新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

第2回会合を開きました

2013年10月31日 | 集まりの様子
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去る10月26日、札幌中心部の愛生舘ビル内の(株)北海道良水の事務室でさっぽろがん哲学外来の第2回目の会合を開催しました。ちなみに(株)北海道良水は協賛企業の一つで、札幌市清田区で地下水を外気に触れないように自然のまま状態で汲み上げた正真正銘の天然ミネラルウオーター「新水いぶき」を製造販売している会社です。

今回のテーマは、さっぽろがん哲学外来をどう進めていくか、というものでして、見方によってはきちんとした方針がなく、随分いい加減なことをやっているんだなあ、という風に思われてしまいますね。でもさっぽろがん哲学外来はそれぞれ立派な経験とスキルを持った社会人が集まったグループなので、求心力の中心にあるのは純粋な志でないといつ空中分解してもおかしくありません。単に企画の良さとか面白さだけとか、幹事さんのがんばりとかだけでは長続きはしないと思っております。で、こういうテーマになりました。

前回は丸山先生の面白くて為になる講演があり、出席者の懇談は正直、ちょっと物足りない感じがしましたが、今回は2時間フルに使っての話し合いになりました。
前回もそうでしたが今回の話し合いでますます意を強くしたのは、人生四苦八苦(生老病死や愛別離苦(愛する者と分かれる苦しみ)など8種類の苦:思い通りにならないこと)という現実にめげずに参加者一人一人が温かいこころ(慈悲の心)を持ちながらたくましく生き抜いているということでした。

さて、求心力の源である純粋な志とは結局は温かいこころ(慈悲の心)とすれば、さっぽろ哲学外来としての求心力はまた同時に参加者一人一人一人の持つ求心力でもあるということでしょうから、その姿をイメージすると、それは水平な形で空中に浮かんでいる真珠のネックレスになるのかな、と思います。

核に温かいこころを持った一つ一つの真珠が参加者一人一人で、その真珠を連ねている糸によって円を描いているネックレスの中心ががん哲学外来の中心である温かいこころ、といった感じ。とすれば、一つ一つの真珠を連ねている糸はネットワークという糸になるのでしょう。ということで、さっぽろがん哲学外来とは何かというと、それは2つの温かいこころの求心力を持つネットワークである、ということになりますか。

従って、さっぽろがん哲学外来は参加者一人一人が哲学外来としての活動を行ない、その個々の活動を勉強会(ゲストや参加者が講師)や相談会などでバックアップするのがグループとしてのさっぽろがん哲学外来というスタイルになろうかと思います。

また、バックアップの第1弾として、参加者(メンバー)にさっぽろがん哲学外来の名刺作成やがん哲学外来関係者の証とも言える「偉大なるお節介症候群認定証」を発行元である樋野興夫先生(順天堂大教授で当会顧問であり、全国に広がるがん哲学外来の提唱・実践者)にお願いして発行していただこうと思っています。要するに全国的にも珍しいさっぽろがん哲学外来のスタイルを形として表わし、やる気を出して進んでいこうぜ、というであります。(J)

新聞投稿記事の紹介です (0012)

2013年10月15日 | 外来待合室
2013年 10月11日(金)北海道新聞(札幌圏)・夕刊『プラネタリウム』欄に以下の記事が掲載されましたので紹介いたします。

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哲学は「愛」であった!

 「がん哲学外来」という団体が8月、札幌に誕生した。がんについて患者や家族らと語り合い、相談に乗ろうというもので、提唱者の樋野興夫順天堂大学教授(病理・腫瘍学)は、札幌と縁の深い新渡戸稲造の研究家でもある。新渡戸つながりで知り合った団塊世代の男たちが、全国で30番目、北海道初の事務局を発足させた。
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事務局担当者らもまた、がん経験者だったり、伴侶を亡くした者、兄弟が闘病中の者がいたりとひとごとではない。目指すは、がんを抱えても、人生を生き切ることのできる社会環境整備への小さな場づくりである。がん・哲学・外来の三つの言葉が何を表し、何を目指すのか。発足に合わせ、仲間の一人である札幌の丸山淳士産婦人科医に講演をお願いした。
先生の話は、話術というより話芸の域に達し、参加者約20人は爆笑するばかり。がん細胞の特徴や遺伝子解析、現代医学の位置づけについても分かりやすく解説しながらも、笑いによって、難解な「がん哲学外来」を噛み砕き、病がもたらす心理的ダメージを緩和させた。参加者の一人は「言葉による『丸山ワクチン』を作り出しているみたい」と感想を漏らした。
                *
先生は、「哲学」を「愛」だという。愛とは話を聞く相手に呼吸を合わせることで、2頭立ての馬車が、馬同士の気が合えば2馬力以上の力を発揮し、反対の時は力が出ないのと人間も同じ。味方になり、同調することで愛が哲学として発展する、という話が印象に残った。
<投稿者は大沼芳徳氏(札幌・月刊誌「しゃりばり」編集)です>




四択の宿題(0011)

2013年10月11日 | 外来待合室
ちょっと見づらいですがサケの遡上です(北海道増毛町暑寒別川) 画像をクリックすると拡大します。
その昔、エリザベス・キュープラー・ロス女史の「ライフ・レッスン」という本を読みました。この本は、人間には一人一人に人生の宿題というものがある、ということを書いている本ですが、なるほどと思ってその後もずっと人生の宿題という言葉が気になっていました。

ちなみにロス女史のお母さんの宿題は「他人の世話になれるようになること」というものだったそうです。彼女のお母さんは人に迷惑をかけることが大嫌いでなんでも自分でやろうとした人だったそうなので、「他人の世話になれるようになること」が宿題だということなのです。

さて、最近、仏教の四無量心というものに出会いました。具体的には慈悲喜捨の心をいうらしく、
慈とは:貪りの心をなくし、人が幸福であることを願う心
悲とは:怒りの心をなくし、人が苦しんでいる時は助けようとする心
喜とは:妬みなどに苦しむ心をなくし、人の幸せを共に喜ぶ心
捨とは:愛憎などの執着心をなくし、人々を差別せず公平に見る心
とのことであります。

で、自分にとって人生の宿題であり、また、自分がこの世にいる意味は2番目の悲であることを人生の後半に至り初めて直感しました。こんなことを書くのは、気恥ずかしいというよりも、穴があったら入りたい位に本格的?に恥ずかしいのですが、自分に天命があるとすればこれだと思ったのです。

さて、いきなりですが、この駄文を読まれた方、あなたはこの4つのうち、どれが一番自分らしい宿題だと思いますか? またその宿題を果たす努力(ライフレッスンですので死ぬまでに出来ればいいのですし、出来なくても死んでしまえばこっちのもの?)を始めませんか。

で、この慈悲喜捨の教えを得た原文では、さらにこういう言葉が続いています。
「こうした四つの方向に心を拡散する努力を瞑想のうちに重ねることで「私(自我)」が次第にいなくなる。心の主とは実はこうした「私(自我)」がいなくなった「いのち」そのものなのである。」と。

この作者はいのちと私(自我)は別だと言っているのです。そしてそのことは、いのちというものは自分のものではなく与えられたものであり、さらには一切の生きとし生けるものすべてのいのちとつながっていること。また、同時にいのちは水と同じように姿形を変えながらも循環しているということでもあろうと。それゆえに生も死もこのいのちの循環であり、恐れることは一つもないとも。皆、一切の生きとし生けるものはこの大いなる(宇宙の)循環の中に抱かれているのですから。(J)

10月26日(土)に第2回がん哲学外来を開きます

2013年10月08日 | 開催予定
第2回★「新渡戸稲造記念さっぽろ・がん哲学外来」★

テーマ:今後の進め方や運営に関する相談をしましょう 

場 所:「愛生舘サロン」(中央区南1条西5丁目・愛生舘ビル6階)
日 時:2013年10月26日(土)
13:30*受付 ⇒ 14:00開会~16:00終了
参加費:1人・1000円(会場費&飲み物)
定 員:先着30名
主催:「新渡戸稲造記念さっぽろ・がん哲学外来」………(顧問・樋野興夫順天堂大学教授)
事務局:〒060-0061札幌市中央区南1西2 南1条Kビル7F ㈱札幌プロパティ内
事務局代表:中里準治(メールアドレス:jnakaz@agate.plala.or.jp)
多くの方の参加をお待ちしております
◆◆協賛:北海道良水㈱+札幌プロパティ㈱+亀田制作所+新整体「じゃばら」+三塚印刷㈱◆◆
                 2013・10

国旗に関するちょっといい話(0010)

2013年10月03日 | ちょっと一息
本文とは関係ありませんでポリポリです。画像をクリックすると拡大します。

2020年での東京オリンピック開催が決まりました。オリンピックの開会式と言えば参加各国の国旗は選手団とともに主役を勤めますが、こと我が国では国旗への思いは人様々。9月24日の読売新聞にこんなのが載ってるよと投稿がありましたので以下に転載します。
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<国旗が結んだ世界との輪 64年東京五輪 式典用に製作>
◆学生で担当 海外支援のきっかけに
1964年に開催された東京五輪で、参加した93の国・地域の国旗製作を行い、それを機に、海外への支援活動をライフワークとして取り組んできた人がいる。外交政策を提言するNPO法人「ユーラシア21研究所」(港区)理事長の吹浦忠正さん(72)。2020年の東京五輪・パラリンピック開催が決まり、「大会を通じて、日本人が世界の国や人々を理解するきっかけになれば」と期待している。(山村英隆)
「日本の沈んだ気持ちを吹っ飛ばすいい機会になる」
吹浦さんは今月8日、7年後の東京開催が決定したニュースを聞き、興奮した口調でこう語った。
吹浦さんは、1964年の東京五輪で、早稲田大4年の学生でありながら、国旗に関する知識の豊富さを買われて、組織委員会の式典担当の専門職員を務めた。
国旗にのめり込んだきっかけは、小さい頃に自宅に貼ってあった世界地図。地図に描かれていた色とりどりの国旗に魅せられ、大学の時には国旗に関する本も出版した。
五輪で担当したのは、開会式などで使う国旗の製作。それぞれの国や地域の国旗のサイズや色を調べ上げ、確認のため、現地の五輪委員会に製作した国旗を送る作業が続いた。
64年10月10日の開会式は、国立競技場(新宿区)の式典本部から各国の入場行進の様子を双眼鏡を使って見つめた。掲げられている国名と国旗は正しい組み合わせになっているのか--。
「私たちの前を1か国ずつ通過するたびに、ほっとしました」
閉会式当日、地域として参加していた「北ローデシア」がザンビアとして独立。吹浦さんは、当日の朝、選手村へ新たな国旗を届けに行き、選手の一人と抱き合って一緒に独立を祝った。「将来、この国のために何かしたい」との思いは、同国への支援活動として現在まで続いている。
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2020年の東京オリンピックでは「おもてなし」がキーワードのようですが、その国の正しい国旗をちゃんと用意する、という当たり前のことが参加国とその国の選手たちへの敬意を表わすという意味で大事なおもてなしの一つなんですね。(J)



がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。