京の話題

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宗教と国旗からわかる、イスラム教に翻弄されている、米ソの対立するシリア泥沼のシリア情勢のこと-2

2013-06-23 00:14:32 | うんちく・小ネタ

今、「シリア共和国」(名ばかりの共和国)では泥沼の内戦が起こっています。単なる、内戦では無く、根が深い、宗教の問題から起こった内戦です。この事は、メディアではあまり放送しません。

 前記にて欧州が「アフリカ諸国」「中東諸国」「東南アジア諸国」等を宗教にて植民地化してきたことを記載しました。http://itodoya.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/06/post_1338.html#comments

 今、問題になっている「シリア」の国旗からみれば「フランス」から独立した国と一目瞭然です。

 シリアの国旗(フランスから、1946年独立、シリア共和国となる、その後紆余曲折がありますが)

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フランスの国旗(この国旗から、シリアの歴史が解かります)

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シリアの位置

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シリアの地図拡大図

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中東「シリア」の騒乱を知るために、「シリア」の宗教について知る事が必要です。

 おもにシリアの宗教は、「イスラム教」(スンナ派=スンニ派)70%、イスラム教(アラウィー派=シーア派)20%、キリスト教10%です。

およそ我々仏教国には到底理解できない、「イスラム教」です。世界のどの国も宗教の影響は多かれ少なかれ有ります。我々、日本人は、お正月に「神社」に参拝し、お彼岸さんに「お墓」にお参りし、クリスマスにはケーキで「ジングルベル」なんてなんて節操のない国かと。しかし、この「和」の心が有る日本が、仏教が伝来するまで、土地の「産土神」(うぶすながみ)を信仰し、仏教が布教されるとごく自然に和合して、「宗教戦争」などすることなく、平和に「神仏融合」して時代を送って来ました。

 しかし、「イスラム教」はすこしようすが違います。「イスラム教」は多くの派に分かれ、多くはスンニ派(スンナ派)とシーア派の二つの派が有ります。スンニ派は多数派です。多くのイスラム教徒が「スンニ派」に属しています。「スンニ派」は代代々伝えられてきた伝統を守る人々ということになります。

 他方、「シーア派」は、おもに「イラン」や「イラク」に信者がいます。他の国では少数派にと止まっています。「シーア派」は、「ムハンマド」のいとこで娘婿の「アリー」こそ「ムハンマド」の後継者になるべきだったと主張し、「アリ―の党派」と呼ばれてました。この党派のことを「シーア」と言い、その後「シーア派」と呼ばれることになりました。

 「ムハンマド」とは「イスラム教」の開祖で、「仏教」でいうと「お釈迦様」のようなものです。「仏教」では考えられない「イスラム教」は「一神教」です。(キリスト教やユダヤ教もそうですが、それが元で、よく宗教戦争が起こります)

シリアのことに話を戻しますが「シリア」は前記のように大多数が「イスラム教徒・スンナ派」で、、逆に、今の大統領「アサド」(パッシャール・アル)は、敬虔な少数派も「アラウィー派=シーア派」です。反体制派が大多数の「スンナ派」で有る事が、先の見えない泥沼化した騒乱になっている事が解かります。 

米紙ワシントンポストの週刊誌に「世界最悪の独裁者」ランキングの第12位に選ばれた「アサド大統領」国際法で禁止された化学兵器や「イラク」が以前「クルド族」に行った、細菌兵器や化学兵器を使うかもしれません。

「世界最大の独裁者」アサド大統領(パッシャール・アル)

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この、「シリアの内乱」を細かく記載するときりが有りませんが要するに、元は同じ「イスラム教」でも派が違うとこのような壮絶な内乱がおこるのが「イスラム社会」の問題です。現在で10万人近い命が失われています。

 また、逆に少数派のシリアの「キリスト教徒」が抗議活動に参加しないという理由で、反政府抗議者達による攻撃を受けています。(複雑な宗教社会が現実です)

よっていかに騒乱が「宗教」が大いに影響している事が解かります。

 シリアのハマーにあるギリシャ正教の教会(シリア人口の10%位の少数派)

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以上のことから見ても、開祖は同じでも、「イスラム教」と「仏教」の大きな違いが解かると思います。

今、「シリア」の南「ヨルダン」で大々的なアメリカの軍事演習が行われています、しかしロシアはシリアへの武器輸出の大のお得意さんです。アメリカは武器供与の国をEU諸国と協力してけん制していますが、死の商人”ロシア”が武器輸出を停止しないかぎり、シリアの罪のない国民が次々に命を無くし続けます。宗教戦争の隠れた内情は表面ではここにあります。

ますます、日本国憲法第九条を真剣に考える必要があると思います。

※誤記が有りましたの修正済み(H25。6.23)