新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

4月までの例会開催予定です

2014年02月05日 | お知らせ
さっぽろがん哲学外来は以下の日程で例会を予定しております。多くの方の参加をお待ちしております。どなたでも参加を歓迎いたします。

・例会 3月29日(土) 14時受付~16時半ごろまで

・樋野先生講演会および例会(終了後) 4月19日(土) 12時40分受付~15時半ごろまで
(樋野先生の講演は13時~14時を予定しています)

→ 講演会電子チラシは以下のURLを参照してください。
http://www.gantetsugaku.org/img/event/20140419sapporo.pdf

*会場は全て愛生舘サロン(札幌市中央区南1条西5丁目 愛生舘ビル6F)です。
問い合わせ先、会場案内図等は上記電子チラシをご覧ください。

5月以降の例会予定日は3月中旬頃にお知らせします。

がん哲学校たより・12(0029)

2014年02月05日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2014.2.1配信)
第44回「がん哲学学校」
「言葉の処方箋」~「人生のリセットの形成的刺激」~

先週、『がん哲学外来コーディネーター』出版記念「集学的がん診療センター」講演会『「メディカル・がん哲学外来カフェ」の心得~立ち振る舞いの3ヶ条~』(福井県済生会病院に於いて)に赴いた。講演会に先立ち、「浅井3姉妹記念 がん哲学外来」の実施(5組の患者)、さらに「職員・患者・市民によるカフェ」に参加した。翌朝、早速、「先生のお優しいお声と風貌でのお話にうっとりでした。私も日々、感性を磨き、穏やかな温かい顔で過ごしたいと思います。」、「患者さん、ご家族、職員にとって大変充実したい1日になりました。本当にありがとうございました。」と心温まるコメントが届いた。医師・医療従事者に向けた「対話学」の勉強会『樋野塾』の開講の企画が、さりげなく進めされているようである。大きな時の流れに驚きである。

厚労省の「肝炎等克服緊急対策研究事業 中間・事後評価委員会」と「B型肝炎創薬実用化等研究事業 中間評価委員会」に2日間出席し、「慢性肝炎・肝硬変・肝癌」の最新の研究・治療の進捗状況を深く学んだ。思えば、30年前「B型肝炎ウイルスの宿主DNA組み込み」の研究が、筆者の医学博士の学位論文である (1984年) 。第30回 日本毒性病理学会のワークショップ「環境とがん」で、講演「環境とがん~先楽後憂から先憂後楽へ~」をする機会が与えられた。筆者は、「化学肝発がん」か らスタートして、「ウイルス性肝がん」、「遺伝性腎がん」、さらに「アスベスト・中皮腫」へと研究が展開してきた。「山極勝三郎・吉田富三」の「発がんの 形成的刺激」の継承であり、「がん哲学」の源流でもある。

先週の大きなニュースは、なんと言っても「刺激だけで新万能細胞~STAP (Stimulus -Triggered Acquisition of Pluripotency)」(朝日新聞1月30日 付け)であろう。「マウスの体の細胞を、弱酸性の液体で刺激するだけで、どんな細胞にもなれる万能細胞に変化する。」とのことである。外部からの「形成的 刺激」によって、細胞は、簡単に「初期化・リセット」されることになる。「がん細胞の良性化」・「がん細胞のリハビリテーション」の現実性の実証ともなろう。「がん哲学=がん細胞で起こることは、人間社会でも起こる」から生まれた、「がん哲学外来=言葉の処方箋」は、まさに「人生のリセットの形成的刺激」でもある。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。