新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・15(0038)

2014年02月27日 | 樋野先生からのメッセージ
第47回「がん哲学学校」
公立図書館の時代的使命~「がん哲学外来・カフェ」の常設~

先週、愛媛大学医学部の病理学教室の企画による、医学生との「対話型セミナー」に招かれた。学生の真摯な質問に、学生時代の良き出会いの重要性を再認識した。その後、腫瘍センターで「坊ちゃん記念 がん哲学外来~医師の2つの使命~」の講演の機会が与えられた。松山に、ふさわしい名称であり、大いに意気に感じた。今後、「坊ちゃん記念 がん哲学外来・カフェ」が常設される予感がする。

全国国立病院院長協議会関東信越支部総会・勉強会で、「がん哲学外来~医療の隙間を埋める~」(東京文化会館)、放射線安全管理研修会で、特別講演『今、時代は「先楽後憂」から「先憂後楽」へ』(文京区シビックホール)の機会が与えられた。早速、「本日のご講演は最高でした。樋野先生のご講演があまりにも素晴らしかったので、酒の場でも最高の盛り上がありました。――もし、樋野先生がお酒をたしなめるのならば是非ご一緒したいと仲間からのofferがありました。」との嬉しいコメントを頂いた。酒は飲めないが、涙なくして語れない

週末は、「中皮腫パネル」(順天堂大学)で、診断困難な難治性中皮腫の多数の症例に接した。「高い純度のある、がん病理の専門性」の深い学びであった。引き続いて、「文科省がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン採択事業」の2日間の研修会(順天堂大学)に出席し、「閉会の辞」で、「対話学のすすめ」を語った。早速、「締めのお言葉が胸に響きました、誠に有難う御座いました。」と身に余るお褒めのメールを頂いた。「人材育成の原点」の気づきでもあった。

日曜日の午後は、葛飾区中央図書館で、「がん哲学外来~良い読書との出会い~」の講演の機会が与えられた。会場は、満席であり、多数のコメント・質問を頂いた。驚いたことに、聴衆の中に、1984年「新渡戸稲造 5000円 札」の決定に関与された、当時の大蔵省の官僚の方がおられ、講演後、挨拶をされた。大いに感激した。公立図書館での「がん哲学外来・カフェ」は、悩める患 者さんにとって、来やすさと、安心感のある雰囲気を醸しだすことであろう。医療の隙間を埋める為には、密度的に、全国に7000箇所は必要と考える「がん哲学外来・カフェ」にとって、全国の図書館での常設は最適であり、時代的使命を痛感した。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。