新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・49(0085)

2015年02月13日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.2.7配信)
第97回「がん哲学学校」
「特報首都圏~広がる“がん哲学”とは?」~「自分のoriginalで流行を作れ!」

文 科省科学研究費補助金新学術領域研究「がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動」主催の「個体レベルでのがん研究支援活動」ワークショップ「個体レベルで の癌研究の新展開~細胞の可塑性と発がん~」(琵琶湖ホテルに於いて)に参加し、『がんのリスク予知と治療への新しい転換~「中皮腫」の革新的治療薬の開 発~』を発表する機会が与えられた。日進月歩のがん研究の「純度の高い」多数の講演を聴き、本当に新鮮な学びの一時であった。日々勉強である。

新幹線での帰京中、NHKテレビ番組「特報首都圏~広がる“がん哲学”とは?」が放映(7:30~7:55 pm)されたようである。帰京したら、多数のコメント・感想が寄せられていた。驚きである。スタジオには、柳田邦男氏が出演されていたとのことである。『すご~い。テレビ、今、見ました。みなさんが画面に吸いつけられたと思います。「がん哲学外来」、良くぞここまで。』、『樋野先生が創った「がん哲学」が新しい日本語として認知されました。と言う意味でも歴史的な価値があります。柳田先生も樋野先生のことを綺麗な表現で評価されました。』、柳田邦男氏による「樋野先生が大学時代から医療以外の沢山の著書を読んで深い教養を身に着けておられた故での結実としてのがん哲学である。医師が専門化として病気は見るだけではなく、全体としての人を見る必要があること。」とのコメントがあったとのことである。本当に涙なくして語れない!

土曜日の午後は、病理学の恩師である北川知行先生の主催のUICC世界対がんデー2015公開シンポジウム『小学生のがん教育を考える』(がん研究所 吉田富三記念講堂に於いて)に参加する機会が与えられた。人生の師である菅野晴夫先生から、『昨日のNHKテレビを見た』を言われ、大変嬉しかった。琵琶湖シンポで一緒であった先生達からは、「先生の活動を通して、先生の背中を見ていると、研究成果に一喜一憂している自分がとてもちっぽけに感じます。」、『樋野先生の「がん哲学」。家族性腫瘍、中皮腫のお仕事、がん哲学外来。検査、治療薬の開発のみならず、患者さんの人生にも寄り添える先生は、すばらしいと思います。』と大いに励まさせた。まさに、若き日に、菅野晴夫先生から教わった:吉田富三の精神「自分のoriginalで流行を作れ!」の実践でもある。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。