チーム・バチスタの栄光宝島社このアイテムの詳細を見る |
今回は、海堂尊『チーム・バチスタの栄光』を紹介します。今までバチスタ手術に成功を重ねていたが、あるときから失敗が続くようになった。それは、医療過誤か殺人かの解明なのだろう。不定愁訴外来担当の田口講師と厚生労働省の役人の白鳥がその原因解明を行うことになった。
登場人物それぞれのキャラが立つし、物語全体としてもメリハリがあって面白くて笑える部分としんみりと読ませる部分とそれぞれあってよかったと思います。白鳥が登場してからの第二部からは、テンポアップされて良かったですね。それを逆から言えば、第一部の140ページぐらいがすごく退屈で間延びした感じを受けるともいえるでしょう。また、ミステリーとしては、陳腐だと思います。犯人もすぐに察しが着いたからね。まあ、ミステリーよりもキャラクタや医療現場のリアリティ勝負の色合いが強い。それでも言いような気がしますが。
白鳥のキャラクタについては、すごく攻撃的で、論理をこれまでもなく追求して、真実をあぶりだすと共に矛盾した論理を破綻させるようなものはすがすがしくていいなあと思う。しかし、ところどころにでてくる意味のない発言は、面白いというよりは意味がわからん感じだったかな。よく、奥田英朗氏の『空中ブランコ』にでてくる伊良部一郎と比較されているみたいだが、私は伊良部の方が癒されるし、たまに真理をついた発言をするところがいいと思う。
(というお名前でいいのかしら?-?)
トラバありがとうございました。
物語の印象につては、itchy1976さんに
全く同感です( ̄∠  ̄ )。
『空中ブランコ』のシリーズは未読なので、
こちらの記事を見てますます読み比べて
みたいものだと思いました。
こちらからもトラバさせていただきますね。
私のハンドルネームはitchy1976です。たまに、itchyさんと書かれる人もいますね。
子供っぽいところは、よく似ているが、白鳥をみて癒されはしないですね。空中ブランコやインザプールを読んでみるといいですよ。
それでは失礼します。
確かに「イン・ザ・プール/奥田英郎」シリーズの伊良部と印象が重なる部分はありますが、本質的に違うと感じました。
表面上のキャラクターは似ていても、白鳥は役人としての事務処理能力や問題解決能力の高さが持ち味ですが、伊良部はいわば本能的な私的力、質問力、示唆力なんだと思います。読者の心をえぐる力を持っているのは、伊良部の方ですね。
ただ、白鳥でシリーズ化しても痛快な連作になるという気がします。
>表面上のキャラクターは似ていても、白鳥は役人としての事務処理能力や問題解決能力の高さが持ち味ですが、伊良部はいわば本能的な私的力、質問力、示唆力なんだと思います。
役割といいますか、持っている本質的な性格がちがうといいことですかね。伊良部と白鳥を比較するようなものが多いですからね。
それでは失礼します。