新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

樋野先生の講演会を行いました(0049)

2014年04月26日 | 集まりの様子
4/19(土)13時から樋野先生の講演会が開催されました。帯広の北斗病院で行われた「偉大なるお節介」講演の帰路、わざわざお立ち寄り頂き、こちらは新渡戸稲造記念さっぽろガン哲学外来らしく「がん哲学~内村鑑三・新渡戸稲造の源流」という演題でした。

今回の講演は時間的な制約で1時間ほどでしたが、実に中身が濃いもので、今や世界に共感を得て広がりつつあるがん哲学外来の志や心中期すべき初心が発案者であり先導者である樋野先生ご本人から丁寧に説明されました。
文字通り貴重で得がたい時間を共有できましたことをこの場をお借りして樋野先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。

以下、当日の写真で講演会の様子をほんの一部ですが紙上再現いたします。
(説明順は当日の講演順ではありません。画像をクリックすると拡大します)
①癌学事始め


②がん哲学外来は樋野先生と5人の先人達によるチーム医療がスタート
*5人の先人達:新渡戸稲造+内村鑑三→南原繁→矢内原忠雄、吉田富三(病理学者、実験腫瘍学の開拓者)


③がん細胞の話(多くのスライドでがん細胞や遺伝子の仕組みの説明がありました)


④がん哲学カフェ


⑤メディカルタウン、メディカルビレッジ構想
*一人の人間を癒やす為には一つの村が要る


⑥がん哲学市民学会への広がり


⑦ロンドンでもカフェ


⑧こんな感じで集まりました


⑨終わった後の雑談会

がん哲学校たより・21(0048)

2014年04月09日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2014.4.6配信)

第53回「がん哲学学校」
「充実したcommunity」~人格は筋金入りにされ~

週末の土曜日の午後、第23回「<がん哲学外来>お茶の水メディカル・カフェ in OCC」が開催された。福島県、栃木県、島根県からも参加があり、大変盛況であった。早速、「会場入りきれないほど参加者がいっぱいで、がん哲学外来の必要性を改めて実感しました。」、「樋野先生のロンドン視察ツアーのお話を、興味深く聞いていらしたので、第2回 視察ツアーも期待されていますね。」、「ずっと行ってみたかったお茶の水メディカルカフェに参加させていただき本当にありがとうございました。多くの人 の、さまざまな体験や、思いが、他人のために進化した形であちらこちらに浮かんでいるので、結果的に非常に内容が濃く、充実したcommunityが形成されていると感じました。素晴らしいです。」などのコメントを頂いた。某テレビ局の報道ニュース番組の為の取材もあった。

筆者は、順天堂をはじめ、多くの医療機関があり、多数の患者が集まるお茶の水で「お茶の水 メディカルタウン」の実現を夢見る。「メディカルタウン」の喫茶店で、「がん哲学外来」を行い、患者さんと対話している姿が眼に浮かぶ。

日曜日の午後は、「東久留米 がん哲学外来 in メディカル・カフェ」であった。
多数の参加者であり「今日も大勢いらっしゃいましたね。久しぶりに来られた、― 御夫婦も雰囲気が変わったと言っておられました。」また、wifeに対して「ロンドン報告も編集が上手でビックリしました。ありがとうございました。カップケーキ美味しかったです。」との温かい感想が寄せられた。「がん哲学カフェ in UK & 緩和ケアの祖を訪ねる旅」は、「自分の身長が伸びた」思いである。

兎も角、2008年から始めた活動が地道に,細々と継続され、ここまで、発展するとは、人知を超えた、本当に不思議な思いである。
「私たちに対する計画がすべて実現する―――、様々の問題や困難に直面した時も喜ぶことができます。それは忍耐を学ぶのに役立つからです。忍耐によって、私たちの人格は筋金入りにされ、―――、強く、何ものにも動じなくなるのです。そうなった時、どんなことが起ころうと失望落胆せず、また、万事が益であるとわかります。」〈ローマ人への手紙 5章2~5節〉を、最近、さりげなく、しかし、強く、心に感ずる。

「病室に残された詩」と「慈しみ」(0047)

2014年04月04日 | 外来待合室
2つともとてもいい詩(言葉)と思いましたのでお節介ながら紹介いたします。

①病室に残された詩
大きなことを成しとげるために
力を与えてほしいと神に求めたのに
謙遜を学ぶようにと  弱さを授かった

より偉大なことができるようにと
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた

幸せになろうとして 富みを求めたのに
賢明であるようにと  貧困を授かった

世の中の人々の賞賛を得ようとして
成功を求めたのに
得意にならないようにと  失敗を授かった

人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにと
いのちを授かった

求めたものは一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた

神の意に添わぬ者であるにもかかわらず
心の中で言い表せないものは すべて叶えられた

私はあらゆる人の中で 
もっとも豊かに祝福されていたのだ

       ニューヨーク州立大学病院の壁の落書きより


②慈しみ
一切の生きとし生けるものは
幸福であれ 安穏であれ 安楽であれ
一切の生きとし生けるものは幸いであれ

何人も他人を欺いてはならない
たといどこにあっても他人を軽んじてはいけない
互いに他人に苦痛を与えることを望んではいけない

この慈しみの心づかいをしっかりとたもて

東方学院院長 中村 元 譯
(オリジナル:ブッダの言葉・スッタニパータ 8慈しみ)



がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。