新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・50(0086)

2015年02月26日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.2.22配信)
第99回「がん哲学学校」
「チーム医療 & がん教育」~『浜松モデル』&『岩手モデル』の時代到来~

先週、「第19回 乳がん市民公開講座:こころの処方せん」(アクトシテイ浜松コングレスセンター)で、基調講演「いい覚悟で生きる~がん哲学外来の処方箋~」をする機会が 与えられた。専門家のパネリストによるパネルデイスカッション「あなたの疑問に答えます」の「純度の高い専門性と社会的包容力」には、大いに感激した。会 場は、多数の聴講者があり、大盛況であった。「先生の言葉に励まされたという患者さんがたくさんおられました。」、「実に結構な講話で、達人の域に達していると思いました。」、「哲学の哲学たることがよくわかる良いお話でした。本は50冊完売しました。」、「是非、また、浜松にお迎えして、『がん哲学外来』 『カフェ』が開催できるよう動いてみます。」と、早速、数々の激励のメールを頂いた。「患者の全ての必要に答える=医療維新」に向けての『チーム医療の浜松モデル』の時代的到来の予感がした。何故か、浜松駅出口に設置されたニューモア感のある徳川家康の姿が心に残った。

週末の土曜日(2015年2月21日)『文科省科学研究費新学術領域研究「がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動」』の『青少年・市民公開講座:「高校生キャンサーセミナー」』が岩手医科大学で主催された(岩手医科大学 矢巾キャンパス)。筆者は、委員長の石川冬木先生(京都大学教授)より、『がん支援「青少年・市民公開講座」委員会を代表して参加』するようにとの依頼もあり、「がん哲学学校~人生の version up の邂逅~」で招待講演をする機会が与えられた。岩手県内の複数の高校から1年~2年 生の多数の参加があり、「がんに関する基礎講義、招待講演、体験セミナー(内視鏡手術体験、エネルギーデバイス体験、消化管内視鏡体験、超音波検査体験、 全身麻酔シミュレーター体験、病理検査実習、抗がん剤調剤実習)、がんワークショップ」と、大変充実した一時であった。高校生の真剣な眼差しには、大いに 感動した。今後の「日本国の健康教育のモデル」になる予感がした。まさに、『がん教育の岩手モデル』となろう。

参加者の高校生からは『偉大なるお節介症候群』認定証の希望があり授与した。将来の人生の心得となれば望外の喜びである。まさに、「人生の version up の邂逅」である。雪におおわれた岩手山、盛岡の新渡戸稲造は泰然と雄大である。

がん哲学校たより・49(0085)

2015年02月13日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.2.7配信)
第97回「がん哲学学校」
「特報首都圏~広がる“がん哲学”とは?」~「自分のoriginalで流行を作れ!」

文 科省科学研究費補助金新学術領域研究「がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動」主催の「個体レベルでのがん研究支援活動」ワークショップ「個体レベルで の癌研究の新展開~細胞の可塑性と発がん~」(琵琶湖ホテルに於いて)に参加し、『がんのリスク予知と治療への新しい転換~「中皮腫」の革新的治療薬の開 発~』を発表する機会が与えられた。日進月歩のがん研究の「純度の高い」多数の講演を聴き、本当に新鮮な学びの一時であった。日々勉強である。

新幹線での帰京中、NHKテレビ番組「特報首都圏~広がる“がん哲学”とは?」が放映(7:30~7:55 pm)されたようである。帰京したら、多数のコメント・感想が寄せられていた。驚きである。スタジオには、柳田邦男氏が出演されていたとのことである。『すご~い。テレビ、今、見ました。みなさんが画面に吸いつけられたと思います。「がん哲学外来」、良くぞここまで。』、『樋野先生が創った「がん哲学」が新しい日本語として認知されました。と言う意味でも歴史的な価値があります。柳田先生も樋野先生のことを綺麗な表現で評価されました。』、柳田邦男氏による「樋野先生が大学時代から医療以外の沢山の著書を読んで深い教養を身に着けておられた故での結実としてのがん哲学である。医師が専門化として病気は見るだけではなく、全体としての人を見る必要があること。」とのコメントがあったとのことである。本当に涙なくして語れない!

土曜日の午後は、病理学の恩師である北川知行先生の主催のUICC世界対がんデー2015公開シンポジウム『小学生のがん教育を考える』(がん研究所 吉田富三記念講堂に於いて)に参加する機会が与えられた。人生の師である菅野晴夫先生から、『昨日のNHKテレビを見た』を言われ、大変嬉しかった。琵琶湖シンポで一緒であった先生達からは、「先生の活動を通して、先生の背中を見ていると、研究成果に一喜一憂している自分がとてもちっぽけに感じます。」、『樋野先生の「がん哲学」。家族性腫瘍、中皮腫のお仕事、がん哲学外来。検査、治療薬の開発のみならず、患者さんの人生にも寄り添える先生は、すばらしいと思います。』と大いに励まさせた。まさに、若き日に、菅野晴夫先生から教わった:吉田富三の精神「自分のoriginalで流行を作れ!」の実践でもある。

がん哲学校たより・48(0084)

2015年02月01日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.2.1配信)
第96回「がん哲学学校」
がん哲学外来の遺物~『水の辺りに植えたる樹』~

先週は、厚労省の『B型肝炎創薬実用化等研究事業』と『肝炎等克服緊急対策研究事業』の、両方の評価委員会に出席する機会が与えられた。レベルの高い、日進月歩の研究成果を聞き、日々勉強である。まさに、『肝炎研究10カ年戦略』である。今後は、政策的な研究(厚労省)と研究開発{「日本医療開発推進機構(AMED)」}に、再編成されることであろう。『アスベスト・中皮腫』対策も、国家戦略(読売新聞『論点』、2013年2月21日付け)で、国の責任を認定した2014年10月9日の最高裁判決に基づいて、国の政策として研究『診断・治療法の確立』を推進・支援して頂きたいものである(日本経済新聞 2014年10月11日付け)。これこそが、日本国の次世代のアジア貢献『環境発がん予防・治療』となろう。

筆者は、『THINK NOW ハンセン病~グローバル・アピール 2015~』の世界大会『~ハンセン病患者と回復者に対する社会的差別の撤廃に向けて~』(東京)に参加する機会が与えられた。来月、国立療養所長島愛生園での、『神谷美恵子生誕100年/神谷美恵子記念 がん哲学外来カフェ 発足2周年 読書感想文コンクール』の表彰式を兼ねて、『神谷美恵子記念 がん哲学学校 in 長島:愛カフェ』が企画されている。不登校児5人と行った『愛カフェ』も、3年目となる。

週末の午後、『がん哲学外来&メディカル・カフェ in リブドゥコーポレーション TOKYO』(中野坂上に於いて)が開催された。筆者は、『特別地域公開講座:なすべきことを成そうとする愛~いい覚悟で生きる~』で講演する機会が与えられた。快晴の東京のビル16 F からの眺めは、最高であり、患者も、さぞ心が癒されたことであろう。今後、定期的に開催されることが、決定された。これこそ、『オムツ』の会社の社会貢献であり、寝たきりの患者にとって、『オムツ』が、如何に大切かは、今から 45年前、5年間寝たきりの祖父を、自宅で介護した母(92歳)の姿を見て育った筆者にとっては、身に迫るものがある。「Svenson(カツラ)・資生堂(化粧)・Livedo(オムツ)」は、まさに、『美容哲学』の実践の場である。日曜日の午後は、定例の『読書会』である、今回は、『後世への最大遺物』(内村鑑三 著)である。『利益ばかりあって害のない遺物=勇ましき高尚なる生涯』は、『がん哲学外来=水の辺りに植えたる樹』で具現化されよう。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。