新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・47(0083)

2015年01月26日 | 樋野先生からのメッセージ
第95回「がん哲学学校」
「純度の高い医療連携」の受付~「企業の新しい社会貢献」~

先週、岡山大学医学部の学生講義『臨床医学入門~がん哲学~』に赴いた。企画して頂いた泌尿器病態学分野教授 公文裕巳の胆力には、大いに意気に感じた。
   
TSC(結節性硬化症)医療連携セミナー(順天堂大学)が開催された。筆者は、「開会挨拶」の機会が与えられた。遺伝性疾患で、小児から成人まで多様な症状を呈する難病TSCの患者・家族の視点に立った、「純度の高い医療連携」が可能な、バーチャルな『TSCセンター』設立は、時代の要請となろうと、挨拶した。

その後、「池袋がん哲学外来・帰宅中カフェ」(スベンソン池袋サロン)が、帰宅中のがん患者の『対話の場』として、夜開催された。筆者は『美容哲学~温かい 手・温かい心・温かい笑顔~』で、講演する機会が与えられた。一杯の参加者で、充実した一時であった。就業されているがん患者にとって、帰宅中に、ちょっ と、お茶を飲みながら、対話する場があれば、大いなる慰めの時となろう。極めて、ユニークな「企業の新しい社会貢献」である。今度、資生堂との共催で、市 民公開シンポジウム『がん哲学外来の核心~あなたは、どこにいるのか~』が、御茶の水で、企画されるとのことである。『Svenson・資生堂』共催とは、まさに、新しい時代に向けた『美容哲学』の時代的到来を予感する。

週末の早朝、TBSラジオで『土曜朝イチエンタ堀尾正明+PLUS』という番組の生出演の依頼があった。生放送で、スタジオでは大変緊張したが、大好評であったようで安心した。放送後、忽ちに、新刊『いい覚悟で生きる』(小学館)が、「 Amazonの『闘病記』部門でベストセラー1位にマークがつきました。」との知らせが入った。驚きである。アナウンサー:堀尾正明氏が本書の『プロの為さざること 5か条』(100ページ目)を朗読された効果が、大きかったと思える。

その後、いわき市医師会の市民公開講座『がん哲学外来・カフェ開設記念講演会』に向かった、特別講演『がん哲学外来~医療の隙間を埋める~』の機会が与えら れた。会場には多数の参加者があり、今後、「いわき市医師会主催」で、『いわき市がん哲学外来・カフェ』が、定期的に開催されるとのことである。

がん哲学校たより・46(0082)

2015年01月11日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.1.11配信)
第93回「がん哲学学校」
人と人の懸け橋となる『ふうけもん』~偉大なるお節介症候群~

我が家から見る、悠然とした『雪の富士山』は美しい。まさに『富士見通り』である。「ふるさと出雲大社」に住む、92歳となる母親から、筆者が誕生する年の初夢が『富士山』であったと、幼い時から毎日、聴いて育った。それが、今、筆者が、自宅から『富士山』の見える東京に住むとは、人生不思議である。

我が家には、以前、wifeと筆者の「ふるさと出雲大社」を、散策した時に、購入した『青春』の板礼が壁に掛けてある。そこには、『青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方という。歳を重ねただけで人は老いない、理想を失った時初めて老いる。』と書かれている。「Quality of Death」の基礎修行でもある。

『横浜がん哲学外来・カフェ』の新年会に赴いた。2008年『陣営の外』の街の中に最初に出たのが、『横浜がん哲学外来・カフェ』であった。早7年目になる。継続の大切さと、『同好の士』の心の豊かさを感ずる楽しい新年会であった。

『女性セブン』(小学館、2015年1月22日号、105ページ)に、『「がん哲学外来カフェ」が盛況な理由』の記事が掲載されていた。また、『広がる「がん哲学外来」~誰もが尊厳持ち生きる~』(神戸新聞、2014年12月22日付け)、さらに、「がん哲学外来~尊厳持って生き切るために~」(中国新聞、2015年1月7日付け)の記事が広島在住の姉夫婦から送られてきた。驚きと共に、感激した。

週末の土曜日、定例の「<がん哲学外来>お茶の水メディカル・カフェ in OCC ~New Year Special~」が開催された。新年にふさわしい尺八の演奏があった。まさに、新年にふさわしいカフェであった。終了後、wifeと 映画『ふうけもん』の上映会に赴いた。『人と人の懸け橋となるべく奔走した男の実話』とのことである。「便利屋=世間の雑用代行業」とのことで、「便利屋 稼業」とは、「庭の手入れ、孤独な老人の話し相手、家族の埋めがたい隙間など様々である」、とのことである。上演に先立ち、「つりバカ日誌」シリーズの 「栗山富夫監督」の挨拶もあった。映画には、wifeの知人も、出演していたようである。まさに、「誰もが忘れてしまっている大切なもの」=「偉大なるお節介症候群」である。

がん哲学校たより・45(0081)

2015年01月11日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.1.3配信)
第92回「がん哲学学校」
2015年の始まり~「家庭哲学」:温かい手・温かい心・温かい笑顔~

2015年の始まりである。「時の流れの速さ」と「待望」とを感ずる瞬間である。

昨年末は、アメリカ Fox Chase Cancer Center 時代の友人家族との、帰国以来、継続されている23回目の、神楽坂での忘年会に、wifeと参加した。新年には、アメリカ Fox Chase Cancer Center 時代の恩師 Knudson(92歳)夫妻、また、お世話になった London 博士より年賀状を頂いた。早速「巨星が元気でおられるだけで、我々も元気が出ますね。」と Philadelphia にある Pennsylvania 大学で、Knudson 夫妻の友人である先生のもとに留学されていた先生から、メールを頂いた。筆者にとっては、正月は、「ゴミの山の部屋」の大掃除とともに、人生の宝でもある「不思議な人生の邂逅」の原点に立ち返る貴重な時でもある。

筆者は、昨年末の講演会で、聴講者から、会場で、南原繁の『瑠璃柳~南原博遺文追憶集~』を贈呈された。驚きである。年末の休み中に、『瑠璃柳』を一気に読破した。「南原繁の妻」の「温かい手・温かい心・温かい笑顔」と、「深い教養」には、大いに感服した。ヒルテイーの『幸福論』の引用にも感動した。「世の中で最も健康な生活は、純粋な心と、偉大な思いと。絶えざる有益な仕事を伴った単純な生活である」。若き日の読書が、走馬燈のように駆け巡った。

新年の読書の学びは、「女性は愛されないと尊敬を示さない、男性は尊敬されないと愛を示さない」(エグリッチー)であった。早速、「最近は、逆転のカップルもあるのかと・・」のユーモアあるコメントを頂いた。さらに、「心配は、命の毒である」(新島襄)である。まさに、今年のテーマは、「家庭哲学=自制心・犠牲心・忍耐」と「毒性病理学」の予感がする。年始 (2015年1月2日)に、知人からB4版の分厚い『内村鑑三先生御遺墨帖』(1941年印刷 非売品)が送られてきた。その中に、力強い「義と愛」(1923年1月2日)がある。

1月2日は、横浜の「金沢文庫」での、85歳の叔父、叔母を囲んで恒例の親戚との新年会に、帰国中の息子とwifeと赴いた。帰りは横浜・八景島シーパラダイスに寄った。「ボルチモアのインナーハーバー」が脳裏に懐かしく浮かんだ。

今年の例会予定です

2015年01月11日 | お知らせ
今年の例会予定は以下の通りです。皆様の参加をお待ちしています。今年もどうかよろしくお願いいたします。

2月21日(土) 例会(新年会)
4月18日(土) 例会
4月19日(日) 樋野先生札幌講演会(武士道出版115周年記念シンポジウム) 札幌グランドホテルでの開催です。詳細別途お知らせします。
6月20日(土) 例会
8月22日(土) 例会
10月24日 (土) 例会
12月19日(土)例会

場所は4/19を除き、愛生舘サロン 札幌市中央区南1条西5丁目 愛生舘ビル6Fです。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。