シリアのアサド大統領は政治権力者を継承する時までは、ほとんど政治的な経験が有りませんでした。
彼が結婚した英国育ちで「スンニ派」の夫人は、アサド父子の出身母体である少数派の「アラウィー派=シーア派」による最大宗派の「スンニ派」支配というイメージを払拭することが期待されました。しかし・・・・・・・・。
アサドは大きな波乱なく権力を継承しましたが、アサドの決定的な問題は政治的経験がほとんど無い為国政で主導権を握る事がせず、もっぱらハ―フェズ時代(前政権)以来の首脳が政務をおこなっていたのが政権の実態でした。生来の温厚な性格もあって、憲法で承認された絶大なる大統領権限は、前政権と変わるものでは無かったのです。そして、2007年5月に再任されました。アサド大統領(パッシャール)はただの操り人形の存在でしかありませんでした。
以上の事が、このアサド大統領に火をつけたことが間違いありません。所詮、素人が最高権力者の座に着くと、想像もしないことが発生します。「北」も、もちろん例外ではありませんが。
「シリアの内乱」
「破壊された、シリアの街」
再任された「アサド大統領」は少数派の「シーア派=アラウィー派」で、一気に多数派の「スンニ派」の弾圧を開始しました。これの発端は2011年のチュニジアの「ジャスミン革命」の影響によって「アラブ世界」各地で起きた(アラブの春)の一つでシリアの歴史上未曾有のものとなりました。
シリア(ダマスカス)のまるでロボコップのような「機動隊」国民に容赦なく催涙弾を水平撃ちする、殺人集団です。
世界最悪の独裁者にランキングされた「アサド大統領」(パッシャー・アル)
2003年のイラク戦争後は、イラクからの難民や、逆にイラクに潜入する武装勢力がシリアに集まり、アメリカとの関係が悪化し、さらに2005年の「ラフィーク・ハリーリー前レバノン首相暗殺事件」をきっかけに欧米を中心とする国際圧力を受け、シリア軍のレバノンからの全面撤退を強いられました。レバノンや中東平和問題をめぐるイスラエル関係は現在も悪化のままです。北朝鮮と核開発で協力していると疑惑をアメリカに持たれ、2007年9月にはイスラエル軍による空爆が行われました。後に、北朝鮮と核開発で協力しているという見解をアメリカは公式見解として発表しています。
以下が「中東の詳細地図」です。「中東」と呼ぶのは、欧州から見て中ぐらいの東にある為に「中東」と言っているだけです。ですから、我が国「日本国」は「極東」になります。欧州の勝手なよびかただけです。(日本の地図は、中央に日本列島が有るのに、不思議な呼び方です)
以上が現実ですが。メヂィアではあまり公表していませんが、実は「アサド政権」は少数派「シーア派」の勢力拡大が内にあるではないかと考えられます。国民を巻き込んだ同じ「イスラム教」どうしの騒乱がここにみられます。
少し偏見が入っているようですがあまり名誉でない、2010年ワシントンポストが発行する外交専門雑誌が「世界最悪の独裁者ランキング」は以下の順番です。
第一位:北朝鮮(朝鮮民主義人民共和国。金正日)高指導者(2011年没)
第二位:ジンバブエ。ロバート・ムガベ大統領
第三位:ミャンマー。タン・シェエ国家秩序回復評議会議長(2011年退位)
第四位:スーダン。オマル・アル=パシ-ル大統領
第五位:トルクメニス。グルバングル・ペルディムハメフ大統領
第六位:エリトリア。イサイアス・アフェウェキ大統領
第七位:ウズベキスタン。イスラム・カリモフ大統領
第八位:イラン。マフムード・アフマディーネジアード大統領国家主席
第九位:エチオピア。ギルマ・ウォルドギオルギス大統領
第十位:中国。胡錦濤国家主席(2013年3月退位)
第十一位:リビア。ムアンマル・カッザーフィー最高指導者(2011年没)
第十二位:シリア。バッシャール・アル=アサド大統領
第十三位:チャド。イドリス・デビ大統領
第十四位:赤道ギニア。テオドロ・オビアン・ンゲマ・ンバソゴ大統領
第十五位:エジプト。ホスニー・ムバーラク大統領(2011年辞任)
第十六位:ガンビア:ヤヒウゴ・ジャメ大統領
第十七位:ベネズエラ。ウゴ・チャベス大統領(2013年3月没)
第十八位:ブルキナファン。ブレーズ・コンパオレ大統領
第十九位:ウガンダ。ヨウェリ・ムセベニ大統領
第二十位:ルワンダ。ポール・カガメ大統領
以上の、第二十位までは、現役は十四人で、現在たったの六人しか、没するか辞任・退位していません。気の毒なのはなんの罪も無い国民です。「大統領制」は、一つ間違うと「大統領」自身に権力が集中する為に、アメリカ合衆国は別にして、「大統領」が独裁政治を生むことになる、恐ろしい仕組みです。ちなみに、日本国は「議会制民主主義」のために、独裁政治とは無縁です。
以上のように、「シリア」の「アサド大統領」は堂々の十二位にランクインされています。あくまでも西側の「アメリカ」からの見解ですが。
今、放映中のアメリカ映画「エンド・オブ・ホワイトハウス」の映画を観れば、なるほどと、あくまでも西側の立場で良く分かります。
我々日本人は、「イスラム教」のことは、あまり理解出来ませんが、「主に仏教国・日本」では到底考えられない、「シリアの内戦」は国民を巻き込んだ多くの命を亡くした先の見えない、泥沼の内乱です。
(たわごと)
おりしも昨年の10月25日に”たわごと”で記載した「日韓通貨スワップ協定」はやはり「竹島」等の問題で、今年の7月3日で打ち切りが決まりました。http://blog.goo.ne.jp/itodoya/d/20121025
これで、ますます韓国通貨「ウォン」の通貨不安が予想されます。もしかしたら、これが紙くずになるかも?
※平成25年6月26日、一部修正、追加