新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

4月例会の様子です(0122)

2016年04月30日 | 集まりの様子

(写真の中でクリックすると大きくなります)

去る4/16(土)に今年2回目の例会を開きました。今回からは新しい会場になりまして、場所は札幌駅近くにある札幌ビジネススペースというビルの1フロアが数種類の大きさの貸し会議室の一つです。で、今回のテーマは「かかりつけ薬局」ということで、西区二十四軒にある二十四軒薬局の高市さんにお願いしました。

かかりつけの医者というのは昔からありますが、要はホームドクターというのでしょうか、ちょっと風邪を引いたとかお腹が痛いとか言う時に気軽に行けるクリニックという感じで、とても心強い、頼りになる存在ですが、薬の専門家である薬剤師も気楽に薬について相談できるように制度として成立したのがかかりつけ薬局ということだそうです。

大雑把に言って薬には、市販薬と医者が処方した処方薬の2つがあると思います。で、気楽に相談というと市販薬の相談ということでしょうが、処方薬についても、成分とか効果とか副作用とか、あるいは処方の意図(医者の見立て)とかを薬剤師から聞けるということは一種のセカンドオピニオンだと言えるので患者さんにとっては良いことだと思います。次回の診察の時かなんかに医者と見立てについての話し合いが出来るきっかけにもなるわけですし。

さて、高市さんのお話しは今回で2回目ですが、会の密かな楽しみに色々な試供品の説明と試飲などがあることです。今回も数種類の試供品の品評会?を行いまして、けっこう楽しかったです。もちろんコマーシャルでない本音の説明なので大いに役に立ちました。

がん哲学校たより (0121)

2016年04月30日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2016.4.18配信)
第159回「がん哲学学校」

『がん哲学外来の 心の持ち方 10ヶ条』
週末の午後、市民公開シンポジウム『がん哲学外来~純度の高い専門性と丁寧な大局観~』(品川プリンスホテルにおいて)が開催された(主催 スヴェンソン、共催:資生堂)。菊池峰子 アナウンサーの総合司会の下、兒玉義則(スヴェンソン社長)の開会挨拶で始まり、大西秀樹先生(埼玉医科大学国際医療センター精神科教授)の基調講演『がん患者さんと関わるために~私たちができること~』は、『心の診察』を行う精神腫瘍医の丁寧な実践であり、大変勉強になった。座長の安藤潔先生(東海大学医学部血液・腫瘍内科教授)の総括も、格調高いものであった。まさに、『純度の高い専門性と丁寧な大局観』であった。

第2部 パネルデイスカッション『純度の高い専門性~美容哲学~』は、パネリスト:コシノジュンコ氏、桐島洋子氏、里岡美津奈氏、澤田保子氏、コーデイネーター:秀村晃生先生(関東労災病院外科部長)、根岸ゆきえ氏と、豪華な顔ぶれで、大変充実した一時であった。筆者は、総括の機会が与えられた。『がん哲学外来へ ようこそ』(新潮新書発行)から抜粋された『がん哲学外来の 心の持ち方 10ヶ条』が、プログラムと一緒に配付されており、大いに感激した。

第1条:自分を心配するのは一日一時間でいい
第2条:「病気」であっても「病人」ではない
第3条:患者に必要なのは覚悟
第4条:夫は「心の冷たさ」に注意、妻は「余計なおせっかい」に用心
第5条:困難にある人の笑顔は、周囲を慰める
第6条:人生の目的は、品性を完成すること
第7条:がんは治療でしか「消え」ない
第8条:抗がん剤は、苦しかったらやめてもいい
第9条:冷たい医師にもいい医師がいる
第10条:人間は、最後の5年間が勝負

まさに、『あなたは そこにいるだけで 価値ある存在』(KADOKAWA発行)のシンポであった。会場は多数の参加者で埋まり、来年も継続されるであろう。


がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。