今回使う丸太の年輪。50年を少し超えています。杉にしてはテーパーが無く、スマートです。これから山での状況を推測すると、間伐が必要な山から出た材量だと思われます。途中に枝もなく、10mの長さが取れるなんて、日が当たる場所では、難しいのです。癖も少なく使いやすい良材です。間伐した山には、建て主さんと、実際現地に行ったのですが、少し暗く、地面に日が当りにくい環境でした。間伐をすることにより、物部川水源の森が健康になり、豊かな保水力を持つ事にも繋がります。丸太や石をそのまま使う建築をやっていて、美しい素材って何だろうと、良く考えます。小林澄夫さんは、殆ど自然の状態で見出される「無償」の物と言っています。その建築にどれだけ無償の存在が含まれているかによって、その分だけ、いとおしさや美しさを感じるのではないのだろうか、無償性とは、自然との連続性という事であろうと。今の建築は、自然とのつながりを断つ事により、良い住宅になるような法律が出来てているが、「24時間換気」「特定の断熱材を使う事を義務化する長期優良住宅」等。しかしそれは美しくない住宅を作る事の推奨にしか私には思えない。何が長期優良なのか?日本には古くから、長く建っている長期優良住宅があるのに、それを改良して現代の長期優良住宅を作って行くべきなのにと、ひとり怒っています。美しい住宅は長く建っている可能性が高い。それは土地の気候風土に合った合理的な建築だと考えている。建てやすい、大きなメーカー主導の法律はいらないと思う。それでは環境に良い建築には、なり得ないと、私は考える。
アイビーログ工房の公式HPは こちらから
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