新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

樋野先生出演テレビ番組(再放送)のお知らせ

2014年09月30日 | お知らせ
以下の番組再放送がありますのでお知らせいたします。
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がん哲学外来
それは言葉の処方箋   
30分枠放送

ナレーター:矢島正明
制作:日本テレビ

再放送: BS日テレ 10月12日(日)11:00~



がんに冒されても前向きに生きる…その力を与えてくれたのは手術や薬ではなく、“言葉の処方箋”だった。順天堂大学の病理学研究者・樋野興夫教授(60)が取り組む新たな医療…「がん哲学外来」。患者との対話を通じ、人生を生き抜くための言葉を処方する試みだ。命のタイムリミットが予期せず告げられたとき、人はいかに生きたらいいのか。その問いに応える言葉の力とは?胃がんが再発した男性(55)は「がん哲学外来」での樋野教授の言葉に後押しされ、プロの役者による朗読会を企画した。がんと闘う仲間に贈るためだ。ところが今年5月、中山さんは夢半ばで亡くなる。朗読会は、その遺志を継いだ妻や仲間が開催することになった。がん患者の心を癒す命の対話と、朗読会までの足跡を追った。


樋野先生からメディカル・カフェの紹介です(0070)

2014年09月30日 | 樋野先生からのメッセージ
第3回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」2014/09/29

今や日本では2人に1人は癌(がん)になる時代。80万人が1年間に癌になる。そのうち50%は治る時代。日本の癌サバイバーは500万人とも言われている。2008年から始まり、現在「メディカル・カフェ」が開かれているのは全国で約60ヶ所。

「誰でも分け隔てなく癌(がん)になる可能性がある」という意味で「平等」でありますが、その「平等の出来事(癌)にいかに反応」するかは、各自の「自由意思」。その「自由意思の在り方」を学ぶのがメディカル・カフェ☆日々勉強、訓練☆
病 める時も健やかなる時も気にかけ、「最後まで見捨てず見守ってくれる人」がいる人は幸せ☆そのような人は、「たとえ明日死ぬとしても花に水をあげる」心の 豊かさがあることでしょう。「がん哲学外来 メディカル・カフェ」では、そのような心の豊かさや、あるべき人間関係をいかにしたらしたら身につけることが できるのかを学べます。「最後までどんなことがあっても見捨てずに寄り添う文化をつくる」ことが大切です☆特に教会にはその使命があります。「自分の生 涯」を「世への贈り物」としてささげることが大切です。

こ のような時代に順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座教授、医学博士であり、一般社団法人がん哲学外来理事長の樋野興夫先生を通して9月28日 (日)15:30~17:30に第3回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」が行われました。内外から60名以上の方々が足を運んでくださいま した☆この日は、大きな集会が3つほど同時進行でおこなわれる中でしたが、みなさんの関心の高さを再確認することができました。
毎回、大切な真理を分かりやすく、和やかなうちにお語り下さるので、一人ひとりの心の奥深く、体の隅々まで「ことばの薬(真理)」が浸み渡っていくのを感じます。
今回も、樋野先生を通して「心に響く言葉の処方箋」をたくさん頂きました☆
たとえば・・・
「予定、希望、目標を持つ大切さ」
「『日間(ひま)』があれば、光が差し込む」
「人間の魅力は意外性にある」
「勝海舟の『妥協のない純粋な自由』~やるだけのことはやって、あとは心の中でそっと心配☆」
「理想のリーダーとは?」
「癌は解決し(直せ)ないが、悩んでいることの一つぐらいは解消できる。メディカル・カフェのような場所が、全国で7千ヶ所必要。1万5千人の人口に一ヶ所。」
「人間は生きているように死ぬ」
「何を学んだかを全て忘れた後に残るものが教育」
「癌患者の手帳には、今まで予定がたくさん入っていた方でも病院の予定しか入っていないことが多い。メディカル・カフェがあれば、楽しい予定を書き込める☆」
「尊敬できる人物との出会い」
「30年後に起こることを明日実現するかの如く語る」
「向上心のある虫~空の上から自分のすみかを見る」
「森を見て木の皮を見る」
「30分間、顔が見られる距離で、沈黙の世界を過ごし、お互いに苦痛を感じない人間関係になっているか?」
「品性の完成を目指して」
「何事も、『気楽に』『きよく』『心地良く』すると心が豊かになる」
「良い目立ちたがり屋(人のため)」
「矢内原忠雄や新渡戸稲造の志」
「一人のために」
などのお話を伺いました。興味のある方は次回是非ご参加ください☆

他にも素晴らしい講話をたくさん伺いました☆
そ の中でも特に印象に残っているのは、「ダブルメジャー(衣食住のための職業と、自分の役割と使命に燃えるライフワーク)の必要性」と「日本肝臓論」と「健 全な人間関係(同心円ではなく、楕円形)」と「各自が耐えられる範囲で苦しみが与えられるので、忍耐をもって耐え、品性を磨く。練られた品性は希望を生み 出す。」などのお話でした!感謝します!

<参加者の声>
・普段は顔を合わす程度でお互いに知ることはなかったが、お茶を飲んで何げないことを話してるうちに、ほわ~んと心が暖かくなりました。「日間」がすごく心地良かったです。
・毎回楽しみにしています。次回も期待しています。(近所の方複数)
・初めて来ました。樋野先生の話でいくつかの悩みが「解消」しました!
・癌ではないが、心に傷をもっており、樋野先生の話に慰められました。
・今日はじめて出会いましたが、涙を流しながらお互いに励まし合えました。次回も来ます。
・友人が癌で悩んでいるので、どんなものなのかまず自分で知るために今日は来ました。カウンセリングもありますし、次回は友人と一緒に来ます。
・初めて参加しました。がん細胞の難しい話をされるのかと思ったら、良き人間関係の分かりやすいお話ばかりでビックリしました!楽しかったし、勉強になりました!次回も参加して人間を磨きたいです!
・男だけのグループでしたが、良き交わりの時をもてました。
・日々勉強。訓練。次回も楽しみです!
・お菓子と美味しいコーヒーを食しながら気軽にお話できるこのような機会がうれしい☆
   

がん哲学校たより・37(0069)

2014年09月01日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2014.8.31配信)
第74回「がん哲学学校」
教養ある人間~新渡戸稲造・南原繁の伝統~

週末の土曜日の午後、南原繁研究会 研究発表会(学士会館に於いて)に出席した。大変、内容の充実した、学びの時であった。特に、加藤節先生(成蹊大学名誉教授)の「『国家と宗教―』の岩波文庫化をめぐって」は、大いに、勉強になった。「『国家と宗教―』の現代的な意味、『国家と宗教―』の内容的な特質」を学んだ。今年は、南原繁(1889年- 1974年)の没40周年でもある。筆者は、「閉会挨拶」を述べる機会が与えられ、少し「南原繁の現代的意義」に触れた。

南原繁は、「クリスチャン・歌人・政治哲学者・大学人・オピニオンリーダー」という多面体で、且つ、「反時代的知識人」を貫いた人物であり、「同じ背景」を持ちながら、西田 幾多郎(1870年- 1945年)、田辺 元(1885年- 1962年)、和辻 哲郎(1889年- 1960年)らの「妥協的な性格」、「現実的宥和」とは、一線を置く対比と、人間には、「仕方がないとは言えない」根拠を深く学んだ。

南 原繁は、カントに倣い、宗教を表に出さず、学問において、「それぞれの科目を通して、そこで、本当の真理を教える」教育者であり、「理念を持って現実に向 かい、現実の中に理念」を問う人材の育成を目指すものである。まさに、新渡戸稲造の伝統の「賢明な寛容」であり、「目的は高い理想に置き、それに到達する 道は臨機応変に取るべし」(新渡戸稲造)である。『教養ある人間とは、「自分のあらゆる行動に普遍性の烙印を押すこと」であり、「自己の特殊性を放棄して 普遍的な原則に従って行為する人間」のことである。それは人間の直接的な衝動や熱情によって行動する代りに、つねに理論的な態度をとるように訓練されるこ とである。』{南原繁著作集第3巻より}。日々訓練である。

ニューヨークの国連本部の前の石の壁にも刻まれている「彼らはその剣を鋤に、その槍をかまに打ち直し、国は国に向かって剣を上げず、二度と戦いのことを習わない。」(ミカ章4章3節)が、甦る日々である。今から、いわき市(いわき産業創造館に於いて)での高校生を対象とした、市民公開講座「2人に1人はがんになる時代 未来のために がん予防」に赴く。筆者に与えられたタイトルは「がん哲学、ニューモアにあふれ、心優しく、俯瞰的な大局観」である。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。