新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・28(0057)

2014年06月06日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2014.6.1配信)

第61回「がん哲学学校」
「人生いばらの道、されど宴会」~ comprehensive idea ~

「春日部がん哲学外来&メディカルカフェ」開設1周年記念大会「限りある命をよりよく生きるために」(春日部市)に赴いた。筆者は、特別講演「天寿がんのススメ」をする機会が与えられた。多くの参加があり、充実した一時であった。

先週、第50回日本肝臓学会総会(東京)に参加した。肝癌のセッションの座長の機会が与えられ、最近の研究進捗状況に触れ、大いに学ぶ良い機会となった。

『Cancer Philosophy~Thinking ”Cancer Cells”Deeply』(英文)の著者校正が届き、アメリカ人の知人と恩師:菅野晴夫先生にさりげなく、原稿を送り読んで頂いた。早速、「This was truly fascinating -- I think I am beginning to understand now what you mean by "cancer philosophy". I do hope that many people can be stimulated to apply the truth learned from cancer cells to many areas of life. 」、「本日は、英文大著 ”Cancer Philosophy”のpreprint をいただきどうもありがとう。一見したところ cancer についての comprehensive idea の様にみえ、読むのが楽しみです。」、そして、後日タイプミス2箇所も指摘して下さり、「Cancer Philosophy、大変面白く読みました。多くの人が読んでくれると思います。」と、温かいコメントを頂いた。時間を割いて熟読して頂き、本当に、感謝である。

タイから、CCIT・職業性呼吸器疾患対策チームの7名の方が来日され、筆者は、「アスベスト・中皮腫」について、レクチャー(英語)をする機会が与えられた。レクチャーの後、皆で、御茶の水で夕食の時を持った。「環境発がん制御」の共同プロジェクトにも進展する予感がする。良きアジア貢献となることであろう。

週末、青山学院大学(相模原キャンパス/ウエスレー・チャペル)で、「人生いばらの道 に もかかわらず宴会」のタイトルで話す機会が与えられた。広いキャンパスの講堂は一杯で、熱心に聴き入る学生の姿・風貌に接し、大いに感動した。今日の午後 は,岐阜県立図書館で「人生いばらの道、されど宴会」の講演である。まさに、「悩む者には毎日が不吉の日であるが、心に楽しみのある人には毎日が宴会である。」(箴言 15章15節)の言葉の重みを実感する学びの日々である。

がん哲学校たより・27(0056)

2014年06月06日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2014.5.25配信)

第60回「がん哲学学校」
「リーダーの模範」~『われ Origin of Fire たらん』~

先週、「比較腫瘍学常陸宮賞」授賞式に出席する機会が与えられた。アメリカの Rochester 大学の研究者の「ハダカデバネズミのがん化抵抗性の機序」による功績に対して受賞が与えられた。長寿〔最長30年を超える〕で、がんの出来ないハダカデバネズミに関する受賞講演は、大変、新鮮な学びの時となった。

「清水次郎長 記念 がん哲学外来 & メディカルカフェ in 静岡」開設記念会で「がん哲学外来~賢明な寛容さ~」のタイトルで、講演する機会を与えられた。「リー ダーの模範」を改めて静思する時となった。清水次郎長は、山岡鉄舟に、「お前は子分が多いが、お前のために死ねる者は何人いる」と聞かれて、「一人もいな いかもしれません。でもわっしでしたら子分のために死ねます」と答えたとのことである。まことに、リーダーとしてのすがすがしい「胆力」であり、あらゆる 所で責任感の欠如が目立つ昨今、清水次郎長の「度量」が心にしみる(『われ21世紀の新渡戸とならん』35ページ参照)。「がん哲学外来 & メディカルカフェ」の心意気にも通じ「清水次郎長記念」の名称の意義でもあろう。

讀賣新聞記事が送られてきた「がん患者 交流のカフェ… 多摩で3年目
http://www.yomiuri.co.jp/local/tokyotama/news/20140520-OYTNT50602.html」(2014年5月21日付け)。早速、『多摩の記事は素晴らしい成果ですね。「灯を巻き起こす」機能は絶好調で、ご同慶に堪えません。』と、お褒めの言葉を頂いた。思えば、以前には、樋野興夫(Hino Okio=火のおきを!!)「origin of fire」のニックネームを与えて頂いた(『われ Origin of Fire たらん』4ページ参照)。

週末は、早稲田大学中野校のオープンカレッジ春期講座『がんと生きる哲学』での『がん哲学』の朗読会の後、定例の『<がん哲学外来> お茶の水メディカル・カフェ in OCC』に赴いた。会場は超満員であった。驚きである。早速、「チャリティの英国、ボランティアの米国。では、日本は? お互い様、助け合いの精神 (互助会などに見られる精神) の日本。その精神とポテンシャルを発掘し、がん哲学メディカルカフェを広めるべく神からの使命を受け、太平洋の架け橋とまでなられた樋野先生!」と、本当に、身に余る励ましのコメントが届いた。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。