一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

86.大沢山温泉 「幽谷荘」

2007-03-04 22:43:52 | 新潟
越後魚沼地方、魚野川の西側を南北に走る山並みを魚沼丘陵という。ここは本邦屈指の豪雪地帯で、湯沢、石打、上越国際など、大規模なスキー場が数多くあるが、温泉にも恵まれていることは意外に知られていない。
栃窪、塩ノ又、二ツ屋など一軒宿の多いなかで、大沢山温泉は比較的規模の大きい温泉地だ。ここは「大沢館」、「高七城」など、個性的でマスコミ受けのいい有名旅館があるが、温泉好きの評価がことに高いのが最奥にある「幽谷荘」だ。

いったいにこのエリアのお湯は冷鉱泉や低温泉が多く、ここも泉温27.2℃の低温泉。贅沢にもこの源泉を加熱かけ流ししている。そんなこともあり、タイミングがあわないと日帰り入浴できないこともある様だが、私がいったときにはラッキーにも独占状態でお湯を堪能できた。

春浅い越後の3月。雪国らしい木造のがっしりとした建物はまだ豪雪に埋もれていた。声をかけると奥から飄々とした感じの女将?がでてきた。

浴室は男女別の変哲もないものだがお湯は逸品だ。
オイリーなツルすべが半端ではなく、泉質こそ含重曹食塩泉だが、お湯のイメージは重曹泉系だ。裏でしっかりと食塩が利き、しっかりと温まり感もある。
Na-HCO3の濃度があるとpHがさほど高くなくてもはっきりとしたツルすべがでてくる。
関東では、妙義長寿の湯や群馬新田が好例だが、新潟ではここが代表格だと思う。とくに魚沼周辺は単純温泉や硫黄泉が多いので、重曹がのびやかに存在を主張しているこのお湯は貴重だ。

明るく静かな浴室に鮮度の高いお湯がしずしずとかけ流されている。身を沈めるとザアザアとあふれ出るお湯が申し訳ないほどだ。湯中には細かな灰色の湯の花が舞い、ミシン油臭+αの特徴ある湯の香が妙に心地よい。
とにかく個性が際だっていて、入るほどにはまっていくようなお湯だ。やや過加温気味で浴室がこもっていたのが残念だが、夏場非加温で入ったら、それこそあまりの気持ちよさに出られなくなるのでは?
魚沼の山中にわざさわざ入りに行くだけの価値のある名湯だと思う。

Na-塩化物・炭酸水素塩泉 27.2℃、pH=8.46、成分総計=1.465g/kg、Na^+=458.7mg/kg (97.70mval%)、Cl^-=448.9 (61.63)、HCO_3^-=452.2 (36.08)、CO_3^2-=12.0、陽イオン計=472.9 (20.42mval)、陰イオン計=915.8 (20.54mval)、メタけい酸=63.2、メタほう酸=9.6 <H15.7.15分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

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