新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・69(0107)

2015年08月30日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.8.30配信)

第126回「がん哲学学校」

「聴衆の千の瞳」~「講師の純真なる魂」~

第30回発癌病理研究会(2泊3日:小豆島に於いて;香川大学医学部腫瘍病理学 主催)に参加した。本研究会は、毎年、場所を変えて、リゾートホテルで、開催され、全国の発癌病理研究者が集い、切磋琢磨している。思えば、筆者は、アメリカのPhiladelphiaから帰国した1991年から毎年参加している。「山極勝三郎・吉田富三・Knudsonの癌学事始め」の「温故創新」の日々勉強である、来年は、筆者が、信州松代で主催することになっている。9月2日は、娘の結婚式を兼ねて、93歳の恩師Knudsonのお見舞いにPhiladelphiaに参上する予定である。

筆者の研究室からも他に3人参加し、2日目の午後の自由時間には、4人で、小豆島を散策した。筆者にとっては、初めての小豆島訪問である。「二十四の瞳 映画村」をたずねて、『二十四の瞳』の映画を鑑賞した。涙なくして語れない! 「壺井栄 文学館」で、改めて、『二十四の瞳』(壺井栄著)の本を購入し、拝読し、内容を確認した。「12名x2=二十四の瞳」と共に「教師の純真なる魂」である。教師の何たるかの深い学びでもあった。他にも、寒霞渓ロープウエイ、小豆島オアリーブ公園、天使の散歩道などを散策し、楽しい有意義な一時であった。今回の小豆島の研究会は、筆者にとっては、忘れ得ぬ人生の良き想い出となった。

週末の土曜日の午後、第34回由利本荘・にかほ市民医学講座(共催:由利本荘医師会・由利本荘市・にかほ市、後援:秋田県医師会・由利地域振興局福祉環境部; 由利本荘市文化交流センターにおいて)が、開催された。由利本荘市も、初めての訪問である。由利組合総合病院 がん相談支援センターの専従相談員(看護主任)の素晴らしい基調講演「一人で悩んでいませんか?~おはなしできる場所があなたのそばにあります~」に、続いて、筆者は、60分間の特別講演「がん哲学外来~言葉の処方箋~」の機会が与えられた。会場は、市民・医療従事者で、500人を超える聴衆があり、皆様、真剣な眼差しで、耳を傾けて下さっていた。大いに感動した。まさに、「500名x2=千の瞳」であり、講演者にとても「純真なる魂」で、全力投球である。会場では、『いい覚悟で生きる』(小学館)と『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)を持参された複数の方に、サインをするという嬉しいハプニングがあった。

8月例会の様子です(0107)

2015年08月28日 | 集まりの様子



8月例会は22日(土)に行いました。今回は、新たながん患者さんお二人をお迎えして体験談を中心に伺い、その後、例によって出席メンバー間の自由討議というか、近況とか感想とか雑談とかの時間となりました。

お二人のうち、女性の方は、8年ほど前の突然の宣告とその後の治療など、がん治療は日進月歩といいますが、当時のはばかるような治療の雰囲気などをお話になりました。今は元気になられ、生かされた感謝の心を大切にし、職業経験を生かした企業向けメンタルヘルス講座などをお持ちで社会的に活躍されています。

もう一人の方は、72歳の男性で、肺がんを切除した後の抗がん剤治療を中止されていて、その決断の様子などのお話をされました。この方は経営の神様、松下幸之助の直弟子で、その貴重な体験を伝えるべく招かれて企業の講演などをされています。とてもお元気でした。

6月例会の様子です(0107)

2015年08月28日 | 集まりの様子



掲載が大変遅くなりました。謹んでお詫びいたします。
6/20に行った6月例会は、初めての企画ですが、コアメンバーの中に健康棒楽々マッサージ、ストレッチという健康法を札幌を中心に啓蒙活動をしている、札幌・ハーモニー気功会の代表の方がいて、健康棒ストレッチの実技をお願いしました。

男子メンバーは恐れをなして雲隠れ?したのか、女性メンバー中心の会となりました。代表直々の指導ですが、普段、体を動かしていない面々にとって、最初は苦行?でしたが、そのうち健康棒の扱いに慣れてくると、体もスムーズに動くようになりました。で、この健康法、棒(太さ2㎝×長さ3種類・標準40㎝)と説明パンフさえあればどこでも出来て効果抜群という優れものであることがわかりました。旅行用には15㎝ぐらいの短い健康棒をあり、このへん、よく考えられていると思いました。で、効果抜群というのは嘘ではなく、腰痛持ちの私自身が崑崙という足首の外側の部分を健康棒で上下にすりつけた後で、腰がふっと楽になった体験をもろにしたという実証つきのお話です。

この健康法は体のつぼを刺激するという方法で「健康棒マッサージとは棒一本で全身の気・血・水の流れを調整し、体調を改善するとても楽しい健康法です。叩く、擦る、押す、引っ張る、転がす。いつでもどこでも使えます」という説明がパンフにあります。入院中の病室とか、療養中の自宅など、たたみ一畳ほどのスペースがあれば十分可能ですので是非やってみてはいかがでしょうか。

連絡先:札幌・ハーモニー気功会 代表 小山内和子さん
064-0912 札幌市中央区南12条西17丁目4-8
011-522-1544 (TELL & FAX )

がん哲学校たより・68(0106)

2015年08月24日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.8.23配信)
第125回「がん哲学学校」
「温かい他人を求める」~「社会への贈り物」~

第1回「メディカル・ビレッジ 構想運営委員会」(代表:筆者)が、開催された。現在、人口 約 50人の島根県の鵜峠(隣りは鷺浦、鵜峠+鷺浦=鵜鷺)で、生まれた筆者にとって、長年の夢の実現に向けての第一歩である。「医療の協働体」は、人類の進 むべき道であろう。「冷たい親族に悩むのではなく、温かい他人を求める」のは、まさに「八方塞がりでも、天は開いている」状況である。今秋、キックオフ シンポジウムが、都内で企画さている。歴史的大事業である。

<文部科学省 新学術領域研究>「がん支援」総括支援活動班 がん支援: 生命科学系3分野合同シンポジウム(一橋講堂 学術総合センター)に参加した。がん研究は、日進月歩である。本当に、日々勉強である。「純度の高い専門性と社会的包容力」の堅持は、がん学者の「道義的な責任」であり、使命でもあろう。

特 別講演「がん教育~丁寧な大局観~」(サクラファインテックジャパンに於いて)の機会が与えられた。大学生を含め、多数の聴講者があり、会場は盛況であっ た。「風貌を診て、心まで診る」は、「マクロからミクロ、ミクロからマクロ」であり、「森を見て、木の皮まで見る」心得であり、病理解剖・顕微鏡診断に従 事している病理学者の「社会への贈り物」であると感ずるこの頃である。

週末の午後、「東村山 がん哲学外来メディカル・カフェ」1周年記念会(東村山サンパルネ・コンベンションホールに於いて)が、東村山市の後援で、開催された。東村山市 健康福祉部の職員の方の来賓挨拶に続き、筆者は、特別講演「がん哲学外来 いい覚悟で生きる~愉快に過激に品性をもって~」をする機会を与えられた。音楽演奏もあり、会場は、がん患者、医療従事者、市民、学生と多種の参加者で埋まり、主催者の企画力・胆力には、ただただ、感服した。

毎日新聞、読売新聞に続いて、日経新聞(2015年8月22日朝刊)、朝日新聞(2015年8月23日朝刊)に、『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)の広告が大きく掲載されていた。忽ち3刷りとのことである。「アマゾン-カテゴリ 死生観」も、ベストセラー1位が、続いているとのことである。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。