新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・48(0084)

2015年02月01日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.2.1配信)
第96回「がん哲学学校」
がん哲学外来の遺物~『水の辺りに植えたる樹』~

先週は、厚労省の『B型肝炎創薬実用化等研究事業』と『肝炎等克服緊急対策研究事業』の、両方の評価委員会に出席する機会が与えられた。レベルの高い、日進月歩の研究成果を聞き、日々勉強である。まさに、『肝炎研究10カ年戦略』である。今後は、政策的な研究(厚労省)と研究開発{「日本医療開発推進機構(AMED)」}に、再編成されることであろう。『アスベスト・中皮腫』対策も、国家戦略(読売新聞『論点』、2013年2月21日付け)で、国の責任を認定した2014年10月9日の最高裁判決に基づいて、国の政策として研究『診断・治療法の確立』を推進・支援して頂きたいものである(日本経済新聞 2014年10月11日付け)。これこそが、日本国の次世代のアジア貢献『環境発がん予防・治療』となろう。

筆者は、『THINK NOW ハンセン病~グローバル・アピール 2015~』の世界大会『~ハンセン病患者と回復者に対する社会的差別の撤廃に向けて~』(東京)に参加する機会が与えられた。来月、国立療養所長島愛生園での、『神谷美恵子生誕100年/神谷美恵子記念 がん哲学外来カフェ 発足2周年 読書感想文コンクール』の表彰式を兼ねて、『神谷美恵子記念 がん哲学学校 in 長島:愛カフェ』が企画されている。不登校児5人と行った『愛カフェ』も、3年目となる。

週末の午後、『がん哲学外来&メディカル・カフェ in リブドゥコーポレーション TOKYO』(中野坂上に於いて)が開催された。筆者は、『特別地域公開講座:なすべきことを成そうとする愛~いい覚悟で生きる~』で講演する機会が与えられた。快晴の東京のビル16 F からの眺めは、最高であり、患者も、さぞ心が癒されたことであろう。今後、定期的に開催されることが、決定された。これこそ、『オムツ』の会社の社会貢献であり、寝たきりの患者にとって、『オムツ』が、如何に大切かは、今から 45年前、5年間寝たきりの祖父を、自宅で介護した母(92歳)の姿を見て育った筆者にとっては、身に迫るものがある。「Svenson(カツラ)・資生堂(化粧)・Livedo(オムツ)」は、まさに、『美容哲学』の実践の場である。日曜日の午後は、定例の『読書会』である、今回は、『後世への最大遺物』(内村鑑三 著)である。『利益ばかりあって害のない遺物=勇ましき高尚なる生涯』は、『がん哲学外来=水の辺りに植えたる樹』で具現化されよう。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。