数式が語る愛 (2006年3本目)


映画って本当に心のストレッチになるなぁ
この映画を見終わった後もそう感じた。

博士の愛した数式クリックすると公式サイトへ)

英国へも留学したことのある数学博士が交通事故で脳に記憶障害が残る。
彼は10年前で記憶が止まり、そこからの新しい記憶は80分後には消滅する。
彼にとっての昨日とは、いつまでたっても10年前の事故当日だ。

彼の記憶は80分しかもたない

その数学博士と彼のところへ通うようになった家政婦、
そしてその子供との心の交流を描いた映画だ。
ストーリーの展開は家政婦の息子役の吉岡秀隆が数学の授業をしながら
子供の頃を回想するかたちですすむ。
典型的なフラッシュバックムービーだ。

この映画で俳優以上に大きな意味をもつのが『数式』。
『大切なモノは目に見えないのだよ。心で見るんだ』

博士が一番愛した数式は『素数』

『素数』…それは『1』と『自分』以外の整数では割り切れない数。

1・3・5・7・11・13・17・19・23…その出方に法則性はない。
『素数』=『唯我独尊』自分自身のオリジナリティがしっかりしている。

こんな感じで『数』や『数式』が言葉の役目を果たす。
『数字』・・・仕事をしているとコレくらい血の通わない冷酷なモノは
ないのではないか…と思っていたが。
この映画を見ると『数字』に対する認識が少し変わるかも・・・

数字がこれはど『美しく』『清らか』で『温かさ』を感じさせるものとは
少々驚いた。

高度の記憶障害の博士と家政婦その息子との数式や数字を介しての交流。
過去に許されない関係にあった義理の姉との愛。
たとえ80分しか記憶が続かなくても心は通い合うんだ。

劇中で『時は流れない』というセリフがでてくる。
確かに時は流れるものではなく『ひとつひとつの今が加算されていくもの』なのかもしれない。

だからこそ今でも過去でも『その一瞬』は永遠に残っていく。



原作は本屋の主人や店長が選ぶ『本屋大賞』を受賞したベストセラー。
自分はまだ読んでないのでぜひとも読んでみたい。

博士の愛した数式

新潮社

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成り上がり

連日のようにライブドア関連のニュースがブラウン管や新聞の紙面をにぎわしている。

ホリエモン・・・つい半年前までは総理大臣と並んで写真を撮るぐらいの立志伝の人物。
IT業界の偉大なカリスマともてはやされた彼。
いまや見る影もない。

矢沢のエーちゃんの著書に『成り上がり』という本があるのだが
その中で成り上がりの原動力は『ハングリー精神』だと書いてある。

その成り上がりで一番オレが連想するのは
ジェームスディーンの遺作になった『ジャイアンツ』という映画である。


大牧場で下っ端の使用人として働くジェット(ディーン)。
ある日その牧場の跡取り息子のビッグ(ロックハドソン)に東部の娘
レズリー(エリザベステイラー)が嫁いでくる。
ジェットはそのビッグの姉ラズの愛人(遊び相手)でもあった。
彼女の庇護のもとでなんとかこの牧場内に居場所を確保していたジェット。

でもジェットはビッグに嫁いできたレズリーをひそかに愛してしまう。


やがて彼の愛人だったラズが亡くなり恩情で僅かな土地をもらう。
その小さな土地から石油を掘り当てジェットは、主人のベネディクト家を
もしのぐ石油成金になる。

いくらお金が手に入っても自分が大きくなればなるほど、
ビッグとレズリーの夫婦愛が強くなることにジェットの心はすさむ。

夜ごとレズリーへの絶ちがたい想いの前に酔いつぶれる。

金と名誉を手に入れながらも愛に飢える男ジェット。
成り上がりでもどこか憎めないし共感を覚えるのはジミーディーンだから?


『成り上がり』と『成金』は違うというのがオレの考えだから
オレはホリエモンには特には興味はない。

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