しげるのマンガが好きだった。
ストーリーよりも、その絵に魅かれていた。
ゲゲゲの鬼太郎や河童の三平などの主人公や
妖怪などのキャラクターの絵よりも、
オレが興味をもっていたのはその背景に描かれている風景だった。

水木マンガは人物や妖怪の絵が、わりと単調なデフォルメされた線で書かれているのとは対照的に、背景は実に細かく写実的に描かれている。

特に田舎の風景はすごく幻想的で神秘的だった。
こんなところなら精霊やら妖怪やらいろんな不思議なモノがいてもおかしくないと思えた。
そしてその絵にはよく『道祖神』(どうそしん)が書かれていた。

オレの家のある仙台市北西部の団地の周辺はまだ農村地帯が多く、
散歩道の林には上の写真のような道祖神がある。
団地の太い道を脇にそれて、初めてこの道を歩いた時
「うぉ~!この雰囲気はまるで水木しげるの絵の世界じゃないか!!」
と驚いた。

この道祖神というのは道の神様で民間信仰の神様とのこと。
悪いものが村の集落に近づかないように道を守る神様らしい。
またその近くには下の写真のような氏神様を祀った祠のような神社もある。


きっと昔の人たちには神様が身近な存在だったんだろう。

さすがに夜一人でここを歩く気はおきないが、昼間は怖いというよりも
神聖な清清しい空気が漂っている。

休日にこんな道を1時間ほど歩き家にもどってくるとかなりいい運動と気分転換になるのである。
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