何かずれてしまった(2006年4本目)

     
『この映画が見れて61年生きていてよかった』…おすぎ。

『本年度アカデミー賞最有力候補!胸に迫る感動巨編』
・・・ポスターや予告編。

やはりこの手のキャッチコピーに引かれて映画を見ると
あまり良い結果になったことがない。



『オリバーツイスト』公式HP)

舞台は19世紀のイギリスのロンドン。
一人の孤児が悪事の世界に引きづり込まれようとするが、
常に誠実な彼の性格が奇跡を呼びハッピィエンドを迎える。

この映画で一番の見所は、主人公の子役バニークラークの演技のうまさである。
たぶん、、おすぎは映画そのものより彼に引かれたのでは?…と思ってしまう。

19世紀のイギリスの風景や街並みの再現は実におみごと。
ストーリー展開もハラハラドキドキの連続。
中だるみすることなく最後まで緊張感がありおもしろく
おとぎ話と現実の中間のような感覚。
子供の頃のようにワクワクしながら見れた。
主人公の純真な心が奇跡のような良い出会いを呼び込む。

でも・・・でも・・・これが感動巨編?
感動はたしかにあった。しかし『巨編』って?これってどうなの?
巨編なんかじゃなく、なんかいい話って感じだと思うんだよねコレ。


う~ん自分はなんか納得いかない。
別に駄作とはいわないし、それなりにいい映画だとは思う。
しかし『巨編』って表現はどうなのかな。

もしこんな変な先入観がなく見れたら違った感想があったかもしれない。
『映画』『本』『音楽』・・・芸術は主観だ。
それと同時にショービジネスでもある。
興行成績を上げるために過剰なキャッチコピーで煽るのもわかるが、
この映画はそれが逆効果になった例かなとも思う。

意外とこの映画の感想を書いた人のブログでは『消化不良』という
言葉が目につく。
原作を大きく簡略化したせいもあるのだろうが、
そんな人たちはみな『巨編感覚』を期待して見にいったのではなかろうか?
あの主人公がさらに大きく成長し英国を代表するような政治家や商人になる
一生ものの大河ドラマのような『巨編』を想像して。

やはり宣伝と映画の微妙なズレが気になり観賞後に後味の悪さが残った。


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