新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・2(0017)

2013年11月17日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2013.11.17配信)
第33回「がん哲学学校」
「からし種=小さいものから始まり、鳥が宿るほどの大きな木に成長する」
先週、岡山大学病院 腫瘍センター・総合患者支援センター主催の「第2回 がん哲学外来 in 桃太郎 がんメディカルカフェ」に赴いた。医師・医療従事者・患者・家族によるカフェであり、県外からの見学者もあり、大変有意義な時であった。

夕方からは、街中で、「がん哲学外来 in 桃太郎カフェ」(岡山丸の内ヒルズ)が企画され参上した。今後、新しい試みとして、継続的に、展開される予感がする。「桃太郎の器量~リーダーの胆力~」(『われ21世紀の新渡戸とならん』36~37ページ参照:イーグレープ発行)を改めて静思した。翌朝は、医学部1年生に講義「臨床医学入門:がん哲学」の貴重な教育の場が与えられた。

筆者は、「文部科学省 がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン 近畿3拠点(京都大学・近畿大学・大阪大学)合同事業 FD講習会」(大阪大学中之島センター)で特別講演「がんプロの2つの使命」をする貴重な機会を与えられた。

「国際環境発がん制御研究会」主催のシンポジウム「アスベスト 予 防と早期診断と治療」に出席した。厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策の「来賓挨拶」に始まり、「アスベスト利用の歴史と現状」(村山武彦先生) の講演、日本保安用品協会からの「適切な保護具の選定及び着用方法」として「アスベスト対策における関連法令・選定方法」、「(実技)アスベスト対策に求 められる適切な保護具の選定及び着用方法」の発表、IBLからの「中皮腫の発症前診断法」、筆者は「国際環境発がん制御~次世代のアジア貢献~」のタイトルで講演の機会が与えられた。関西方面からの参加者もあり会場は満席であった。

週末、「横浜 がん哲学外来 5周 年記念市民公開シンポジウム」が開催された。特別講演「私らしい終活~最期まで自分らしく生きるために、今準備すること」は、新鮮な内容であり、大変、感 銘を受けた。満員の参加者は、将来の「我が身」として熱心に、聴かれていた。筆者は、基調講演「がん哲学外来の聴診器は対話」の機会が与えられた。パネル デイスカッション「私らしい生き方」は、レベルの高い、人間として心温まるものであった。まさに、「からし種=小さいものから始まり、鳥が宿るほどの大きな木に成長する」の実感の時であった。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。