新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・59(0096)

2015年04月28日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.4.26配信)
第108回「がん哲学学校」
「永遠の青年・日野原重明」~ おゝ 日本人中の日本人よ!~

神戸薬科大 薬学臨床教育センター主催の、「がん哲学学校 in 神戸」メディカル・カフェに、招待された。大変、充実した一時であった。今後、定期的に開催されるとのことである。将来の薬剤師の「対話学」の貴重な実践の場となろう。

第4回「池袋がん哲学外来・帰宅中カフェ」(Svenson 池袋サロンに於いて、6:00~8:00 pm)が開催された。1日の働きを終えて、お茶を飲みながら、一時を過ごすことは、人間にとって、安らぎとなろう。今回は、ラジオNIKKEI 『樋野興夫の「がん哲学学校」』 (毎月第1日曜日9:00~9:30 pm) の公開収録であった。

2009 年から、月 1 回、開催されている「吉田富三記念 福島がん哲学外来」(福島県立医科大学附属病院 臨床腫瘍センターに於いて)に赴いた。既に、6年目に入った。何百人のがん患者・家族と、スターバックスのお茶を飲みながらの 1 組1時間の「対話」は、今や、「日本国の新しいモデル」として発展して来ているようである。今後、偶数月は、終了後は「ピアサポートサロン ひかり」(1:00~3:00 pm)に、ジョイントすることになった。「福島モデル」事業として、定着し、年 1 回は、市民公開シンポが、企画・開催されることである。

週末の土曜日、早稲田大学オープンカレッジ(中野校)で、公開講座「がんと生きる哲学」が開講された。多くの受講者と『がん哲学』(EDITEX社)を朗読し、様々な質問を受けながら、楽しい会話の一時であった。その後、『<がん哲学外来> お茶の水メディカル・カフェ in OCC』に向かった。これは、月 1 回の開催で、今回は、35 回であった。3 周年記念を迎える。継続の大切さを、しみじみと肌で、感ずる今日この頃である。「器」の用意は、人間の務めであろう。

神戸に向かう新幹線で、偶然にも、104 歳の日野原重明先生に、お逢いした。5月9日は、第1回記念講演会『“がん哲学外来”とは』(聖路加国際大学)で、日野原先生と講演する機会が与えられている。賀川豊彦の詩「永遠の青年・新渡戸稲造」が脳裏に浮かんだ。『年経つと共に 彼の名は 花園の薫の如く 日本に愛せらるゝであらう 徳愛の人 ― 日本人 おゝ 日本人中の日本人よ!』






がん哲学校たより・58(0095)

2015年04月28日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.4.21配信)
第107回「がん哲学学校」

「夕暮れ時に、光がある」~ジェラシーが生まれな、異分野の交流~

市立砺波総合病院(冨山県)創立記念講演会で、講演「がん哲学外来~思いやりのある、人生を位置づける 処方箋~」をする機会が与えられた。石川県、長野県からの参加もあった。驚きである。早速、『会場は満席どころか、椅子が足りなくなって係りの方は大変な様子でしたね。「がん哲学外来」に多大な関心を寄せていただいていることが良く分かりました。』、「今日も涙なしではおれませんでした。会場がこんなにいっぱいになるのはとってもとっても珍しく、やはり 関心があること、そしてもちろん先生のお話を聞きたいたくさんの人が集まった、素直な現状と思いました。」、『「がん哲学」の言葉を造られただけでなく、 実際に「がん哲学外来」を実践されている先生ご自身によるご講演でしたので、病院職員の関心も極めて高く、講堂からあふれるくらいの職員が聴講に来ておりました。』、『先日の「砺波病院」でも熱意溢れる講演会場でしたね。』等の、コメントが寄 せられた。今後、看護師さんを中心に「チューリップがん哲学外来in 砺波」の開催が決定された。チューリップで有名な、砺波の地で「がん哲学」の火を灯される予感がする貴重な時となった。

週末の午後、「認知症の施設:東中野キングス・ガーデン」で、開設記念講演「がん哲学外来~夕暮れ時に、光がある~」をする機会が与えられた。まさに,人 間、いかなる境遇にかかわらず、「夕暮れ時に、光がある」(ゼカリヤ書14章7節)である。会場は、満席であった。今後、「がん哲学外来ナース部会」の看 護師を中心に、市民を含めたカフェが、定期的に、開催されることであろう。

日曜日(4月19日)の午後、札幌グランドホテルで、『新渡戸稲造「武士道」出版115周年記念シンポジウム「新渡戸稲造とがん哲学外来~純度の高い専門 性と社会的包容力~」をする機会が与えられた。講演後、インタビューもあり、会場は、満員であった。「お互いに、ジェラシーが生まれない、異分野の交流」の 大切さを述べた。今後、定期的に、年一回、地元の有志による、「新渡戸稲造シンポジウム」の開催が、講演後の懇親会で決定された。来年は、「札幌農学校開校140周年」である。「21世紀の遠友夜学校」の時代到来でもある。また、第3期目の「新渡戸・南原賞」の新展開についても、大いに話が盛り上がった。

樋野先生札幌講演会が開催されました(0096)

2015年04月28日 | 集まりの様子
受付の様子 (写真はクリックすると拡大します)

講演会の様子

インタビューの様子

会場質問の様子

樋野先生最新刊 サイン会・販売会の様子

4月19日(土)午後からサポログランドホテルで樋野先生札幌講演会がスヴェンソン札幌サロン札幌がん哲学外来メディカルカフェと新渡戸稲造記念さっぽろがん哲学外来という札幌にある2つのがん哲学外来の主催で開催されました。

今回の講演会は、「新渡戸稲造武士道出版115周年記念シンポジューム 新渡戸稲造とがん哲学外来(純度の高い専門性と社会的包容力)」と銘打った、講演内容のイメージがなかなかに掴めないものでして、実は主催する方も説明が難しいというものですが、蓋を開けてみると80名を越える皆さんの参加がありまして、普段は15~20名程度で例会を開いているものとしては大盛況の講演会となりました。

会は①樋野先生の講演(言葉の処方箋、死ぬという大切な仕事が残っているなど)②フリーライター北室かず子さんとのインタビュー、③樋野先生最新刊のサイン会即売会という流れで進みましたが、インタビューで樋野先生のがん哲学への想いがさらに熱く伝わり、最後のサイン会即売会が参加の皆さんと樋野先生との間の予期せぬ「一言二言がん哲外来」となり、普通の講演会にはない心の交流ができたかな、と感じました。最新刊も用意した50冊が完売しさらに予備の4冊を合わせて54冊ほど求めていただくという盛況でした。
受付時に配布、回収した小アンケートには以下のようなコメントを頂き、こういう大きな講演会を初めて主催した関係者一同、ほっと胸をなで下ろしました。

・ユーモアを交えながらの深い広いお話しにあたたかな気持ちと希望を感じました。ありがとうございました。感謝!!

・以来9年間元気に過ごしています。この間、多くのセミナー、がんサロン等に出席しました。しかし今日のお話で、あらためて生き方、言葉の力を教えられました。ありがとう。(がんサバイバー82歳の方)

・突然ご友人ががんになられ、手術、抗がん剤中の方~慰めの言葉がみつからないと思う事が多く、本日先生のお話を聞きに参りました。本を求め差し上げたいと思います。

・樋野先生のお話はとても楽しく勉強になるお話しでした。先生の言葉が処方箋のようで、救われることが多かったです。「死」という大切な仕事は自分にとっても心に響きました。ありがとうございました。

・心に沁みる言葉をきいて本を読んでみたいと思いました。今の心に何か光が届くような気がします。有難うございました。

4月例会を開きました(0095)

2015年04月28日 | 集まりの様子
講演の様子です。(写真はクリックすると拡大します)
茶碗のレクチャー

出前のお点前

4月18日(土)、今年2回目の例会を開きました。今回はお茶の話ということで、札幌で「お茶と絃を心でむすぶ」活動をされている茶心伝道師原芳易さん他2名においで頂き、おもてなしに代表される和の心を裏千家のお茶と薩摩琵琶で茶心や和の音楽を堪能させて頂きました。

がん哲学外来がどうしてお茶を、ということですが、まあ、たまにはお茶する?というリラックスする気持ちで茶心についての講演をお願いしたということですが、やはりそこは裏千家の茶道、和敬清寂の心得をベースにした穏やかな気持ちを学ぶことが出来ました。ちなみに和敬清寂とは「和して流れず、敬してへつらわず、清くして潔く、寂にしてかまびすしからざれ」という意味であります。

で、講師の原芳易さんの真骨頂はおもてなしのパフォーマンスで、お話の時は同行の琵琶演奏者の方が話の邪魔にならない程度の小さな音で琵琶を演奏したり、派手?なディスプレーとともに和服の女性の裏働きに支えられたお点前の出前、という思いも寄らない展開になりました。何故出前のお点前をするかということ、茶室に来てくれればお茶を立ててあげても良いという、お茶のもつ敷居の高さをなくしたかったという説明がありまして、このあたりにわれわれがん哲のモットーである偉大なるお節介に通じるものがあるぞ、と思った次第です。

今回は茶心伝道師原芳易さん他2名の方のサービスでゴージャスなおもてなしを受ける、という今までにない展開の例会となりました。あと、琵琶の演奏で平家物語のさわりの部分を聞かせていただくという得がたい体験もすることができました。茶心伝道師原芳易さん一派に改めて感謝です。ありがとうございました。
写真で当日の茶心伝道パフォーマンスのあでやかさをご覧下さい。

がん哲学校たより・57(0094)

2015年04月28日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.4.12配信)

第106回「がん哲学学校」
【美容哲学】~「ここに、私がおります。私を遣わしてください」~

先週 (月曜日) 、International School (CAJ) の高校生 10名 と担任の先生が、順天堂大の筆者の教室(病理・腫瘍学講座)に、見学・実習に来られた。この、授業は、今や、恒例になっている。毎年、この時期に、訪問されている。早速、「My students and I enjoyed learning about cancer biology and many new things, as well as the activity they got to conduct. Students have told me that this was one of the best field trips that have gone, ――」を、はじめ、生徒さんからも、感想を頂いた。最近、話題になっている、「がん教育」のモデルとなろう。英語での、実習であるので、日本国の「国際教養」のあり方の参考ともなろう。

週末の土曜日、早稲田大学オープンカレッジ (中野校) で【人間の探求】ジャンル講座『がんと生きる哲学』をする機会が与えられた。聴講者は、医師・患者・市民であり、『がん細胞の世界から人間社会を語る=がん哲学』の意味・意義・真意について、学ばれたことであろう。その後、御茶の水での、市民公開シンポジウム『がん哲学外来の核心~あなたは、どこにいるのか~』(主催:Svenson 共催:資生堂)(御茶ノ水 ワテラスタワー)に向かった。外は、小雨の降る、肌寒い天候にもかかわらず、会場は、満席で、立ち見もあり、超満員であった。驚きでる。主催・共催者の熱意には感動した。まさに、【美容哲学】である。

基調講演では、「今、病院が変わる~がん哲学外来とともに~」(福井県済生会病院 外科主任部長・集学的がん診療センター長 宗本義則先生)、「ダブルメジャー ~私は今、ここに生きています~」(国立病院機構 名古屋医療センター 緩和ケア科医長 竹川茂先生) の純度の高い講演の後、医師、看護師、「がんサバイバー」、Svenson、資生堂の方々による、パネルデイスカッションが、企画された。聴衆も真剣に聞かれており、新鮮な充実した貴重な一時であった。

筆者は、【閉会挨拶】の機会が与えられた。人間に問われた最初の質問「あなたは、どこにいるのか」(創世記3章9節)のエピソードと、それに対する、人間の「ここに、私がおります。私を遣わしてください」(イザヤ書6章8節)の答えを、さりげなく、紹介した。日々勉強である。まさに「生涯書生」である。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。